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レインボークラウン

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第三十一話

                  第三十一話  わらび達のご主人
 話は本題に入った、ケムンパスがライゾウ達に言う。
「それで私達のご主人だけれど」
「ああ、そのことだよな」
 ライゾウが同じ猫であるケムンパスの言葉に応える。
「それでどういった人だよ」
「私達には物凄く優しいのよ」
「そうなの、私が子供達に追いかけられててもね」
 ワラビも話す。
「すぐに庇ってくれて大丈夫って優しい声で言ってくれるのよ」
「子供にかよ」
「保育園位のね」
「何でそんな子供から逃げるんだよ」
「だって怖いから」
 だからだとだ、ワラビはライゾウに怯える顔で答えた。
「子供って。あとよく吠える犬も急な物音も普段はそこにないけれどあるものも」
「怖いものばっかりだね」
 タロもワラビの話を聞いて言う。
「それって」
「だから私怖いの苦手だから」
 それでだというのだ。
「子供って急に来て悪戯してくるから怖くて仕方ないの」
「その大きな身体だと皆逃げるんじゃないの?」
「逃げないわよ、そんなの」
 ワラビは怯えた顔になっている、その優しい目も今は弱々しい。
「ワンワンだとかいって来るのよ。急に触られてびくってなったこともあるから」
「本当に弱いな、あんた」
 ライゾウもタロの話を聞いて呆れて突っ込みを入れる。
「というか弱過ぎだろ」
「そう言われても」
「まあいいさ、それでそのあんたにだよな」
「そうなの、いつも凄く優しくしてくれるの」
「私にもね。いつむ御飯くれてブラッシングしてくれて遊んでくれてね」
 ケムンパスも話す。
「とてもいいご主人よ」
「成績優秀だし音楽も得意で」
 褒め言葉が続く、ライゾウとタロは二匹の話を聞いてそのうえで顔を見合わせてお互いに話をするのであった。
「うちのご主人はなあ」
「うん、最近成績もよくなってきたけれどね」
「勉強だけは、って人だったからな」
「そこはあちらのご主人の方が凄いみたいだね」
「自慢のご主人よ」
 ケムンパスは胸を張って言い切る。40
「実際にね」
「みたいだな、まあこっちも自慢だけれどな」
「成績の方もよくなってきたし他のポテンシャルは折り紙つきだしね」
「まあこれ以上はご主人自慢になるか」
「ちょっと言わないでおくね」
 二匹が言うとケムンパスもだった。
「そうね、その方がいいわね」
 ケムンパスも二匹の言葉に頷いた、そしてだった。
 彼等は自慢ではなく普通にそれぞれの主のことを話していった、そうしてお互いのこともよく知ったのであった。


第三十一話   完


                       2013・4・28 
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