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吾輩は猫である in HSDD

作者:古々
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吾輩、恩返しする



「にゃ~」
「あら、また来ましたのね」


にぼしくださいな~。


「なぁー」
「あらあら、お腹が空いてるのね。ちょっと待っててね」


巫女さんは神社の奥に入っていき、何か入っているお皿を持ってきた。


「今日はアジの開きですわ。さあ、どうぞ」
「うなぁ~」


ムシャムシャハムハムボリボリゴクッ!


「にゃーん!(うまー!)」
「うふふ、そんなに慌てなくってもご飯は逃げませんよ」


いえ、逃げるんです。吾輩の主食は良く逃げるんです。
あ、どうも、吾輩はカオスです。
朝食を喰うために廃屋から神社に来ました。いや~、この巫女さんマジ親切だ。こんな野良なんかに自分の朝食を分けてくれるなんて嬉しい限りだ。


「うな~ゲプッ」
「もうお腹はいっぱいかしら? またお腹がすいたら来てね」


ああ、なんて親切なんだ……高町家を思い出すな……この恩返しやすぜ。


「にゃ~」
「もう行くの? また来てくださいね。次はもっと美味しい物を用意しときますから」


もっと美味しい物……ジュル
明日が楽しみだなー!




「……」
「……」


今、吾輩は白髪に金眼のチビっ子と睨み合っている。なぜ睨みっているかは分からないがなんとなく睨み返さないといけない気がしたんだ。


「……」
「……」


このままじゃ埒があかんな。
てか、こいつから人の臭いがしないというか、昨日喰ったバイザーと同じ臭いもするし、俺と同じ猫の臭いもする。それに昨日廃屋に来た集団の一人だし……もしかして俺が殺ったってことバレた?
けど巫女さんの方は気づいた素振りなんてなかったんだけどな……
いやいや、猫なら舐められたらおしまいだ。美緒みたいに反抗されるのも嫌だしここはガツンと言ってやらんと。


『ああん? 我、ナニこっち睨んでるんだぁ~、にゃぁぁあん?』
「?!」
『おうおう、なんか文句あるんか? ええ?』
「えっと……なんでもないです……(何この猫怖い……)」


勝った。
白髪のチビっ子はそのままどこかに去っていった。
制服着てたし学校だろう。……学校か……猫になってから行ってないな……猫になる前はピカピカの大学生だったのにな(一浪)……
また学校の中に侵入してみるか。


結構大きな学校だな、てか女子の数おおっ!
男子の数倍はいるぞ。元々女子高だったのか? なんかこんな場面昔ドラマで見たような……やん〇みだっけ?


「みんな見て猫よ!」
「きゃー! かわいい!」
「うわぁ~、もふもふ~」
「ぷにぷにしてて気持ちいい~」
「ああー! 次私の番だよ~」


うへへ、極楽極楽! ああ、JKの柔肌最高です。発育のいい胸に顔を埋めて、むちむちふとももに挟まれ、頬に熱いキスをされ、張りのあるお尻も触り放題、猫ライフ最高です! 最高です!! 本当に最高です!! ありがとう神様あなたのおかげで最高の思いをしてます!! 大事なことなので何度だって言ってやる!! 最ッッッッ高です!!


――もっと敬ってもいいんだぞ?


なんか聞こえてきたけど無視だ。


「うにゃ~~~♪」
「いやん♪」
「そ、そこはだめぇぇぇ……//」
「ぅ……ぁぁ……ぁん……//」


ぐへへ、やっぱり男を知らない生娘の体は最高だぜぇ!! 吾輩は童貞だがな!!


「うぐぐぐぐぐぐぐっ!! あんなただの黒くって大きいしか特徴がない猫がこんなにモテてるんだよぉぉぉおおお!!」
「畜生! 畜生ッ!! なんで、なんで俺は猫に生まれなかったんだよぉぉぉおおおおおおお!!!!! 俺だって猫として生まれてたら合法的に幼女をペロペロできたのにぃぃぃぃいいいいいいい!!!」
「あああああっ!! あの野良猫あんなに胸を揉みしだいて……羨ましい、羨ましすぎだぁぁあああああああああああっ!!!」


向こうで坊主とメガネと……なんかこう、おっぱいが大好きそうなエロガキがこっちを見てなにか叫んでた。おら、羨ましいか。これが羨ましいのか。ほれほれ~。


「あ、いや、だめぇッ//」
「あぁん//」
「この猫うまい……うちに持って帰りたい(ボソッ)」
「うにゃへへ」


これで人の姿でできたら本当の意味で最高だったな。贅沢は言わんが。



「「「ちくしょぉぉぉぉおおおおおっ!! 神の馬鹿ヤロォォォオオォオオオッ!!」」」


――なんだとゴラァ!!?


おおう、めっちゃ吠えてやがる。つうか神、ちょくちょく出てくるなよ。




「……」
『……なんでまたこっちを見てるんです』
「なんか臭うから」


失礼な! これでも毎日体は洗ってるし、オラクルで綺麗なままにしてるぞ。


『臭うとは失礼な』
「なんか猫だけど猫じゃない感じ……何者?」
『猫ですがなにか?』
「……本当?」
「マジマジ」
「?! 今喋って……」
『何を言ってるんださっきから喋ってるだろ』
「????」


目の前の白髪少女は首を傾げて頭の上にクエスションマークを大量に作りながら吾輩をジロジロ見ている。やだ、ちょっと恥ずかしい。


『あんまりジロジロ見んなよ恥ずかしい(/ω\*)』


前足で器用に顔を隠し、後ろ足で立つ。


「変な奴……」
『ひでぇ』


ぐうぅ~


『腹減った……にぼし買ってくれ』
「……寝言は寝て言ってください」
『いいじゃないか別に! このケチ! チビ! 貧乳ッ!』
「こ、このn」


きゅぅぅ~


「//」
『ねえ、今どんな気持ち? ねえねえ、今どんな気持ち? 俺に文句言おうとした時に自分の腹の音に邪魔されてどんな気持ち? ねえねえwwww』
「……」プルプル
『顔真っ赤www恥ずかしい?wwwねえ、恥ずかしい?wwwmプププ』
「……ぶっ飛ばす……!」
『上等じゃ我、どっちが上か教えたらぁ!!』




「……すいません……遅れました」
「あら、どうs――本当にどうしたの?!」
「……ちょっと階段で転んでしまって」
「普通は階段で転んだだけじゃここまでならないでしょう。それにあなたルークじゃないの……」
「……できれば触れないでください……泣きそうです……」
「そ、そう、分かったわ。触れないでおくわ、だから元気出して」
「ほら、小猫ちゃん、これでも食べて元気出して!」
「お茶もどうぞ」
「……ありがとうございます……ぐすん」
「「「「(本当に何があったんだ……)」」」」




昨日のチビなんか美緒に似てたな~、まだ美緒の方が強そうだったが。
それにしても巫女さんのとこで喰ったさんまうまかったな……キンメとかくれたら吾輩もう巫女さん守護獣になっちゃう……チラチラ


「イッセーさん見てください! かわいい猫さんがいますよ!」
「げっ! あの時の猫っ!」


金髪のシスターとあの時の叫んでたエロガキじゃないか。


「よしよし~♪ イッセーさんもどうですか? ぷにぷにしてて気持いいですよ!」
「い、いや、なんだかその猫に近づくのを体が拒絶してるんだ……なんだろこの悪寒……ブルブル」
「そうなんですか? こんなに可愛いのに……」
「にゃ~ん、うにゃ~ん(いや~、照れますな~)」


あのエロガキ、随分と顔が青いな、猫アレルギーか? それとも猫になんかトラウマでもあるのか?


「あそこのクレープ買って、公園でゆっくり食べながら休もうぜ」
「はい! バイバイ、猫さん」
「ばいb、にゃ~!」
「おい、今バイバイって言わなかったかこの猫……」
「え? 私は聞いてませんが……」
「聞き間違えか?」


あぶねーー!! うっかりしゃべりそうだったーー!!


「あっ、その前に……はい猫さん、どうぞ」


シスターは俺にチョコを差し出してくる。チョコなんて何年ぶりだろ、甘いな~、うまいな~。
でも猫にチョコは危険だから吾輩以外にはしないでくれよ。下手すると死にかねんから。
この世界もいい子がいっぱいいて吾輩嬉しいよ。だからもっと餌くれてもいいんだよ。
眠いし、公園で昼寝でもするか。


えー、公園に着きました。
金髪シスターのアーシア嬢が痴女に拉致されていきました。
エロガキが地面を殴りながら泣いてます。
吾輩、木上からそれを見てます。
何この状況、てかあの痴女の羽、あの堕天使と同じだったな~、完全に仲間なんだろうな~、羽はクソまずいけど肉はうまかったんだよな~。


「……よし、助けに行こう。チョコを貰った恩もあるからな」


そう決心し、吾輩はアーシア嬢を助けるために駆け出す。
別に堕天使を喰いたいから行くんじゃないんだからね! 勘違いしないでよね!


「あっ……吾輩、あいつらのアジト知らないんだった……」


いきなり先行きが不安になってきた。
とりあえず、臭いを辿るか。


堕天使って飛ぶんでしたね。おかげで意味のないとこを回りまくってしまった。この怒りは堕天使どもで発散してやる。
そんなこんなで教会裏の森に来ました~、なんか先客がいるようです。
ゴスロリとセクシーな堕天使、それと対峙してるのは廃屋を捜索してた紅い髪の美女といつも飯をくれる巫女さんだ。
これは出ていって助けんとな。巫女さんには恩がありすぎて困る。
その前に……


「こんな夜中に失礼」
「だr――」
「きs――」
「何m――」
「あらあら」
「どうも、カオスです」
「「「!?」」」


おうおう、驚いてやがるな~。まあ、目の前に二足歩行で歩く猫の様な謎の生命体がいるのだから仕方ない。


「きもっ! 何あれきもっ!?」
「グロイわね……さっさと殺しましょう」


堕天使側ちょっと辛辣すぎやしませんか? 吾輩泣きそうなのだが。


「でもよく見ると可愛らしいですわ」
「朱乃、目を覚ましなさい。それだけはないわ」
「ああ、巫女さんだけが吾輩の味方ですかそうですか」


どうやら味方は巫女さんだけらしい。そこまでキモいか? この体意外と気に入ってるんだがなぁ。


「それであなた何者かしら?」
「捕まってるシスターに恩があるんでな、助けに来た。後、お腹がすいたので」
「ここには食べ物はないわよ」
「いるだろ、目の前に飛んでるのが」
「「?!」」
「あら、堕天使を食べるんですの?」
「意外とうまいんですよ? あ、巫女さんや今朝のさんま美味かったです」
「あらあら、もしかしてあの猫なの? どういたしまして、また食べに来てもいいんですよ」
「明日また伺います。できればサバでおなしゃす!」
「分かりましたわ♪」


よし、明日の朝食確保!


「私たちを無視するな!」
「謎生物の分際で!!」
「堕天使って本当にうるさいな、あのドーナシークって堕天使も「高貴な高貴な!」ってずっと言ってたぞ」
「貴様かぁぁぁあああ!!」
「ドーナシークの仇ぃぃいぃいい!!」


堕天使どもは光の槍を構えて突っ込んでくる。
だが――


「薫のおやつを盗んだときに比べたらこの程度お遊びじゃぁぁぁああ!!」
「「なっ!?」」


突っ込んできた堕天使を避け、大きく跳び、堕天使に向かって攻撃を放つ。


「ビィィィィィイイイイイィム!!」
「「ギャーーーー!!」」


目から黒い謎ビームを出し、堕天使に浴びせた。


「そろそろいいかな?」
「「……」」
「いい具合に焼けてるね~。さて喰おう。あ、こっから先はR-18Gだから見ちゃダメ」
「わ、分かったわ、私たちは先に行くわね。朱乃行きましょ」
「はい部長、ではまた」
「じゃーの。さて、いただきまーす」




いやぁぁぁっぁああぁっぁあああ!!


先程まで居たところから苦痛に満ちた悲鳴が聞こえてくる。


「食べてるわね、確実に……」
「食べてますね、確実に」
「あの猫一体なんだったのかしら?」
「悪魔というより魔獣に近い何かでしょうか?」
「あんな変な猫型魔獣なんて知らないわよ……」


イッセー無事かしら? 私の予想が間違ってなければあの程度の堕天使には負けないと思うのだけれど……
祐斗と小猫には手出ししないでと言ったけれど、やっぱり心配だわ。


「吹っ飛べッ! クソ天使ッ!!」
「下級悪魔がぁぁぁぁ!!」
「うおりゃぁぁぁぁぁぁっ!!」


大きな破砕音を響かせながら壁が壊れ、堕天使は気絶していた。
教会はボロボロになったけど元々捨てられてたものだし、大丈夫ね。


「持ってきました」
「ありがとう、小猫。さて、起きてもらいましょう、朱乃」


朱乃が魔法で水を作り出し、堕天使レイナーレに浴びせて起こす。
増援が来ると思っているけど、全員死んだと言ったら。信じられないのか「嘘よッ!」とさっきから虚ろな目で叫んでる。


「証拠、証拠はないのよね……」
「やっぱり嘘なのね! きっとすぐ来るわ!!」
「……だってね?」
「うふふ、そうですね」
「「「?」」」


もう面倒だから消し飛ばそうかしら。うん、そうしましょ。


「私の可愛いg――「待つんだ!」……食べ終わったのね」
「あらあら、血が頬に付いてますわ」
「これはこれはご親切にどうも」


朱乃がハンカチで猫もどきカオスの頬に付いた血を拭う。


「この堕天使を消し飛ばすのは止めてくれないか」
「!!」


レイナーレは希望に満ちた顔に変わる。
ああ、きっと助かると思ってるんでしょうね、可哀想に……


「予想はできるけど、どうするつもり?」
「もちろん喰いたいから」
「!?」
「別にいいわよ。後処理とか嫌だから残さず食べなさいよね」
「吾輩が残すわけないだろう。……さて」
「ひぃ!!」


カオスはレイナーレの足を無造作に引っ張り、私たちから見えないように壁の向こうに連れて行った。


「いただきまーす」
「いやぁぁぁぁぁっぁあああぁぁぁあああっぁあ―――」


ゴリュッ……グチャ……ムシャ……ブチッ……


「生々しいわね……当分の間は肉食べられないわ……」


あ、頭が転がってきた。そして謎の触手が持っていった。


「うっぷ……グロイ」
「……うー」プルプル
「ははは……、僕も無理そうだ……」
「あらあら、魚がメインになりそうですわ」


ん、なんだこれ? ペッ


こっちに光の玉飛んでくる。


「これ……神器ね……」


これであの子を生き返らせそうね。
さて、あっちはどうなってるのかしら?
ん? 張り紙?



――吾輩、腹がいっぱいになったので帰ります。


                 byカオス



「本当になんなのよもぉぉぉぉっ!!」




教会からあの赤髪の女性の叫び声が聞こえてきたが無視だ。
腹も膨れたことだし、早く寝たい。


「明日のサバが楽しみだ……」


明日の朝食を考えながら廃屋に向かって歩き出す。
 
 

 
後書き
乳、おっと失礼、NEW面白いれす^p^
相変わらずのエロさで安心しました。 
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