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ゲルググSEED DESTINY

作者:BK201
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第二話 MSは白兵戦がメイン

アーモリーワン内部でセカンドシリーズ機の強奪によって、戦闘になっているとの報告を受けたことにより、俺はすぐさま発進の準備を行う。

『シン、あれは我が軍の最新鋭機だ。わかってると思うが、撃破ではなく捕らえてくれよ』

「三機もいるのに、そんな余裕があるんですか!?そんなことしてる間にこっちが落とされますよ。壊しても文句言わないで下さいね!!」

副艦長のアーサーが無理難題を言ってくる。そんな話は当然ながら受け入れられないので文句は言っておく。

『ええ、わかってるわ。けれど、出来るだけ気を使ってちょうだい』

『えッ、艦長!?いいですか、最新鋭機ですよ!!』

艦長が許可を出したので遠慮なく戦うつもりだ。戦闘機に乗り込み、出撃準備を完了させる。

「メイリン、ソードシルエットで頼む。シン・アスカ、コアスプレンダー行きます!」

強奪した奴らは俺が絶対止めて見せる。









「ああ、もう最悪!一体誰なのよ、こっちの機体奪って襲ってきた奴らは!?」

「焦るな、ルナマリア。奴らの目的が何にせよ、こちらも動かねばならん」

怒ってると言わんばかりに声を荒げるルナマリアとそれを窘めるレイ。

「分かってるわよ。それでどう!あとどのくらいで動かせそうなの!」

幸いというべきか、彼らの機体は被害は少なく、見た目からでは、ほぼ無傷の状態でたたずんでいた。しかし、整備士が何かをしきりに動かしている様子から問題が無いわけではないようだ。

「爆発の際、換装されてたバックパックに被害がいったようで、どうやらバックパックの方は機能してません。時間を掛ければ使える様になるとは思いますが……」

「そうか―――だったらバックパックを外して動かす。S型でも性能に問題はないはずだ」

レイが自身の機体のB型パックとルナマリアのC型パックを外すよう提案する。元々B型もC型もS型にパックを取り付けたものだから問題はない。しかし、整備兵の顔は浮かない。

「…保障はしかねますよ。レイさんとルナマリアさんの機体はバックパックありきの形に改造されてるんですから」

元々ミネルバという整備環境の優れた場所でならともかく、このような場所で取り外しを行えば機体の信頼性を保証することは出来ない。さらに言うならレイとルナアリアの機体はそれぞれのバックパックに合わせたチューンを行っているため、OSを含めて性能の保証もできなくなる。

「それですぐに出せるなら構わない。バックパックを外してくれ」

「分かりました。武装はどうします?アーモリーワン内部で使える装備は限られますよ」

「ビーム兵器だ。実弾はVPS装甲には通用しない。外へ追撃する可能性もあるからな。予備のパックも頼むぞ」

そうして、シンだけでなくレイやルナマリアも増援に向かう。







「議長、とにかく本部へ!此処は危険です!」

「いや、ミネルバへ向かう」

「議長!?」

護衛の人が本部へ行くように言ったら議長はミネルバ行くと言う。その発言に驚愕の声を上げた。

「此処からならミネルバの方が近いはずだ。現状を確かめるならとにかく早い方が良い」

慌てた様子など見せず、理路整然とそう発言する議長に護衛は納得した様子を示す。まあ、仕方がない。とりあえず俺はミネルバへの移動を指示しながらマーレに連絡を取ることにする。アーモリーワンで郊外の方に施設を準備したのは正解だった。おそらくだが、被害は大きくないはずだ。

「マーレ聞こえるか?セカンドシリーズが奪取された。出撃できるか?」

『当然だ。しかし相手はセカンドシリーズか…。良いぜ、目にもの見せてやるよ』

「念のために言っておくがアーモリーワン内部で重火力兵器は使うなよ。主兵装はビームマシンガンの方に切り替えておけ」

『チッ、まあいいさ。安心しろ、強奪したナチュラル共は全滅させてやるよ』

「ナチュラルかどうかは知らんが、油断だけはするなよ」

連絡を終え、議長等を急ぎミネルバへと連れていきながら尋ねる。これで増援の戦力は十分だろう。尤も、マーレ以外に実力の高い戦力を持ち得ていない俺ではこれが限界だ。

「議長、これからどうするつもりで?」

「どう、とは?」

試すような表情で俺に対して余裕を持った表情で見る。

「おそらくですが強奪している三機には脱出の為に外に足の速い母艦がいるはずです。さらには最新鋭であるセカンドシリーズの機体の情報を持っていることから、こちらの警備も見抜かれている可能性もあります。ですから、状況的に脱出されてしまえば追えるのはおそらくミネルバ位です。ミネルバに行くことになれば追撃の戦闘の可能性がありますが?」

「構わん。今は緊急事態だ。追撃などといった後のことよりも現状を知る方が優先しよう。その上で、ミネルバが追撃するという結果になっても止むを得んさ」

説得は失敗。まあ、元々あまり心配はしていない。ミネルバとて早々落とされることはないだろう。仕方ないか。最悪、マーレにも艦に来てもらおう。

「分かりました。そこまで覚悟があるならミネルバに向かいます」

そうして、俺は車を走らせ、ミネルバに向かう。







「こんなところで君を死なすわけにはいかない!」

そう言って、アスランがザフトの機体であるザクを操縦し戦うものの、性能差と三対一の状況によって追い込まれていく。

「クソッ!」

機体の性能は悪くはないのだが、いかんせんバックパックによる強化もなく、手元にあるのがビームトマホーク位しかない。
不意を突いて得た多少のアドバンテージも徐々に押され始める状況になって覆されつつある状況と言える。

「アスランッ!?」

「君だけでも……」

左腕を切り裂かれ、ぎりぎりの状況に追い込まれることとなり、最早これまでかと思っていたその時、不意を突いて戦闘機がミサイルを放った。

「MS戦に戦闘機が!?無茶だ!」

そう思った直後、その心配が杞憂であったことを理解する。







『また戦争がしたいのか、あんた達は!!』

コアスプレンダーがソードインパルスとなり、セカンドシリーズの三機に襲い掛かる。

「何だ、こいつ!?新型は三機じゃなかったのか!」

『このォッ!!』

スティングが新たに登場した新型機に驚き、ステラの乗るガイアがビームサーベルをもって襲い掛かるも、それを即座に躱し、反撃とばかりにガイアのシールドごとソードインパルスの剣であるエクスカリバーで吹き飛ばす。

『貰いッ!!』

「アウル、止めろ!そいつに接近戦を仕掛けるな!!」

アウルがビームランスで突っ込むのをスティングが止めようとする。しかし、アウルは相手の武装は小回りが効かないと判断して、ガイアを吹き飛ばしたその隙に内側に潜り込んで切り裂こうとした。だが―――

「何ッ!?」

インパルスはエクスカリバーを片手持ちに切り替え、空いた左手で脇に差しているナイフを投げつけ牽制したのち、背面のブーメランを取り出し、サーベル代わりにと切り付ける。
巧くいなされるどころかあっさりと反撃を受けたアビスは距離を取らされる。

「チッ、んなのありかよ!」

スティングはすぐさまアウルの援護をしようと機動兵装ポッドを起動させ、囲い込んで攻めようとする。しかし、それを見たシンはすぐさま手に持っていたブーメランを投げつけ、腰に掛けていたビームライフルを取り出して、撃ちこんだ。

「なッ!?」

二基のポッドは回避に成功したものの、ブーメランと射撃によって誘導され、スティング自身は撃ち抜かれそうになり、何とかシールドで防御する。
スティングは驚愕する。三対一という状況にも関わらず、こちらが翻弄されているのだ。

「アウル、ステラ!こいつはやばい。迂闊に近づくな!」

『何なのよ、こいつはァッ!?』

「チッ、アウル、ステラを援護しろ!」

スティングの忠告を無視し、ガイアがもう一度とばかりにライフルを連射しながら突っ込んでいく。態勢を立て直しての三機での連携なら倒せる筈だと考えたスティングはすかさずアウルに指示を出し、自身も今度こそとポッドをだし、MAに変形すると同時にカリドゥス改を放つ。
シールドでガイアのビームライフルを防いでいたインパルスはカリドゥス改の砲撃に直前で気付き躱すものの、今度はガイアのビームサーベルに斬りかかられる。
エクスカリバーを直線状に構え、吹き飛ばされつつも何とか防いだが、アビスの連装砲を撃ちこまれ、よろめいた所でカオスのポッド内の誘導ミサイルによって倒れこむ。

『とどめッ!!』

ガイアがビームサーベルを振り上げ、今度こそインパルスを切り裂こうとしたその時―――

『いい気になるなよ。強奪者共が』

連続した閃光―――ビームマシンガンがガイアに襲い掛かってきた。

『よう、シン。無事か?』

『マーレさん!』







マーレ・ストロードという人物がどんな人間か、と言われると大抵の人は苦笑いしながらこう答える。

「あんまり親しくしたくない人」

彼は神経質なまでにナチュラル嫌いで、ナチュラルに対して意味も無く尊大な態度をとっており、被害妄想も非常に強く、ナチュラルを撲滅し、コーディネイターのみの世界にする事を理想としているだけでなく、ナチュラルと友好を持つコーディネイターは全て裏切り者だと考え、更には自らの邪魔となる者は、味方であろうがどんな手段を用いても抹殺する事が正義だと考えている。
確かにそういった人物と仲良くなるのは難しいだろう。だからと言って彼が情に薄い人間かと言われると案外そうでもない。何故なら、彼が毛嫌いしているのはあくまでもナチュラル、そのナチュラルと友好的に接する人に対してのみだからだ。
さらに言えば、別に普段からナチュラル抹殺論を説くほど常識知らずではないし(まあナチュラルに対して態度が悪いことに変わりはないが)、親しい人に対して彼にだって情が無いわけではないのだ。
そういう意味で彼はコーディネーターであり、ナチュラルと親しくしているわけでもないクラウやシン達と仲が悪くなることはなかった。

「さーて、誰から死にたい?」

ゲルググC型マーレ専用機。薄紫色のカラーリングが施され、ゲルググシリーズの中で最も銃火器が多い、彼の為に改造された高性能機のゲルググである。その性能は目の前に立つセカンドシリーズに勝るとも劣らない。

『マーレさん!なんでここに?』

「セカンドシリーズとのお披露目に合わせた試運転だとよ。まあ、折角のお披露目もこうなっちまったがな」

シンがインパルスの体勢を立て直しながら尋ねる。シンはてっきり彼はプラントにいるとばかり思っていたのだ。事実、彼がここに来ていたのには理由がある。クラウが報告に来る際についでとばかりにアーモリーワンでテストしようと彼を連れてきたからだ。
実際にはもうじき始まるであろう原作にいつでも対応できるようにするためにクラウがあれこれ理由をつけて連れてきていたのだが。
そうやって話している間にアビスがカリドゥス複相ビーム砲を発射する。躱せば被害が大きくなると判断したマーレはシールドを構え、受け止めきる。威力の大きいビーム砲でありながら真っ向から受け止め、それどころかブーストで押し込み相殺した。

「良いぜ、相手してやるよ。それにな―――シンの機体はともかく、前からセカンドシリーズの機体は気に入らなかったんだよッ!」

マーレはゲルググのミサイルを発射し、アビスに向かってビームマシンガンを撃ちこんだ。

 
 

 
後書き
ゲルググM型をF型に、J型をJG型に変更します。読者の方々には大変混乱をさせてしまったようで申し訳ありません。m(_ _;)m
後、今後このようなことが無いように設定にゲルググの何型が宇宙世紀のどれのあたるのかを記入しておきました。 
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