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IS 〈インフィニット・ストラトス〉×トリコ 食を探求する夏の毒!

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序章 

誰か言った。全身の肉が全て、舌の上でとろける霜降りの獣がいると。

プリップリで身のずっしり詰まった、オマール海老やタラバ蟹の身が、一年中、実る木があると

琥珀色の上質で芳醇なブランデーが、絶え間なく溢れ出す泉があると

人々は見せられる、数多の未知なる食に。

世はグルメ時代!未知なる食を求め探求する時代!!

そのグルメ時代で育ち、グルメ時代では知る人と知る男がいた

ある者は彼を称え、ある者は憧れ、ある者は恐れ、ある者は妬んだ

グルメ時代において、重要な職業とされている美食屋。

未開の味を求め、まだ見ぬ食材を自ら探し捕食する食の探求者であるが、その中でも一際名を轟かせている者達がいた。

その名は・・・

「ふぅ・・・こんなもんか?」

ゆっくりと腰を岩の上に下ろして懐から太い枯れ木のような枝を咥えてライターを取り出して火をつける。火が付くとライターをしまって大きく息を吸い込んで、煙を十分吸った後に煙を吐き出す20歳ほどの男だろうか、顔には僅かな幼さが残っているが十分に凛々しい顔つきをしていた。青年の視線の先には1頭の巨大な猛獣が横たわっていた。それはトラにも見えるがそのトラが全身の色は水と同じ青かった。背中には布のような円を描いた水があり、更には尻尾の先に尾びれが合ったのだ。

「ウォータイガー、幻の虎か。じゅるり・・・」

ウォータイガー 【捕獲レベル】 70 哺乳獣類

海を渡る虎と言われ、全身から水弾を発射する。 その威力は岩を粉砕するほど。防御面も優秀で、身体が水ゆえに打撃が効きにくい。が熱に弱く、熱い場所に出てしまうと体の水分が蒸発してしまい、ダメージを受け流せなくなってしまう。


口元からは涎が垂れており、如何にも目の前の虎を食したいという思いがにじみ出ている。そう思っていた青年だったが、はっと涎を拭ってウォータイガーの巨体を持ち上げて肩に担ぎ、そのまま歩き出した。

「食うのは皆で食う方が美味しいからな、そうだよね、ねぇ龍兄」
「あららバレてた?」

そう青年は後ろを振りぬいて其方を見ると、黒い長ズボンに黒のTシャツというラフな服装をしている絶世の美男子が巨大な身体を持ち、紫色の皮膚・白い髪の毛と漆黒の牙・爪を持つ多足大蛇、デーモンデビル大蛇の頭の上に乗りながらこちらを見て微笑んでいた。

「当然だよ、俺がこっちに来たばかりならまだしも今じゃ気配を察知するのは俺の得意分野だよ。それにジャコウは通常のデーモンデビル大蛇より馬鹿でかいんだからバレるに決まってるだろ?」
「ははっそりゃそうだなジャコウ」
「ギャオルルル」

デーモンデビル大蛇 捕獲レベル25 ジャコウの場合は測定不能 爬虫獣類

地獄から来た魔獣、と呼ばれる伝説の魔獣。太古の昔、最強と謳われたバトルウルフと肩を並べたと言われる紫色の皮膚・髪の毛と、漆黒の牙・爪を持つ多足の大蛇。体全体が伸縮自在なので、攻撃を予測しづらく、間合いをはかることも困難。また、皮膚を限界まで縮める事で、硬度と耐久力を上げて身を守る事が出来ることから知能は高い。
凄まじい雄たけびには、精神力の低い者の意識を混濁させる効果があり、口からは強力な消化液を吐き、足を切り落とされても瞬く間に再生させてしまう。
髪の毛からは毒液を分泌し、飛ばすことも可能だが、獲物の体に直接、毒針のように打ち込むこともできる。全方向を見ることが可能な3つの眼と、顔中に点在するピット器官により、暗闇の中でも獲物を見失うことはない。

生息地:暗い洞窟の中
体長:35メートル~40メートル ジャコウ 70メートル
体高:-
体重:17トン ジャコウ 68トン
価格:100g/15万円

「っつかなしてジャコウで来たの?俺一人でも十分運べるんだぜウォータイガー」
「嫌散歩ついでにお前の狩の様子を見させて貰ってただけだ。随分前に拾ったお前が此処まで成長してくれて兄さんは嬉しいぞ~」
「ああそうですか、ってか早く帰ってこいつ調理したいんだけど」
「ったく少しは感動に浸らせてくれよって・・・。まあいい、ジャコウに乗れよ一夏」
「うい~す龍兄」

そう言って青年、一夏はウォータイガーを背負ったままジャンプしてジャコウの長い身体に飛び乗る。ジャコウは気を利かせてウォータイガーが落ちてしまわないようにウォータイガーに巻きついて固定する。

「悪いなジャコウ気使わせちゃって」
「ロロロロロ」
「気にするなってさ、さ、家に向かって出発だジャコウ!」
「ギャア"ア"ア"ア"アア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"アア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!!!!!」

凄まじい方向を上げるジャコウ、その声は周囲の木々を大きく揺らし、地面に亀裂を走らせた。そして大きな体をくねらせながら、まるでリニアモーターカーのような速度を出しながら、進んでいく。

「乗るたび毎回毎回思うんだけどさ、ジャコウ、速くね?サニーさんのクインよりはええじゃん」
「そりゃあな、ジャコウの体内にはグルメ細胞だってあるしな。それにこいつは俺と一番付き合いが長い相棒だぜ?このぐらい当然だ、この速度だって十分力抑えてるし」
「嫌十分可笑しいだろそれ」

っと、リニアモーターカーのようなスピードの中で普通に会話する二人。異常とも言えるが二人にとってはこの位の事は平気なようだ。

「それでどうするんだ?なんかゆかりんに言われた事、どうするか考えてあんのか?」
「嫌別に?俺はもうこっちに骨埋めるつもりだし、あっちに言ったとしても別れの挨拶ぐらいはしに行くよ。っつうかさ、あっちにいてもどうせグルメ細胞の事色々言われて人体実験にされるのが見えてるし」
「ちげぇねぇ!!」
「「ははははははははっ!!!!」」 
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