| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ガールズ&パンツァー もう一人の転校生

作者:stk
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

海部澄

平塚水産高等学校。
主に学力に力を入れているこの学校における戦車道は策略を考えることを得意にしている。
そもそも策略とは策士がいなければ始まらない。
戦車道においても大切な存在なのだ。
私たちで言えば本気になったときの星見さんが当たるであろう。
でも彼女はあまりに本当にはならない。
私が見たのはジュニア大会の一試合でのみ。
彼女は元神奈川県立平塚水産高等学校付属中学に所属していた。
当時の彼女は熱心に戦略を考えていたらしい。
しかし全国中学校戦車道大会準決勝で彼女は自分の戦略では通用しないことを知ってしまう。
福島県立白河中学校。
梨華が通っていた学校だった。
昔から強豪校として名を広めている白河中学校。
優勝候補と言われて来た平塚水産高等学校付属中学。
凄い試合になる。
全国の人が思っていた。
しかし決着がついたのは以外に早かった。
梨華が乗っている戦車は誰にも見つかることなく星見玲菜の乗る戦車を撃墜した。
彼女は隊長を務めていたため重要な試合と感じた今回は自らをフラッグ車にしていた。
試合時間はたったの20分くらい。
強豪の予測不能な動きに恐怖を覚えた彼女は戦車道から離れるために平塚水産高等学校には行かなかった。
しかし青葉女子学園で戦車道が復活したためやむを得ず戦車道に参加をしていた。
今の彼女が戦車道をどう思っているかは分からない。
でも良い印象ではないかもしれない。
「すみませーん。ここに星見玲菜さんはいませんか?」
控え室入れ口には見たことのない人がいたが、何処の学校かはすぐにわかった。
平塚水産高等学校。
それも付属中学から入学した生徒。
となると考えられるのは星見さんと戦車道をしていた人のはず。
「申し遅れました。私は平塚水産高等学校の隊長を務めている海部澄と言います。」
海部澄だって?
たしか戦車道を中学校ではじめたのにも関わらず多くの実力者を倒してきて大狩流、西住流ともスカウトしていた人物である。
そして星見さんを副隊長としてサポートしてきた人物である。
「私は青葉女子学園の隊長をしている伊達桜です。よろしく。
「あっ。はい、よろしくお願いします。ところで星見さんは?」
そう言えば星見さんが見当たらない。
どのにいるんだろう?
「誰か星見さんの居場所がわかる人いる?」
「星見さんなら更衣室です。」
「ありがと。それじゃあお邪魔します。」
えっ。
堂々と上がるんだ。
まあ、いいけど。
でも海部さんのいく方向には更衣室がある。
まさか。
「玲菜。久しぶり~。」
「えっ。どうして此処にいるの?てかちょっと更衣室から出てよー。」
「やだ。だって久し振りに玲菜に会えたんだもーん。」
なんでだろう。
星見さんが困っているように見えるんだけど。
一体どんな人なんだろう。
少し気になるかも。
「せめてドアを閉めて。恥ずかしいから。」
「そうだね。私と玲菜の関係を知られる訳にはいかないもんね。」
「だから誤解を招くことは言わないで~。」
なんだろう。
この人はなにがしたいのかわからない。
でも何かを企んでいるのはわかる。


「それで何しに来たの。」
「尊敬する玲菜さんに会いに来たのですよ。」
「嘘ばっか。」
「分かっちゃいます?」
不敵な笑みを浮かべている澄。
「実はあなたを取り返しに来ました。」
「何度も言っていますけどお断りします。」
「やっぱりですか。」
何時もならこれで諦めるのに様子が違う。
まだ何か企んでいる顔をしている。
「玲菜さんの力はここでは発揮されていません。こんなところでは宝の持ち腐れですよ。」
「そう言ってもらえるのは嬉しいです。でも青葉は弱くはない学校なので私は思う通りに力を出せています。」
「自分では分かってないのですよ。玲菜さんは副隊長ではなく隊長の器を持っています。作戦を考え、的確な指示を出す凛々しい姿。それが本当のあなたのはずです。」
私も見た頃のない澄の真剣な説得。
答えてあげたくもなっちゃうけど私は断る。
平塚水産高等学校付属中学。
私の母校にして、敗北の地。
敗北の地とは大会における失態を意味する。
「ごめんなさい。そこまで言ってくれたのは本当に嬉しい。でも私はここに残ります。」
「そうですか。なら最後の手段です。」
最後の手段?
力づくとかやめてよね。
「今日の試合。一対一で私と勝負してください。大会本部にフラッグを用意してもらいました。ですのでフラッグ車の一騎討ちで蹴りをつけましょう。」
「なるほど。でも私だけで決めることが出来ないの。一騎討ちなら両方が納得いくのは分かるけどね。」
「耳を当てて聞いている青葉の隊長さん。この件に賛成してくれますか?」
澄が言うとドアが開けると本当には伊達さんがいたよ。
「まあ良いんじゃない。その方が星見さんにとって一番の方法なら。」
「決定だね。それじゃあ準備するために戻るね。」
あ~あ。
もうどうなっても知らない。
澄は強いのに。
「しっかりしなよ。星見さんなら勝てるよ。」
期待されても困るんだよね。
まあ頑張るけどね。 
 

 
後書き
七月は超不定期になります。

黒子のバスケの二次小説を始めました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧