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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第43話:何かよく分からんが、貰える物は貰う主義

 
前書き
遂にミントスでリュカが宝の地図を入手した経緯が明らかに! 

 
(海上)
ウルフSIDE

相変わらず相手の心理を読み脅すのが上手な男だ……
トルネコさんも肝を冷やしただろう(笑)
シン君の武器も強化され、リュカさん相手に頑張っている。

出会った頃は、剣術でも俺の方が上だと思っていたのだが、リュカさんとの稽古を見る限り現状ではシン君の方が強くなっているかもしれない。
魔法を織り交ぜて戦えるのなら、まだシン君に負けるとは思えないけど……
うん。俺も稽古付けてもらおう!





「くっそー……何で二人がかりなのに掠りもしないんだ!?」
「本当……ウルフさんの言ってたとおり、リュカさんってお強いんですね……」
途中から不意打ち気味に参戦し、共に鍛えてもらた俺とシン君は、体力の限界が訪れ甲板上で大の字になりヘタレてる。

「じゃぁ今日はこの辺で止める?」
ニヤニヤ笑いながら俺達を見下ろし、“もう降参か?”と聞いてくるオッサン……
マジムカツク!

勝てないのは解ってる……それは解ってるんだけど、俺達二人がかりを左腕一本だけで去なされるのは本当に腹が立つ。
俺にもプライドってのがあり、側ではリューノも見ているのだ。
格好いいところを見せたいよ!

「ま、まだですよ……まだ1時間くらいしか戦ってない。こ、これからが本番です!」
若さか? 若さが言わせる科白なのか!?
俺は後から参戦したのに、膝が笑っておりまともに立つ事も出来ない……なのにシン君は上半身だけでも起き上がり、負け惜しみにしか聞こえない科白を吐いている。

「そ、そうですよリュカさん……俺達はまだ戦えます。ただ……少しだけ休みたいなぁって思ってるだけですから!」
負けてられない先輩(おれ)は、上半身すら起こさず口だけで健在ぶりをアピールする。説得力は皆無だけどね!

「一休憩の合間に聞いておきたい事があるんですが……」
「何……?」
起き上がりもせず突然別の話を持ちかけた俺に、周囲の視線が集まった……気がするね。

「ミントスのヒルタン老人から、宝の地図を譲り受けたと聞いたんですが……真実ですか?」
勿論、心底聞きたい訳ではない。
時間稼ぎの為に持ち出した話題……でも興味がある事は事実だ。

「ヒル……誰?」
「今そう言うのいいから! アンタのスッ惚けに付き合ってられないから! さっさと真実を教えて下さいよ!」
リュカさんはかなりの記憶力を持っているのに、ワザと忘れっぽいフリをするクセがある。

「……別に大した話じゃないよ。くれるって言われたから貰っただけだし」
そう言いながら澄んだ声で話し始めるリュカさん……
思っていたより面白い話を聞く事が出来た。

ウルフSIDE END



(ミントス - 数日前の事)
リュカSIDE

船旅の途中、クリフトが病に倒れこの町の宿屋に運び込まれた。
俺なりに心配はしているが、何か特別な事が出来る訳でもないし……
俺は普段通り今夜の相手を探す為、町へと繰り出しイケメンパワーを振りまきます。


町の中央付近に、何やら人集りが出来ており、その中にちょ~可愛い()が居たので、近付いてナンパします。
だってイケメンの義務ですから……美女をナンパするのは、イケメンに生まれた男の使命ですから!!

「ねぇお嬢さん、何してるのぉ? 今暇だったら僕と一緒に気持ち良い事しない?」
「え、あ、あの……」
「何じゃお前は!? ここはワシの……ヒルタンの商売学教室だぞ! ワシを海の事に詳しいヒルタン老人と知っての事か!?」
はぁ……何を言ってるんだこのジジイは?

「いや……海の事に詳しいとか関係ないし……」
お前の事なんか知るか!
こっちは今夜の事で忙しいんだ……無意味に話しかけるんじゃねー!

「その通り……海の事だけでなく世界の事に詳しいのが、ワシ……ヒルタンじゃ。よくワシの事を勉強している様じゃの!」
え? 何言ってるのコイツ……
何か勝手に話を進めてるぞ!?

「お前さんもワシが持つ『宝の地図』目当てで、この町まで訪れたのじゃろう……よかろう、ワシが出す問いを見事クリアしたら、お前さんに地図をやろう。じゃが……出来なかった場合は、大人しくワシの授業を受け精進するんじゃぞ!」
何……何なの一体!?

「では問う。商売において一番大切な事とは何じゃ!?」
どうしよう……何かよく解らない事を言ってきた……
周りを見回すと、沢山居る連中の視線も俺に集まっている。

これは……下手に相手すると、後々まで面倒臭い事になりそうだ。
取り敢えず笑顔でも振りまいて誤魔化すしかない。
「………(ニコッ)」

「あっぱれ!!」
うぉビックリした!!
突然叫ぶなよ……ビックリするじゃんか! 大沢親分かキサマは!?

「商売の極意……それは多くを語らず、相手に譲歩させる事なり! よくぞワシの学んできた極意を身に付けた! お前さんにならこの地図を託す事が出来るじゃろう……ワシにも到達出来なかった宝へ、是非とも辿り着いてくれ。ワシからの最後の願いじゃ」

何か独り言を言い始め、懐から薄汚い紙を1枚取り出し、俺に押しつけてきたぞ……
くれるって事かな? 貰えるのなら貰っちゃうけど……面倒事に巻き込まれない?
何か地図っぽいけど……何なのこれ?

何だかよく解らないけど、みんなが羨望の眼差しで俺を見てるし……
居心地が悪いから逃げよう!
美女は……うん。また別の機会に口説くと言う事で……

リュカSIDE END



(海上)
ウルフSIDE

流石だ……
商売の極意なんか知った事じゃないこの人……
地図を託したヒルタン老人は、良い面の皮だね(笑)

「ほれ……聞きたい事を教えてやったぞ。そろそろ起き上がり、お稽古の続きを始めるぞ!」
どうやら休息時間は終わりを迎え、リュカ先生の厳しい修行が再開される。
俺は勢いを付け格好良く立ち上がると、熱い眼差しを送るリューノをチラリと見て微笑む。

「では再開だ……」
リュカさんは杖を持ってない右手でニヒルに手招きをすると、左半身を此方に向けて身構えた。
「ピオリム、スカラ、バイキルト!」
俺は自身に補助魔法を掛けると、飛び出したシン君とは別の方向からリュカさんに攻撃を仕掛ける。

この後、どうなったのかは語らないでおく。
か、語る必要がないとか、そう言うんじゃなくて!!
ご、ご想像にお任せするって言うのか……
格好いいウルフ君を期待している美女達に悪いと言うか……その……

ウルフSIDE END



 
 

 
後書き
皆さんお待ちかね……
次話はピンクなお話ですよ!
良い子は見ちゃダメなお話です……だから悪い子になるチャンスです!
みんな、あちゃの小説を読んで洩れなく悪い子になっちゃおうゼ! 
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