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イナズマイレブンGO AnotherEdition

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第1部 シード編
  第1話『変わる出会い』

 
前書き
どうも皆様はじめまして!ポセイリヴァと言います!イナズマイレブンが好きで、今日から早速そのオリジナルストーリーを書かしていただきます!古いですが、原作は第一期です!

オリジナルの主人公をメインとしたストーリー、多少原作と似る部分もありますが、原作ない話を多めにしてます。ぜひ読んでいただけたら幸いです。 

 
数年前、少年サッカー世界大会フットボールフロンティア(通称FFI)。世界注目する大会をキャプテンの円藤守を始めとする日本代表チームイナズマジャパンが優勝を収め、その影響を受けサッカー人気は急激に高まった。だが過度にサッカーの勢いは上がりすぎてしまったがために、サッカーが弱い学校と言うだけで廃校となったりする学校が現れ始め、サッカー界には光と影ができてしまい、その事態を対応するためフィフスセクターが設立された。

これは今からフィフスセクターが設立されたばかりの頃の話である。









「おーい!パスだ!パス!」


活気あふれるある学校のグラウンド。フィフスセクターが設立されたばかりの頃は特にシードの育成や試合による勝敗指示などはなく、今はまだ多くの少年達がただ無邪気に自由なサッカーを楽しんでいる。そしてまた無邪気にサッカーを楽しむある小学校のグラウンド、この学校の名は篠宮学園。とは言っても、サッカー部の実力は中の下程で目星い活躍もなく、あまり知られていない名もなき学校と言った所。しかしそれでもチーム全員の士気は高く、活気があふれており、今は他校と練習試合を行っている。


『行くぞ!海!』

「おぉ!」

チームからパスを貰う少年の名は、龍野海(リュウヤカイ)。もうすぐ中学生になる少年でこのチームのフォワードであり、エースストライカー的存在であり、このチームで最も実力のある選手はまさしく彼である。


「それッ!シュートォ!!」

蹴りだしたボールはキーパーを擦り抜けるかのようにゴールを捕え、練習試合は3vs1と勝利を収め、チームメイト達は試合の勝利と龍野の活躍を祝い、本人も勝利に満足した様子で、チームメイト達と一緒にその勝利を祝っている。

『さすが海だな!今日もまたお前のお陰で勝てたぜ』

「へっへ!見てろよ?次の試合も俺のシュートで勝つからな?」

『楽しみだぜエースストライカー!』

いつものようにチームメイト達と楽しそうに会話を交わしながら帰り道を通っていく龍野達。別れ道に差し掛かり、唯一彼だけは左の道を通るため、別れの挨拶を交わしながらチームメイト達と別れようとする中、突然……。


『あぶないぞ!!!』


その場にそんな叫び声が響く。何事か理解のできないまま次の瞬間には積み荷である鉄骨を積み込んだ大型のトラックの姿が視界に移り、それは真っ直ぐこちらに突っ込む。トラックのフロンドガラス越しに龍野達を避けようとハンドルを切るドライバーの姿を見える。何とかトラックは龍野達から左に間一髪逸れるも、急に曲がったために積み荷を縛っていたロープが”ブツッ!”と音を立てながら切れ、その鉄骨はトラックから一番近くに居た龍野へと落ち……。

翌朝、昨日の事はニュースで報じられた。路地で起こった暴走トラックによる事件。不幸中の幸いか、重傷者は一名のみで死者ももなくあの場に居たチームメイト達も怪我はなく事件は比較的小規模に収まった。だがその重症者一名と言うのは龍野の事であり、命に別条はないものの大怪我を負い、全治5カ月となった。









大怪我を負い、怪我による痛み、そしてそれ以上に大好きなサッカーがプレイできない期間は本人はとても辛かった。しかしお見舞いに来てくれるチームメイト達から送られる「怪我を直して又サッカーやろう」、「いつでも戻ってくるのを待ってる!」という温かい励ましの言葉を心の支えに、辛いリハビリにも懸命にやり抜き、無事怪我は完治し、退院した彼は無事またチームに戻り、サッカー選手に復帰。しかし、彼にとって本当に辛いのはむしろこれからであった。


「いくぞ!海!」

「おぉ!」


いつものように練習。チームメイトからパスが出され、それを取ろうとするもパスされたボールに追いつけず、ボールは取る前にコートから出てしまう。


『あ、れ?』

「おいおい、海!どうしたんだよ?病院で休みすぎたのかよ?」

『わ、悪い。もう一回!』


冗談半分に揶揄うチームメイトの言葉に、頭を掻きがら謝り、もう一度練習するが、それでもまったくうまくはいかず、それはパスに限った話ではない、チーム全員での走り込み練習もなぜか海だけ息の消耗が激しく、チームメイト達に合わせようと必死に足を動かすが、龍野の必死さとは裏腹に結局は追いつけずチームの最後尾を走り、シュート練習も以前のような勢いはなく簡単に止められてしまう。


『海、やっぱり治ったばかりだから不調なのか?』

「……そうみたい。だから今日は残って練習するわ」

『あんまり無理しない方が……』

「大丈夫、気にすんなよ?」

龍野の様子にチームメイト達はとても深刻。心配をかけまいと笑顔を向けて、チームメイト達が先に帰った後でも彼はまだ練習を続けた。しかしいくら練習をしても、チームを引っ張っるような海の勢いは今はすっかり無くなっていた。入院生活を続けていたために彼の体力やテクニックや衰えた龍野、それとは逆に練習を続け上達したチームメイト達。いつの間にか海とチームメイト達の間には深い溝ができてしまい、その溝を埋めようと夜遅くまで毎日練習を続けるも、その努力は報われずそればかりか溝はより深くなるばかりだった。









深くなっていく溝に焦りが出始める。チームメイト達はずっと努力している海の様子に、温かく応援してくれるが、だからこそチームメイト達の足を引っ張られないという思いがより彼を焦らせる。

「こんなんじゃ!こんなんじゃ!!」

夜に自宅近くに空き地でただがむしゃらにサッカーボールを壁に向かって蹴り、跳ね返って戻るボールを又ひたすらに蹴り続ける。汗まみれになりながら、疲労で動きが鈍くなりながらも、何度でも何度でもボール蹴り続けた。しかしそれでもチームメイト達との差は埋まらず、次第に心の奥にもおうサッカーやめようかな、と諦めの感情が芽生えつつあった。









「……悪い。今日はもう先に上がる」

『お、おぉ』

いつからか次第にチームメイト達との練習もどこかやる気が起きなくなり、先に着替えを済ませ、荷物を肩に背負い、グラウンドから立ち去っていき、ただチームメイト達はその後姿を見送るだけだった。









「(もう俺、サッカー辞めようかな?)」

いつものように自宅近くの空き地で、サッカーボールを持ち上げながらふとそんな事を考えると、一人の練習もやる気が起きない。チームメイト達は、自分の事を邪魔者扱いすることはないが、心の中ではきっと俺の事が邪魔な筈だ。もうすぐ卒業も近づいてる。チームメイト達とも卒業したら多分別れるし、見切りをつけ、サッカーも卒業しようかな……。

『ねぇ君もサッカーやるの?』

「?」

そんな後ろ向きな思いを押しのけるように掛けられた声、振り返るとそこには海と同い年ぐらいで、同じくサッカーボールを持った一人の少年が……。

「あっ、嫌、俺は……」

『よかったら一緒にやらない?その方が楽しいし♪」

「……まぁちょっとだけなら」

その誘いに少しだけ考え込みながらも、折角誘ってくれた相手の気を悪くさせるのも申し訳ないので、少しだけならと渋々承諾し、持っていたサッカーボールを地面へと置く。

「でも承諾しといて何だけど、俺下手だよ?」

「そんなの関係ないよ!サッカーは上手い下手とか関係なく、楽しくプレイするものなんだから!それに楽しくプレイした方がきっとサッカーも喜ぶよ?」

「サッカーが喜ぶって、んな友達みたいに……」

「早速行くよ?」

「えぇっ!もう!?ちょっとm」
「それ!」

パスされたボールを慌てながら受け取り、そのまま受け取ったボールを相手へ蹴り返す。その他にもボールを奪い合ったりなど、練習と言うよりはミニゲームのような感覚で、次第に龍野の表情が自然と笑顔が出来、まだ見ず知らずの少年とはすぐに仲良くなり、お互い楽しそうにサッカーを楽しんでいた。

「お前、どこの学校?」

「ん?今はこの辺の小学校に通ってるけど、卒業したら引っ越すんだ」

「へ~、どこに?」

「稲妻町」

稲妻町、その名前は勿論龍野も知っている。サッカー世界大会優勝チームであるイナズマジャパン、そのキャプテンや多くの選手が住んでいる町としてとても有名だ。

「めっちゃいいじゃん!あっ、って事は中学は雷門中!?」

「うん、俺ずっと雷門中でサッカーするの憧れてたんだ!早く入学してサッカーしたいよ」

「はは、羨ましいよ」

「君も勿論、中学になってもサッカーやるんでしょ?」

「……!」

その質問の答えに少しだけ戸惑った。でも、今日彼と一緒にやったサッカーが楽しいって事を思い出したら、自然と言葉が出てきた。

「おぉ、勿論サッカーやる。もっと上手くなる!」

「うん!きっとサッカーも喜んでくれるよ♪」

「まーた、サッカーを友達みたいに言う」

「ハハ、それじゃあね!」

「おぉ!それと、ありがと」

「?」

「お前のお陰で何か元気もらえた。また一緒にサッカー出来たらいいな?」

「きっといつかまたできるよ♪」

その少年はまるでそよ風のように自分の背中を押してくれた気がした。名前は結局聞けなかったものの、なぜだか根拠もないのに彼とはまた会えるような気がした。

「また練習、頑張るか!」

後ろ向きな想いは今はもうない、また彼は夜遅くまで練習に明け暮れた。









『聖帝、いよいよフィフスセクター活動の開始ですね』

『時は満ちた、と言う事か』

『はい、管理されてこそ誰もが平等にできる。それが創立者である千宮路さんの悲願です』

『分かっている』

ある会話を交わす二人組、スーツをつけ、まるでボディーガードのような格好をした男が聖帝と呼ぶ人物は、クリーム色の髪に青いメッシュ、首に付けたネックレスが特徴的だった。会話を交わしながら歩き続く二人だが、そこへボールを蹴り続けている龍野の姿が視界に入り……。









『あれは……?』

『……お前は先に行っていろ」

『聖帝!?』

『直ぐに済む事だ。気にすることはない』

言われるがまま付き添いの男をその場から去っていき、そのまま真っ直ぐ龍野の方へと行き自分の足元に転がってきたボールを拾い上げる。

「?」

「初めましてだな。龍野海君」

「えっ?何で俺の名前を?」

「ニュースで君の事を見た。怪我はもう大丈夫みたいだな」

「は、はぁ……あの失礼ですがあなたは?」

「そうだな……少しボールを借りるよ?」

「え、えぇ」

男はそのまま勢い良くボールを蹴り、蹴りだされたボールは龍野の何倍もの勢いで、そのまま壁に辺り跳ね返ってもスピードは全く落ちてなく、真っ直ぐ戻ってきたボールをそのまま片足でピタリ、と止める。

「!」

「見ての通り、サッカー経験者と言ったとこだ」

本人は軽い様子だが、今のテクニックを見る限りとてもサッカーを軽く齧った程度でできるものではない。サッカー選手として相当な腕前である事は龍野の目からでも一目瞭然だった。

「す、すごい」

「少し君と話がしたいんだ。いいだろうか?」

「え、えぇ」

彼からはサッカー復帰後の調子はどうだ?、という事を聞かれ、ためらいながらも最近チームの練習について行けなくなった事や、少し前までサッカーやめるかどうか悩んでいたことなど思いっ来て打ち明けてみた。

「勿論、上手くなるにはただ努力し続けるしかないんですけど、でもそれってまるで光の見えない暗闇をずっと歩いてるような感覚で……」

「光が見えないなら、見えるまで進むしかない。ただ自分を信じ続ける事それだけしかできない」

「分かってます。だから俺、強くなりたいんです!やっぱりサッカー好きだし、このまま辞めたら絶対俺、ただ自分に負けたみたいで」

「……ならもっと強くなるか?」

「えっ!?」

「勿論、楽だと思っていたら大間違いだ。辛いこともあるだろう、それでも君にその気があるなら、自分を変えようと思うなら私は手を差し伸べよう。その手を取るかどうかは君次第だ」

「強くなれるなら、自分を変えれるなら何でもやります!もっと強く!誰にも、自分にも負けたくないんです!」

「それなら着いて来い。私は君を導こう、結果は君次第だ」

「はい!」

言われるがまま、彼は黙って男に付いて行った。この日を境に龍野の運命は大きく変わった。 
 

 
後書き
いかがでしたでしょうか?第1話!読んでくれた皆様本当にありがとうございます!天馬達とは違うまったく別のストーリー!

聖帝に導かれた龍野が今後どうなるのか?次回もぜひ見ていただけたら幸いです。 
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