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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0251話

 エヴァンジェリンが茶々丸のゼンマイを回して回して、回しまくった後。取りあえず一段落した学園長室でどこかほんわかした雰囲気が漂っていた。
 千鶴とあやかもエヴァンジェリンと茶々丸を微笑ましいものでも見るような目で眺めていたりする。

「あー、で、じゃ。そのマーカーとかいうのは……」

 近右衛門が俺の手に持っているマーカーへと視線を向けながら声を掛けてくる。

「どうだろうな。取りあえずそっちは俺の専門じゃないから直すというのは無理だな。後はマーカーの機能にどの程度の不具合があるか」
「それを確かめる事は出来ないのかい?」
「ああ。このマーカーというのはその名前通りに単純にその世界にこのマーカーがあるというのを次元転移装置側に知らせる事が出来るだけの、送信機のようなものだからな。見ての通り、このマーカーにはスイッチも何もない。……後は、この状態でもこの次元を次元転移装置側に知らせる事が出来るかどうか。あるいは、壊れる前に向こう側でこの次元の位置を受信出来たかどうか、だな」

 このマーカーは、本来なら俺の空間倉庫に入っていてもどういう理屈かは分からないがリュケイオス側でこちらの位置を確認出来るのだ。だがそれも壊れていてはどうなる事やら。取りあえず空間倉庫に格納するのはやめておいた方がいいだろう。

「ふーむ、なるほど。……では、アクセル君。これからどうするつもりじゃ?」
「どう、と言われてもな……」

 まさかマーカーが壊れるなんて事態は想定していなかっただけに、どうしたものやら。コードギアスの世界やらガンダムSEEDの世界では傭兵として活動するという手段もあったのだが、2000年代の日本で傭兵の需要なんてまず無いと思っていいだろう。かといって紛争地域まで行って傭兵をするにしても、雇用側がこんな子供の俺を雇うとは考えにくい。
 そんな時だった。今まで黙っていたあやかが立ち上がって声を上げたのは。

「アクセル君は私と千鶴さんの命の恩人! ならその恩は命を持って返さなくては雪広あやかの名が廃りますわ! アクセル君は私が面倒を見ます!」
「あらあら、あやかったら。……でも、そうね。確かにあやかの言ってる事にも一理あるわ。私としてもこの子を放っておく真似は出来ませんし……どうでしょう、高畑先生?」
「うーん、そうは言ってもだね。そもそも君達は裏側の世界には全くの無関係なんだよ? 本来ならこのまま記憶を消去して今まで通りの生活を送って貰うのがベストなんだが」

 あやかと千鶴の発言に眉を顰める高畑。

「ここでは、そう簡単に人の記憶を消すなんて真似をするのか?」

 もしそうなら、この場で一戦交える。その意志を込めて高畑と近右衛門へと視線を向ける。
 幸いエヴァンジェリンと戦ってからそれなりに時間も経ち、能力吸収による体調悪化に関しても回復してきている。さすがに吸収したばかりの魔法3つは使えないにしても、俺の全能力をフルに発揮すれば俺達以外の4人を倒すとまではいかないまでも切り抜ける事は可能だろう。

「アクセル君、だがね……」
「タカミチ君、ちょっと待っとくれ。アクセル君は今、特に急いでやらなければいけない事は無い、と考えて間違いないかの?」
「あ? ああ。敢えて言うなら千鶴とあやかの2人を記憶消去なんて真似から守るくらいか」
「ふむ。この時期に彼のような人物がこの麻帆良に現れたのも何かの運命と考えるべきなのかもしれんな」
「学園長?」

 意味ありげな近右衛門の言葉に、高畑が首を傾げながらも尋ねる。
 近右衛門はそんな高畑を相手に軽く頷き、俺へと話し掛けてきた。

「アクセル君、良ければこの麻帆良学園の生徒にならんかね?」
「……何?」

 近右衛門のその言葉は、完全に俺の予想外なものだった。
 俺のこの外見年齢を考えると、小学校に通えとでも言いたいのだろうか。
 だが、近右衛門の言葉はそんな予想外な俺の予想すらも、さらに越えたものだった。

「じゃから、この麻帆良女子中等部の生徒にならないかと聞いておるんじゃが」
「……いや、待て待て。この場合は正気か? と聞くべきか。それとも本気か? と聞くべきか。あるいはボケたか? と聞くべきか。……どれだと思う?」

 取りあえずニヤニヤとした笑いを口に浮かべているエヴァンジェリンへと尋ねる。

「くくっ、さてな。私としてはボケたか、が正しいと思うが」
「……それですわ!」

 そしてテンションがダダ上がりのあやか。千鶴もまた、そんなあやかの隣でニコニコと微笑んでいる。

「一応言っておくが、俺は男だぞ?」
「まぁまぁ、話は最後まで聞いておくれ。実は来月に1人の魔法使いがこの麻帆良学園中等部に教師として赴任してくる。アクセル君にはいざという時に彼の手助けをして貰いたいのじゃよ」
「……ここは普通の学校だよな?」
「うむ。じゃが、その子はメルディアナ魔法学校を主席で卒業したばかりでな。卒業後の修行内容がこの麻帆良学園で教師をやる事なんじゃよ」
「……子?」
「うむ。9歳の男の子じゃ」
「まぁ!」

 そして再びテンションを上げるあやか。本当に自分の欲求に正直な奴だ。

「幸い、君も見た目はその子と同じ年頃に見える。じゃから、その子の生徒としてそこにいる2人と同じクラスに在籍して欲しいんじゃよ」
「となると、その子供が担当するというのは?」
「うむ。雪広あやか君、那波千鶴君のクラスである2-Aじゃな」
「ちょっと待って下さい。それこそアクセル君はまだ10歳かそこらですよ? 私達のクラスに転入してきても勉強に付いていけるかどうか……」

 千鶴が近右衛門に対して抗議するが、エヴァンジェリンが苦笑を浮かべる。

「那波千鶴、お前はこの私と互角……いや、それ以上に渡り合うこいつが本当に見かけ通りの存在だと思っているのか?」
「……それは……」

 エヴァンジェリンの言葉に思わず黙ってしまった千鶴を横目に、近右衛門との話を続ける。

「いざという時に手助けをする、となると表だっての手助けは必要ないと?」
「うむ。アクセル君は基本的には男女共学と飛び級に関してのテストケースという事にさせて貰う。当然仕事として依頼をするのじゃから、それなりの謝礼はさせてもらうが……どうじゃろう?」

 近右衛門の提案を頭の中で考える。メリットとしては労せずして収入を得る事だろう。また、俺の出番はいざという時に限定されているようなので、基本的に普段は普通の学生として過ごしていればいい。デメリットとしては、いざという時と断言しているからにはまず確実に厄介ごとに巻き込まれるだろうという事や、女子中学生に混じって生活しなければいけない精神的な疲労といった所か。

「当然依頼料の他にも衣食住は保証してくれるんだろうな?」
「うむ。幸い職員寮に空きが……」
「お待ちになって下さい! 先程も言ったようにアクセル君は私達が面倒を見ます。話を聞く限りではアクセル君のクラスも2-Aとの事。なら委員長である私がアクセル君の面倒を見るというのはおかしな話ではないでしょう」
「いや、けど今の近右衛門の話を聞いていただろう? いざという時とか言ってるが、まず確実に何かの厄介事に巻き込まれると見ていい。その時俺の近くにいたら今回のように巻き込まれるぞ?」
「あらあら、大丈夫よ。その時は今日みたいにアクセル君が守ってくれるんでしょう?」
「くくっ、アクセル。お前の負けだ。その2人からは逃げられんよ」

 千鶴の言葉にエヴァンジェリンが付け足すように言ってくる。
 その言葉に千鶴の方を見ると、穏やかな表情をしてはいるが自分が譲る気は一切無いという雰囲気を醸し出していた。

「……全く、好き好んで厄介事を引き受けるなんて酔狂だな。分かったよ、2人の部屋に厄介になる」

 自分で全ての家事をしなくてもいいというのは俺に取ってもプラスだしな。

「そうか。なら、儂からの依頼は受けるという事でいいんじゃな?」
「ああ。それで俺はいつから中学生をやればいいんだ?」
「今日が1月5日じゃから、明後日、1月7日の新学期からでどうじゃろう?」
「いや、俺の方は問題無いが……制服とか勉強道具とかその辺を用意しないといけないんじゃないか?」

 俺の言葉にあやかが笑みを浮かべながら頷いている。

「その辺は私にお任せ下さい。アクセル君のお世話をするのですから当然それらもこちらで用意させてもらいますわ」
「との事じゃが」
「了解。なら明後日の朝に……この校舎にある職員室に行けばいいんだな?」
「うむ。タカミチ君が担任なので、彼に会いに行けばいいじゃろう」

 近右衛門の言葉に、高畑へと視線を向けると苦笑して頷いている。
 恐らくこれまでにも近右衛門の突拍子もない提案に苦労させられてきたのだろう。

「じゃ、取りあえずはこれでいいか。また何かあったら寮とやらの方へ連絡してくれ」
「うむ。ご苦労じゃった」
「さて、では早速私達の部屋に案内しましょうか。行きましょう、アクセル君」

 あやかがそう言い、この校舎に来た時のように手を握り部屋を出ようとした所で……

「ちょっと待て! 私との約束を忘れて貰っては困るぞ!」

 エヴァンジェリンが仁王立ちして俺達の前へと立ち塞がった。
 そう言えば、俺の力に関して教えると約束していたな。

「でも、もう夜も遅いですし……明日にしてはどうでしょう?」
「む。……それもそうだな。私としてはまだまだ宵の口なのだが。まぁ、いい。明日の午前中に茶々丸を迎えにやるから、その時はきちんと私の家に来いよ」
「……家? 全寮制じゃないのか?」

 エヴァンジェリンの言葉に、軽く首を傾げる。

「小首を傾げているアクセル君も素敵ですわ」

 ハイテンションのあやかは取りあえず流して。

「ああ。ちょっとした事情があってな。私は寮では無く自分の家を持っている」
「そうか」

 まぁ、真祖の吸血鬼だという話だし色々と事情があるのだろう。

「では、また明日だな」
「うむ。約束を忘れるなよ」

 それだけを言い、学園長室から出て行く俺達を見送る。
 エヴァンジェリンに高畑、近右衛門はこのまま学園長室に残るらしい。恐らく俺というイレギュラーについて話し合うのだろう。

「それで、ここから寮まではどのくらい掛かるんだ?」

 校舎の中を進みつつ、未だハイテンション気味なあやか……ではなく、千鶴へと尋ねる。

「そうね、この時間ならまだ電車もあるから20分程度かしら?」

 どうやら学園都市というだけあって、敷地内を普通に電車が走っているらしい。
 微妙に感心しつつも、寮行きの駅へと向かう。





「さて、ここが麻帆良女子中等部の寮ですわ」

 電車に乗る事20分程。俺の目の前にはかなり新しい建物が建っていた。

「随分と新しいな」
「そうですわね。麻帆良の中には築30年といった寮もあるようですが、それに比べると新築と言ってもいいと思いますわ」

 そう言いながら、寮の中へと入っていく俺達。

「管理人とかはいないのか?」

 俺達が寮の中に入っても、特に誰かが出て来る様子も無い。普通、寮とかだと管理人がいると思うんだが。見ず知らずの俺が黙って寮に入ってもいいものだろうか。

「もちろんいますけど、基本的に大らかな学校ですから放任主義なのですわ。さ、おいでになって下さいな」

 そのまま寮の階段を昇り、あやか達の部屋へと入る。その部屋の内部の様子を見てまず一言。

「広いな」

 そう、その寮の部屋は寮というにはちょっと広すぎる部屋だった。この部屋を2人……いや、3人だったか? で使っているのか。

「ええ。入寮時にちょっと改装しましたの」
「改装」
「そうですわ。3人の部屋であの部屋の大きさというのはちょっと我慢出来ませんでしたので。もちろん学園側から許可を貰って、ですけどね」

 なるほど。この広さがあれば俺を引き取るというのもまぁ、納得……出来るのか?

「と言うか、もう1人同室の生徒がいるという話だが?」
「ええ、村上夏美さんと仰る方がいますが、今日は部活の合宿で外泊となっています。明日には帰ってきますので、顔合わせは明日ですわね」
「そうか。……なら、悪いけど俺はそろそろ眠らせて貰いたいんだが……そこのソファを借りてもいいか?」

 身体が子供になったせいか、あるいは転移の影響か。スキルを1度に3つも吸収した事も関係しているのだろうが、とにかく眠くて仕方がない。

「あらあら、でしたら是非私のベッドでお休みに……あら?」

 あやかのそんな声を聞きつつ、俺はソファに座ったまま意識を闇へと沈めていった。

「あやか、アクセル君も疲れているのよ。今日あった事を考えると……ね」
「そうですわね。千鶴さん、毛布か何かを持ってきて貰えます?」

 そんな声を聞くとはなしに聞きつつも。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    ???
    ???

撃墜数:376 
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