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ドラクエⅤ主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?

作者:あさつき
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一部:超絶美少女幼年期
  十一話:今度こそ!レヌール城

 ウサギとかねずみとか毒々しいスライムとか、ゲームでお馴染みの魔物たちを薙ぎ払いながら、レヌール城を目指します。
 薙ぎ払うという言葉が相応しいよね!
 武器的な意味で!

 いちいち毒とか受けてられないので、バブルスライムが出たときはビアンカちゃんに遠慮せず、最優先で倒します。
 キアリーは、使えますけれども。

 ビアンカちゃんのムチ捌きは、どんどん精度を増していきます。
 もうほとんど、外しません。
 ビアンカちゃん……恐ろしい子!
 でも調子に乗らずに、私の指示に従ってくれます。

 うん、そこはもう、開き直った。
 開き直って、どんどん指示は出します。
 年下ぶってる場合じゃないからね、正直!
 死ぬから!
 私じゃなくて、ビアンカちゃんが!!

 私も死ぬわけにはいかないが、ビアンカちゃんだって、死なせるなんてとんでもないですよ!!

 ブーメランだからそんなに前に出る必要は無いんですが、いざという時にビアンカちゃんを庇えないと困るので、それなりに前に出て戦います。
 防具はややヘボいが、ドーピング効果でそんなにダメージ受けないし!
 細かい傷は付くが、帰る前に、まとめて治せばいいんだよ!
 ベホイミだって、使えるもん!

 ついでに、ビアンカちゃんに呪文なんか仕込んでみます。
 レベルアップで自然に覚えられるとか、そんな都合のいい話は無かった。
 覚えようとしても、レベルが足りないと覚えられないっぽいけど。
 あと、覚えられないものはやっぱり覚えられないけど。
 メラとか、ダメだった。

 そんなシステムなので、必要なときに仲間に教えられるように、自分が覚えられないだろうものも、頑張って勉強しました!
 パパンの書斎が充実してて、助かった!
 ザオリク・フバーハ・ベホマラーあたりは、なんとか自分でも覚えたいものだが……勇者いないかもしれないし……都合良く、仲間も増えないかもしれないし。
 できれば、ベホマズンも覚えたい……!
 要、相談!

 ビアンカちゃんは、さすがメラゾーマとか使えるようになるだけあって、メラ程度はあっさり成功させます。

 ……いいなあ……()()
 いかにも、魔法!って感じよね!
 個人的に必要かって言われたら、そうでもないんだけど!
 殴ったほうが早いし!

 今、必要なのはルカナンだけど!どっちかというと!
 それもステータスでゴリ押せそうだし、そこまでビアンカちゃんのレベル上がんないかな?イベントクリアまでに。


 ……ていうか、時間が。
 若干、空が白々と明けてきたんですけど。

「……朝に、なっちゃうわね。ドーラ、今日はもう、帰りましょうか」

 ……ですよねー。

 ゲームじゃないんだから、時間は経つよね!
 慎重を期して、時間をかけ過ぎたか……。

 ……まあ!
 慎重なくらいで、丁度いいよね!
 なにしろ、命懸けなわけだし!

 ……パパンさえ、イベントに乗っかってくれれば!!

「今日もなんとか、おじさまをひきとめましょう!」

 でないと余計な作業が発生するというか、完遂できる自信が無いというか。





 そんなこんなで、ビアンカちゃんとの冒険初日は、レヌール城にたどり着けずして帰還。

 ……なんとか!
 三日以内には、クリアしたい!

 悪ガキ共に、
「すぐ、かえるんです(うるうる)」
とか言った関係上!

 可愛いドーラちゃんに対してそこ突っ込んでは来ないだろうというか、たぶん覚えてないだろうけど!
 頭悪そうだったし!

 ビアンカちゃんと長くいられるのはいいんだけど、その分パパンの病気が長引くのか、解決前に回復してしまうのか。
 どっちにしろ、困ることには違いないしね!

 ……ええ、パパンは無事(?)にご病気召されてました。
 喜んではないが、助かったよ!
 ありがとう、パパン!
 ごめんね、パパン!!

 ゲームでは咳き込むパパンの横で普通に寝てましたが、さすがに現実だと離されて、だけど子供を客室にひとりで寝かせるのも不用心だということで。

 ビアンカちゃんのお部屋で、一緒にお泊まりです!
 一緒の、ベッドです!!

 ……美少女たちが、寄り添って眠る姿……ああ、もう!
 なんで見れないかな!!



 などというフラストレーションを抱えつつ、昨日よりも脱け出しやすくなった状況で、今夜も町を脱け出します。


 ビアンカちゃんも戦いに慣れ、私もビアンカちゃんがいる状況に慣れ、呪文も昨日のうちに必要なところは教え終わったので、今日はサクサク進みます。

 あっという間に、レヌール城が目の前です。

 ……わりと、近かったんだね。距離的には。
 そりゃ、そうか。
 でないと、子供の足で一晩で行って帰るとか、無理だしね。

 そして、雨も降ってないのに轟く雷鳴、天を裂く稲光。

 ……雰囲気あるね!
 いかにも、幽霊城って感じ!!

 お化け屋敷で生身の人間が脅かしてくるようなのは本気でびっくりするから苦手だが、こういうギミックは大歓迎です!
 幽霊も、実害無い系はわりと平気です!

「つ……着いたわね!さあ!行きましょう!」

 ビアンカちゃんの声が、若干震えてるような。

 虫は平気でもオバケは怖いのかー、やっぱり女の子だね、可愛いとこあるね!
 いや、全体的に可愛いけども!
 むしろ可愛過ぎるけれども!!

「ビアンカおねえさん。だいじょうぶです!ひとりじゃ、ありませんから!」

 ビアンカちゃんの手を、ぎゅっと握ります。

 私が付いてる!俺に付いてこい!
 とかだと言い過ぎて逆効果だろうとか、声かける前に手を握ったらびっくりして悲鳴上げられそうだとか、色々と気を使ってみたがどうだろうか。

「……そうよね。うん、行きましょう!」

 お、ちょっと元気出たね!

「はい!いきましょう!」

 よーし!今度こそ、レヌール城の中へ!
 ゴー、ゴー!! 
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