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遊戯王GX ~Unknown・Our Heresy~

作者:狂愛花
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第2話 入学式とアカデミアの洗礼

 
前書き
以前まで別のサイトで書いていたので、溜まっている話を投稿したいと思います。

現在修正を終わらせているのが8話溜まっていますので、8話まで全て投稿しようと思います。

それでは、ご覧ください。 

 
「ただいま」

そう言って俺は自宅にあがり、リビングの扉を開けた。

試験会場で十代のデュエルを見終わった俺と雪鷹は、そのまま試験会場を後にして、そのまま帰宅する事にした。

十代のデュエルには結局集中して見れなかった。

あのシンクロを使った女の子の事でデュエルどころじゃなかったからな。

「あ! 兄さんお帰り~♪」

リビングに入ると俺に飛びつく様に抱きついて来たのは、この世界での俺の妹「剣崎(ケンザキ) 夢姫(ユメ)」だ。

「嗚呼、ただいま」

俺は抱きついて来た夢姫の頭を優しく撫でてやった。

そうすると嬉しそうに頬を赤らめ笑った。

「あら、直君。 お帰り」

そんな事をしていると、台所からこの世界での俺の姉「剣崎(ケンザキ) 音姫(オトメ)」が姿を現した。

「嗚呼、ただいま姉さん」

「試験どうだった?」

俺に未だ抱きついている夢姫が訊ねてきた。

「実技は勝った。 後は通知が届くのを待つだけだ」

「そっか~! おめでとう♪」

そういってさっきより強く俺に抱きつく夢姫。

それを見て姉さんが不思議と面白く無さそうな顔をしているが何故だろう?

そんな事より、あのシンクロを使った子・・・・・・。

雪鷹も思ってるだろうけど、彼女も俺たちと同じ“転生者”だろう。

そう考えると、自然に俺の頭の中に観世音と名乗る女の顔が思い浮かんできた。

俺は手に力を込め握り拳を作った。

アイツは俺たち以外にも、関係ない人間を娯楽道具にしている。

俺の中で怒りがふつふつと込みあがってくる。

「兄さん?」

そんな事を考えていると、夢姫が心配そうな面持ちで俺の事を見上げていた。

つい感情を表に出してしまったようだ。

姉さんの方に視線を向けると、姉さんも夢姫同様に心配そうな眼差しで俺の事を見ていた。

俺は家族を心配させてしまったと自分自身を叱責した。

「何でもない。 今日は疲れたから、早くに寝るよ」

「わかったわ。 ゆっくり休んでね」

「ありがとう。 お休み、姉さん、夢姫」

「「お休み」」

そう言って俺はリビングを出て、自室に向かった。

自室に入ると、俺は上着をベッドに投げ捨てるようにして服を着替えた。

入浴を終えた俺は、既にフラフラになってしまっている身体を何とか引きずり、ベッドに入った。

ベッドに入るなり、俺の意識は直ぐに闇の中に沈んで行った。

翌日、デュエルアカデミアから合格通知が俺と雪鷹の家に届いた。

side out


side 雪鷹

ウミネコの鳴き声が聞こえる。

潮風が漂い、波の音が鳴き声の合間にさざめく。

海を切り裂くように進んでいく船に揺られながら、俺は茫然と海を見詰めていた。

「なぁ、雪鷹」

俺の隣で手摺に凭れかかっている直哉が話しかけてきた。

「ん?」

俺はそんな直哉に目を向けず、海を見詰めたまま返事をした。

俺たちが今乗っている船は、デュエルアカデミア行きの客船。

合格通知が届いた俺たちは、各々に荷物を用意し学園が指定した日時に港に向かった。

そこには、合格者と思われる受験生たちが何人もいた。

その中には、周りの雰囲気に気圧されおどおどしている水色の髪の丸眼鏡をかけた少年や、よく見なければ分からない、周りの雰囲気と同化してしまっている少年、これから向かうデュエルアカデミアに希望を抱きワクワクしている活発そうな少年の姿が人の群れの中にちらほらと見える。

集まった俺たちを含む合格者たちは、学園関係者の先導に従い、用意されていた客船に乗り込んだ。

そして今、俺たちはデュエルアカデミアに向けた船出を楽しんでいる最中だ。

「あのシンクロ使った子、どう思う?」

直哉の言葉に俺はあの時見た彼女の姿を思い浮かべた。

「さぁ、分からない。ただ、観世音が関わっているのは、間違いなさそうだな」

その言葉に、直哉は掴んでいた手摺を力強く握りしめた。

俺たちは未だに観世音と名乗った女の素性を掴めていない。

まぁ、人間2人を簡単にフィクションの世界に送り込めるほどだから、ただの人間である俺たちていどに、そう簡単に素性が掴めるはずもないか。

観世音。

転生する前の俺は神や仏、空想上の生物などを調べる事が好きだった。

過去に俺が調べた仏の中に、その名前はあった。

観世音は観世音菩薩と呼ばれ、一般的には観音さまや観音菩薩として広く親しまれている菩薩だ。

ある諸説では、様々な苦しみにあっている衆生が観世音菩薩の名を唱えれば、その声を聞き取りあらゆる苦しみから救い出してくれると説かれていた。

その言葉に俺は乾いた笑みを零した。

俺たちが見た観世音は、そんな優しいものじゃなかった。

状況の急転に混乱していた俺たちを嘲笑い、反論する俺たちを強制的に黙らせた。

俺たちに娯楽道具になれと、菩薩に有るまじき言動。

どう見てもアイツは悪魔だ。

「あの子も、観世音に送り込まれてきたのかな?」

俺の言葉に直哉は少し考える素振りを見せた。

「どうだろうな。今の段階だと何も言えない。でも、その可能性は今のところ高いな」

直哉も俺と同じ意見の様だ。

俺たちはアイツが何を企んでいるのか全く分からない。

でも、あの子が俺たちと全くの無関係とは思えない。

「ん? おい見えてきたぞ」

直哉の言葉に、俺は海を見詰めるのを止め、船の進行方向に顔を向けた。

そこには、一つの島が大海原にポツンと存在した。

「どのクラスになると思う?」

「実技試験で最高責任者をワンターンキルしたんだ。お前ならブルーもあり得るな」

筆記試験第一位、実技試験最高責任者をワンターンキル、これだけでもイエロー入りは確定だ。

「そうかもしれないけど、あの人何も言わなかったからな」

直哉が言葉に俺は頷いた。

「なんか入ってのお楽しみだとか言ってたけど、何を用意したんだろう」

合格通知が届いた日、俺たちはある人に呼び出された。

呼び出された俺たちはその人から合格おめでとうと祝いの言葉を述べられた。

それだけかと思った時、その人は不敵な笑みを浮かべながらこう言った。

「貴様らのクラスは既に決めておいた。有り難く思え。そして、合格祝いとして、俺から貴様らにプレゼントがある。それがなんなのかは、島に着いてからのお楽しみだ」

俺はあの人が言っていた事を思い出した。

本当に傲慢で俺様な人だ。

「あの人の事だから、どうせブルーだろ?」

直哉が溜息をつきながらそう言った。

「まぁ、そうだろうな」

俺も溜息を吐き、再び海の方に視線を向けた。

あの人は俺たちの事を気に入ってくれている。

お気に入りがイエローなどあの人は許さないだろう。

そんな事を思っている、船が港に到着した。

船から合格者たちがゾロゾロと港に下りて行く。

降りた生徒たちは学園の教員たちから赤・黄色・青の三種類の制服を各々に受け取っていた。

俺たちも制服をもらおうと教員の許に向かうと、教員は俺たちの顔を見てこう言った。

「君たち2人に校長が話しがあるようだ。今すぐ校長室に向かってくれ」

校長が話し?

俺たちは教員の言葉に顔を見合わせた。

まさか、と嫌な予感が俺たちの脳裏を過った。

教員に分かりましたと頭を下げ、俺たちは学園に向けて行った。

広い校内に迷いそうになるが、案内板の通りに進みなんとか校長室に辿りつく事が出来た。

コンコン

「失礼します」

俺はノックしてから校長室の扉を開いた。

校長室に入ると、坊主頭の老人が笑顔を浮かべて椅子に座っていた。

「よく来てくれましたね。剣崎君、相原君。私は、このデュエルアカデミアの校長の鮫島です」

そう言って鮫島校長は俺たちに頭を下げて挨拶をしてくれた。

「校長、俺たちが呼ばれた理由って、クラスの事ですか?」

直哉が単刀直入に訊ねた。

直哉の問いに校長は、はいと頷いた。

「こちらのオーナーから、君たち2人をブルーにするよう言われました」

予感的中。

やっぱり、あの人はブルーに入れようとしてた。

俺たちは深く溜息を吐いた。

「確かに君たちの試験の結果は筆記と実技、どちらも文句のつけどころはありません。しかし、いきなりブルーというのは他の生徒の事もありますので、承諾しませんでした」

校長の言葉を聞いて俺たちはホッと胸を撫で下ろした。

ブルーに入れば他の生徒たちから嫉妬の眼差しで見られる事になるからな。

さすがに、学園生活は楽しく過ごしたい。

しかし、そこで一つの疑問が浮上した。

あの人は自分の言う通りにならないのが最も嫌いな自己中心的な人だ。

しかし、俺たちがあった時はそんな雰囲気は一切出ていなかった。

その疑問に俺たちは顔を見合わせ首を傾げた。

「オーナーには、2人はイエローにすると言っておきました。しかし、オーナーはそれではだめだと言われまして」

そう言って校長は困ったように頭を掻いた。

「それで、2人にはこちらで特別に制服を作らせていただくということで、オーナーもなんとか納得してくれました」

社長がいっていたプレゼントとは制服の事か。

「ハァ、あの人が迷惑をかけまして、すみません」

俺たちはあの人の代わりに校長に謝罪した。

「いえいえ、構いませんよ。オーナーの人柄は私もよく知っていますから」

そう言って校長は笑ってくれた。

「それで、俺たちの制服は何処に?」

「すみませんが、制服はまだないんです。君たちの注文を聞いて、その注文通りに制服を作るという段取りになっています。2人を呼んだのは、制服のデザインを聞くためなんです」

そう言って校長は俺たちを机の傍に来るよう促した。

そして校長は俺たちに雑誌を渡した。

それはファッション誌だった。

それを見て俺たちは納得した。

ここに載っている衣服からパーツを選んで、選んだパーツが合わさった制服が出来上がるということか。

俺たちは校長室で30分ほど制服のデザインを考え、決まったデザインを校長に伝えた。

校長は俺たちの注文が書かれた紙を受け取り、分かりましたと笑顔を浮かべた。

「もうすぐ入学式が始まりますので、2人とも急いでください」

校長は腕時計を見ながら俺たちにそう言った。

「はい、分かりました。じゃ、制服が出来るまではこの制服を着ていますね」

俺はそう言って校長から渡されたイエローの制服を着て、校長に一礼して部屋を後にした。





入学式を終えて、俺たちは校内をぶらぶらと歩き回っていた。

「なぁ、直哉」

「ん?」

俺はある事を思い出し口を開いた。

「そろそろ、万丈目と十代が出会う時じゃないか?」

「あぁ! そうだな」

俺の言葉に直哉は歩みを止め、思い出したように手を打った。

「フラグ、立てに行くか?」

不敵に俺は笑う。

そんな俺に、直哉も不敵な笑みを浮かべ、首を縦に振った。

そうと決まればと俺たちはデュエルフィールドに急いだ。

side out


side 三人称

2人がデュエルフィールドがある場所に近づくと、中から人の争う声が聞こえてきた。

「駄目だ!! 駄目だ!! 此処はオシリスレッド如きのお前たちが使って良い場所では無い!!」

デュエルフィールドに入ると、オシリスレッドの制服を着た2人の生徒が、オベリスクブルーの制服を着た2人の生徒と口論になっていた。

するとそこに。

「ビークワイエット!」

レッドの生徒2人を追い返そうとする2人のブルー生徒を1人のブルーの少年が制した。

「誰?」

2人のブルー生徒を制した少年を見て、水色の髪のレッドの生徒が首を傾げた。

「な!? お前たち、ま「万丈目準。 万丈目財閥の三男で、親のコネでエリートに成りあがった。 ただの親の七光り」だ、誰だ!?」

1人のブルー生徒が声を荒げようとした時、隠れて見ていた雪鷹が、姿を現して話に割り込んだ。

突然の声にブルー生徒は声の主を探した。

「俺だ」

声のする方に全員が目を向けると、そこには雪鷹と直哉が立っていた。

「ッ!? 万丈目さん! アイツ、クロノス教諭をワンターンキルしたガキですよ!」

直哉の姿を見たブルー生徒が万丈目と呼ばれたリーダー格のブルー生徒に報告した。

その言葉に万丈目は直哉を凝視した。

「貴様か!! 俺が七光りだと言ったのは!!」

雪鷹を指差し万丈目が叫ぶ。

指差された雪鷹は、万丈目の言葉を無視し、ジッと万丈目の事を見た

「え? 違うの?」

そんな万丈目の叫びに、雪鷹の代わりに直哉がふざけた様に訊ね返した。

その言葉に万丈目の怒りが爆発した。

「ッ!? 貴様!! 叩き潰してくれる!!」

そう言って万丈目はデュエルディスクを展開しだした。

その時、デュエルフィールドに2人の女生徒が入って来た。

「貴方達!! 何やってるの!!」

女生徒の姿を見た万丈目は冷静さを取り戻し、挨拶をした。

「! や、やぁ、天上院君に藤原君。 何、新入生にこの学園の厳しさを教えてやろうと思ってね」

「もうすぐ歓迎会が始まる時間よ」

「そうよ、そんなつまらない事止めて、さっさと行った方がいいわよ。 坊や達」

その2人の言葉に万丈目は舌打ちした。

「チッ! 行くぞ!」

「「は、はい!!」」

そう言って万丈目は取り巻き2人を連れてデュエルフィールドを去って行った。

「貴方達、万丈目君に関わらない方がいいわよ。 あいつ等、碌でもない奴らだから」

「おう、サンキューな。 それよりそんな事俺に言うって事は、もしかして俺に惚れたとか?」

「アニキそれは無いですって!」

1人の少年の言葉に女生徒はクスッと笑った。

「フフッ、貴方って面白いのね。 私は天上院明日香」

「私は藤原雪乃。 宜しくね、坊や達」

「俺は遊城十代! よろしくな!」

「僕は丸藤翔ッス!」

「それで、坊や達は?」

雪乃が直哉達に視線を向ける。

それに連れて十代達も直哉達に視線を向ける。

「俺は剣崎直哉」

「俺は相原雪鷹といいます。 以後お見知りおきを」

直哉は軽く挨拶をし、雪鷹は丁寧にお辞儀をして挨拶をした。

そんな雪鷹を直哉が呆れたように見る。

「貴方達も万丈目君には関わらないようにね」

明日香が釘を打ってきた。

「あぁ、そうするよ」

「ご忠告、感謝します。 では」

そう言って二人はデュエルフィールドを後にした。

廊下を歩きながら、直哉が雪鷹に話しかけた。

「おい」

「なに?」

「何だよ、あれは」

「はぁ?」

言っている意味が分からないとばかりに聞き返す雪鷹。

「だから、何だ! あの挨拶は!」

「何だとは?」

「さっきまで普通に話してたのに、なんで急に丁寧口調になんだよ!!」

廊下に直哉の声が響き渡る。

わざとらしく耳を塞ぐ雪鷹。

「いや、だって、初対面だし、女性だし、丁寧に言うのは当たり前だぞ?」

何を言ってるのだと言う風に話す雪鷹。

「それ以前の問題だ。 何がお見知りおきを、だ。 お前そんな言葉普段使わないだろうが」

呆れた目で雪鷹を睨む直哉。

「キャラだよ。 キャラ」

そう言って笑う雪鷹。

そんな雪鷹にそれ以上言うのは馬鹿らしいと判断した直哉はそこで論争を切り上げた。

そのまま二人は自分達の部屋があるラーイエローの寮に向かって歩みを続けた。

side out


side 雪鷹

部屋で寛いでいると、アカデミアから支給された電子生徒手帳のPDAに俺が七光りと罵った万丈目からメールが来ていた。

内容は・・・・・・。

「今夜0時にデュエル場に来い。 貴様等を叩きのめしてくれる!! まぁ、勇気があるなら来るんだな」

とのことだ。

「ムカツク」

俺は額に怒りマークを浮かべ、デッキをベルトに着いているケースに入れ、デュエルディスクを腕に装着して部屋を出た。

部屋を出ると、丁度直哉も部屋から出てきて、2人で一緒にデュエルフィールドに向かった。





デュエルフィールドに着くと、先に十代たちが到着していた。

「あ! 直哉! 雪鷹! お前らも呼ばれたのか?」

「「あぁ」」

「フン! 逃げずに来た事、褒めてやる」

デュエルフィールドに仁王立ちしている万丈目が傲慢な態度でそう言ってきた。

さぁ、デュエルを始めるかと思った時、フィールドに声が響き渡った。

「貴方達!! 何やってるの!!」

声のする方を目を向けると、明日香と雪乃が速足で俺たちに近づいてきた。

「時間外でのデュエルフィールドの仕様は校則で禁じられているわよ!」

明日香が怒鳴る。

しかし、今の俺は誰にも止められない。

「おい」

「ん?」

「早く始めようぜ。 速攻で終わらして遣るよ」

「雪鷹!?」

「雪鷹君、字が違うッス」

翔が何か言っているが、俺はそれを聞き流した。

「フン、いい度胸だ。 まずは貴様から潰してくれる!!」

そう言ってデュエルディスクを展開する万丈目。

「おい、何勘違いしてる?」

「は?」

俺の言っている意味が分からず疑問の声を上げる万丈目。

「取り巻き二人もやるんだよ」

俺の発言に驚愕する面々。

直哉は俺の言葉に溜息を吐いている。

悪いな、お前の相手を取って。

「三人とも一撃で葬ってやるよ」

俺は獲物を狙う捕食者の様な目つきで三人を睨んだ。

「クッ! 後悔するなよ!! おい! お前達も上がれ!!」

「「は、はい!」」

万丈目に呼ばれ、取り巻き二人は慌ててデュエルフィールドに上がる。

「止めなさい! こんなの無茶よ!」

明日香が俺の身を案じ叫ぶ。

そんな明日香を直哉が制した。

「大丈夫だ。心配するな。雪鷹は負けない」

「でも!」

必死に止めようとする明日香を直哉がなんとか止めてくれた。

thank you、直哉。

そんな事を思っていると万丈目たちの準備が整ったようだ。

さて、行きますか。

「皆殺しだ」

「「「「デュエル!!」」」」

俺 LP4000

手札 5枚

場 0枚


万丈目 LP4000

手札 5枚

場 0枚


取り巻き1 LP4000

手札 5枚

場 0枚


取り巻き2 LP4000

手札 5枚

場 0枚


「俺のターン、ドロー!」

俺は勢いよくカードをドローした。

おいおい・・・・・・。

俺は手札を見て笑みを零した。

「俺はモンスターをセットし、ターン終了!」

「ハハハ!! 大口を叩いた割には、その程度か! 俺のターン! ドロー!!」

俺のプレイングを見た万丈目が大笑いしているが、笑っていられるのは今のうちだぜ?

「俺は、地獄戦士(ヘルソルジャー)を攻撃表示で召喚! 地獄戦士でセットモンスターを攻撃! ヘル・アタック!!」

万丈目のフィールドに剣と楯を持ち、鎧に身を包んだ邪悪な騎士が姿を現した。




地獄戦士(ヘルソルジャー)
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1200/守1400
このカードが相手モンスターの攻撃によって破壊され墓地へ送られた時、
この戦闘によって自分が受けた戦闘ダメージを相手ライフにも与える。




現れると同時に、地獄戦士は剣を振りかざし、俺のセットモンスターを切りつけた。

そして、セットモンスターの、サイバー・ラーヴァが破壊された。

「破壊されたサイバー・ラーヴァの効果発動! デッキから同名モンスターを特殊召喚する! こい、サイバー・ラーヴァ!」

俺の場に金属の身体を持った小さな竜の様なモンスターが現れた。

可愛い・・・・・・。

「チッ! 面倒な! 俺はカードを一枚セットしターンを終了!」

「俺のターン! 俺はゴブリンエリート部隊を召喚! さらに、ゴブリン・エリート部隊にデーモンの斧とメテオ・ストライクを装備! 行け! ゴブリンエリート部隊でそのモンスターを攻撃!」

取り巻き1のフィールドに白い甲冑を纏った緑色のゴブリンが5体現れた。




ゴブリンエリート部隊
効果モンスター
星4/地属性/悪魔族/攻2200/守1500
このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。
次の自分のターン終了時までこのカードは表示形式を変更できない。




そして、剣を持っていたエリート部隊は、剣を捨て新たに禍々しい斧を装備した。

デーモンの斧に切り裂かれ爆発するラーヴァ。

その姿に俺は哀愁を覚えた。

「さらに、メテオ・ストライクの効果発動! このカードを装備したモンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その分だけ貫通ダメ―シを与える!!」

不敵な笑みを浮かべる取り巻き1。

しかし。

俺 LP4000

「な、何故だ!? 何故ライフが減っていない!!」

俺のライフを見て取り巻き1は叫んだ。

「ラーヴァの効果だ。 このカードとの戦闘で発生する自分へのダメージはゼロとなる。 さらに、デッキから三体目のラーヴァを召喚する」

「クッ! なら俺はターンを終了する!」

苦虫を噛み潰したような顔を浮かべターンを終了する取り巻き1.

「俺のターン! ドロー! 俺は、切り込み隊長を召喚! さらに切り込み隊長の効果で手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚する事が出来る! 俺は、手札からレアメタル・ドラゴンを召喚! さらに手札からデーモンの斧をレアメタル・ドラゴンに装備! バトル! 行け!切り込み隊長! その雑魚を蹴散らせ!!」

取り巻き2の場にボロボロの鎧を纏い、双剣を持った騎士隊長が現れた。




切り込み隊長
効果モンスター
星3/地属性/戦士族/攻1200/守 400
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
相手は表側表示で存在する他の戦士族モンスターを攻撃対象に選択できない。
このカードが召喚に成功した時、
手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚できる。




そして、切り込み隊長は2つの剣を交差させ、金属音を鳴り響かせると、地響きを鳴らしながら取り巻き2の場に金属の竜が現れた。




レアメタル・ドラゴン
効果モンスター
星4/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守1200
このカードは通常召喚できない。




そして、取り巻き1が使ったデーモンの斧をレアメタル・ドラゴンに装備させた。

切り込み隊長が剣でラーヴァを十字に切り裂いた。

最後のラーヴァが悲鳴を上げ爆発していった。

すると、取り巻き2が気持ちの悪い笑みを浮かべた。

「これで貴様を守るモンスターはいない!! 行け! レアメタル・ドラゴンでダイレクトアタック!!」

レアメタル・ドラゴンが咆哮を轟かせ、斧を振り上げ俺目掛けて勢いよく斧を振り下ろした。

大ダメージを受ける危機的状況に明日香たちが叫んでいる。

しかし、俺とて策を持たず無謀な事はしない。

「俺は手札より、速攻のかかしの効果発動! 相手モンスターのダイレクトアタック時、このカードを墓地に送る事で俺へのダメージをこのターンゼロにする!」

「何!?」

向かい来るレアメタル・ドラゴンの目の前に、機械仕掛けのかかしが現れ、身を呈してレアメタル・ドラゴンの斬撃を受け止めた。

「クッ! 俺はこのままターンエンド!」

取り巻き2が悔しそうにターンを終わらせた。

そして、やっと俺のターンが来た。

来た。

遂に来た!

「やっときやがった!!」

俺の突然の叫び声にその場に居た全員が目を見開いて驚愕した。

「行くぜ! 俺のターン! ドロー!! 俺は、手札より手札断殺を発動!! このカードの効果により、互いのプレーヤーは手札を二枚選択し墓地に送り、デッキからカードを二枚ドローする!!」

俺の手札は5枚、万丈目の手札が4枚、取り巻きたちの手札がそれぞれ3枚。

よって、効果発動!

全員手札を二枚墓地に送り、新たにデッキからカードを二枚ドローした。

俺は勢いよくデッキからカードをドローした。

チッ! “あのカード”が来ない・・・・・。

「さらに、手札抹殺を発動!! 互いのプレーヤーは手札を全て捨て、捨てた枚数だけデッキからドローする!! 俺は四枚捨て四枚ドロー!!」

再び手札を捨て、捨てた枚数分デッキからカードをドローする。

引いたカードを見て不意に口元に笑みが浮かんだ。

やっと来た!!

「そして! 俺は手札から永続魔法!! 未来融合フューチャー・フュージョンを発動!! エクストラデッキからキメラテック・オーバー・ドラゴンを選択し、デッキから、機械族モンスターを15体墓地に送る!!」

15体ものモンスターを墓地へ送った俺の行動に全員が目を見開いた。

「まだだ!! 手札から大嵐を発動!! フィールド上の魔法・罠をすべて破壊する!!」

フィールドを大嵐が包みこみ、フィールド場の全ての魔法・罠を破壊して行く。

「坊やは何がしたいのかしら?」

俺の行動が分からず怪訝な表情を浮かべる雪乃。

「そうね。 デッキから大半のモンスターを墓地に送ったり、手札交換を何度もしたり、融合モンスターを2ターン後に呼べるのに、それを態々自分で破壊するなんて」

後ろで何やら話しているが、今の俺には気にしている余裕はない。

今は、目の前の奴らを倒す事で精一杯なんだ。

それじゃ、行くぜ?

「さぁ、貴様等の死の時間だ!! 手札より、魔法カード発動!! オーバーロード・フュージョン!! このカードの効果により、自分の墓地に存在する闇族性融合モンスターによって決められた融合素材をゲームから除外し、エクストラデッキより除外した融合素材の融合モンスターを特殊召喚する!! 俺は、墓地の全てのモンスターをゲームから除外する!!」

「何!?」

俺の墓地に存在するモンスターの魂が、俺の頭上に現れた歪みに吸い込まれていく。

そして、歪みから強烈な光が放たれた。

放たれた光はフィールドを覆い尽くした。

「現れろ!! キメラテック・オーバー・ドラゴン!!!!」

俺が叫ぶと、光は徐々に収まって行った。

そして、光が落ち着いたフィールドを見て、全員が驚愕した。

「ギシァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

フィールドに咆哮が轟く。

俺の場に現れたのは、巨大な機械の身体に、数多もの首を動かしている機械龍。

万丈目たちは機械龍の睨みに威圧され、後ろに後ずさった。

電流が身体をビリビリ走り、口を開けば白い煙が息をする度に外気にさらされる。

巨大なその姿に、全員は空いた口が塞がらなかった。

そんな面々を呼び醒ますように再び咆哮が轟く。




キメラテック・オーバー・ドラゴン
融合・効果モンスター
星9/闇属性/機械族/攻 ?/守 ?
「サイバー・ドラゴン」+機械族モンスター1体以上
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードが融合召喚に成功した時、
このカード以外の自分フィールド上のカードを全て墓地へ送る。
このカードの元々の攻撃力・守備力は、
このカードの融合素材としたモンスターの数×800ポイントになる。
このカードは融合素材としたモンスターの数だけ
相手モンスターを攻撃できる。




俺の場に現れる多頭の機械龍。

キメラテック・オーバー・ドラゴン。

すげぇ・・・・・・。

すげぇ!!!!

すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!

興奮が止まらねぇ!! 体を流れる血液が赤血球の一つ一つまで激しく鼓動してやがる!!

もう、誰も俺を止められない!!!!

その姿に俺は興奮し、目を見開いた。

そんな時だった。

「攻撃力が決まっていないだと!?」

万丈目の叫びが聞こえてきた。

その叫びに俺のテンションが一気に降下した。

うるさい。

「キメラテック・オーバー・ドラゴンの攻撃力・守備力はこのカードの召喚に使用した融合素材モンスターの数×800ポイントとなる!!」

「な、何!?」

「よって、攻撃力は・・・・・・15200だ!!!!」

「「「な、なんだって!?」」」

滅茶苦茶な攻撃力に3人の額に大量の汗が流れ落ちて行った。

「さらに!! こいつは融合素材にしたモンスターの数だけ相手モンスターを攻撃できる!! さらに、俺はラスト手札! 装備魔法、ミスト・ボディを発動!! このカードを装備したモンスターは戦闘破壊されない!! 俺は、ミスト・ボディを地獄戦士に装備!!」

「何!?」

地獄戦士が微かに揺らめいたかと思うと、その体の一部が霧状に変化した。

これで準備は完了。

ready action!!

「キメラテック・オーバー・ドラゴンで、取り巻き2の切り込み隊長を攻撃!! エボリューション・レザルト・バースト!!19連打ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 一打目!!」

キメラテック・オーバー・ドラゴンの首の1つの口がゆっくりと開かれ、その口から青い閃光が切り込み隊長目がけて放たれた。

閃光を浴び、消し去られる隊長。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

取り巻き2 LP0

「まだだ!! レアメタル・ドラゴンに攻撃!! 第二打!!!!」

「何!? 待て!? 俺のライフはもう、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

キメラッテクの攻撃の衝撃を受け、フィールド外に吹き飛ばされる取り巻き2.

「次だ!! ゴブリンエリート部隊に攻撃!! 第三打!!!!」

キメラテック・オーバーの攻撃を受け、消し去られるゴブリン達。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

取り巻き1 LP0

吹き飛ばされリングアウトする取り巻き1

「さて・・・・・・」

「ひっ!」

万丈目が情けない声を上げる。

しかし、俺は手を抜かない。

「お前の場には地獄戦士が一体のみ・・・・。地獄戦士の相互ダメージ効果は墓地で発動する。が、し・か・し・・・肝心の地獄戦士にはミスト・ボディが装備されている。この意味、わかる?」

俺の言葉に万丈目の表情がみるみる青ざめていく。

「つ・ま・り、その“ク・ズ・モンスター”は、お前を守る壁ではなく、俺のモンスターにただただ嬲られるだけの粗末なサンドバックに成り果てたってワ・ケ♪」

俺の言葉を聞いた万丈目から血の気が引いて行き、体中が小刻みに震える。

愉しい・・・・・・。

相手を虐める様なデュエル・・・・・・。

さぁ・・・・・・

“ 死 ね ”

「キメラテック・オーバー・ドラゴンの攻撃!! 16連打ぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 第一打目!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

万丈目 LP4000⇒0

「まだだ! 第二打目!!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

キメラテックの第二打目をくらった万丈目はデュエル場からリングアウトした。

「まだまだ!! 第三打目!!」

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「第四打目!!」

思う存分殺してあげるよ!!

「第八打目!!」

貴様のプライドをズタズタに引き裂いてあげる。

「第十二打目!!」

恐怖し慄くがいい。

幾度も放たれる青白い閃光が何度も何度も万丈目の体を貫いて行く。

俺は周りの事を忘れ、目の前の敵を徹底的に殺そうとしていた。

端から見れば、きっと俺は恐ろしく見えているだろう。

だが、それでも構わない。

俺は今がとても楽しい!!

「これで・・・・・・最後だ」

俺の言葉に万丈目の体がビクンッと震えた。

そして、ゆっくりと此方に顔を向ける万丈目。

その表情には最早エリートの誇りやプライドなどは微塵もなかった。

それはまるで、飢えた狼の群れに囲まれた一匹の子羊の様だった。

ただただ逃げ場のない絶望に打ちのめされ、ジリジリとゆっくり近づいてくる死に恐怖していた。

「キメラテック・オーバー・ドラゴン!! 万丈目に止めをさせ!! エボリューション・レザルト・バースト!!!!」

「くるなぁぁ、来るなぁぁぁ! 来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

キメラテックの全ての頭の口に青白い閃光が集まり、その全ての閃光が一点に集中し、巨大な砲撃となり万丈目の体を襲った。

万丈目は取り巻き同様に吹き飛ばされリングの外に転がり落ちて行った。

「ガードマンが来るわ!! 見つかったら退学よ!!」

明日香の言葉に、俺は正気を取り戻した。

「雪鷹! 逃げるぞ!!」

「あぁ! おっと、その前に。おい!」

ビクッ!!

俺の声に肩をビクつかせ恐る恐る俺の方に顔を向ける三人。

そんなに怖かったのか?

「このこと誰にも言うなよ。 言ったら、どうなるか、解かるよね?」

俺は出来るだけ優しく言ったつもりだ。

しかし、万丈目達三人は俺の笑顔を見てホラー映画を観るような恐怖の表情を浮かべ、首を高速に何度も縦に振った。

失礼だなぁ、人の笑顔見て怖がるなんて。

そんな事を考えながら俺たちはそのままダッシュでデュエル場を後にし、校外へと出て行った。

「どうだった? ブルーの洗礼を受けた気持ちは?」

何とか逃げ切った所で明日香が訊ねてきた。

「あれを見た後にそれ聞くの?」

「・・・・まぁ、野暮よね」

そう言って俺から顔を背ける明日香。

まぁ、そうなるよな。

「坊やって、強いのね。 本当に、惚れ惚れするくらい」

そう言って雪乃が俺に近づいてきた。

それを見た直哉が止めとけばいいのにという表情を浮かべていた。

「へぇ~、じゃあアンタは俺に惚れたのか?」

そう言って俺は雪乃の顎を手で掴み、顔を俺の方に向かせた。

突然の事に雪乃は驚き目を見開いた。

明日香たちも俺の行動に目を見開いていた。

しかし、雪乃は冷静に俺の手を跳ね除け、俺に背を向けた。

「残念ね。 私は真の男を求めてるの。 貴方はその可能性があるだけ」

言ってやったとばかりに俺に視線を向ける雪乃。

「残念だな。 俺は自分より強い子が好みでね。 今のアンタじゃ、俺には勝てない。 だから、こっちから願い下げさ」

「なんですって!」

「ホントの事だ。 アンタはコイツに勝てるのか?」

そう言って俺はデッキからキメラテック・オーバーのカードを取り出し、雪乃に見せた。

「ウッ!?」

キメラテックのカードを見て雪乃は言葉に詰まった。

「まぁ、アンタなら直ぐにでも強くなれるさ」

そう言って俺は直哉と共にイエロー寮に向かって歩き出した。

後ろから雪乃が悔しそうな眼差しを向けているのが見なくても分かった。

十代たちの姿が見えなくなる所まで来た時、直哉が口を開いた。

「なぁ」

「ん?」

歩きながら直哉が話しかけてきた。

「原作介入しちまったな」

直哉の言葉に俺はあぁと呟いた。

「良かったのか? 原作介入して」

直哉は心配そうな表情を浮かべた。

確かに、俺もあれで良かったのかと後悔している。

あの時はつい衝動に身を任せてしまってオーバーキルしてしまった。

「でも、もう遅いよ。俺たちはあの人に関わった。それって立派な原作介入だよ」

確かにと直哉は苦笑いを浮かべ頷いた。

「それより、お前事故りすぎだぞ」

思い出したように直哉が指摘した。

「仕方ないだろ? あれがあのデッキの動きなんだから」

「それにしてもだろ? お前手札交換普通以上に多かったぞ?」

「あぁ、分かってるよ! それより眠いんだ。もう、この話はこれで終わり!」

そう言って俺は走り出した。

直哉が待てと言いながら俺の後を追ってくる。

俺は走りながら、観世音の事を考えた。

アンタは一体何がしたいんだ。

to be continued
 
 

 
後書き
いかがでしたか?

以前同様、誤字脱字がございましたら、遠慮なくご指摘ください。

それでは、次回を楽しみにしていてくださいね。 
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