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ゼロの使い魔 新たなる物語

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第2話 シエスタとの出会い

 
前書き
二か月ぶりの更新。
タイトルが全然思い浮かばない……
あと、今回は短いです。 

 



 俺が今日の朝、一番最初に目にしたのが昨日のルイズが脱いだパンツだった。
 そのパンツで『やっぱり夢じゃなかったのか……』と思いながら立ち上がり、ルイズの寝顔を不覚にも可愛いと思ってしまいながら、ルイズの布団をはいだ。
 するとルイズは寝ぼけて俺を召喚した事を忘れていたらしく、『なにごと!?』とか驚いていた。
 その(あと)に俺の名前を言ってようやく思い出したと思ったら『服を着せて』と言ってきて、着せなかったらご飯をヌキするとか言ってきた。
 なのでルイズにしぶしぶ服を着せて部屋を出ると、キュルケっていう胸の大きい女が現れルイズと何だか分からないけど喧嘩(けんか)を始めること数分経ち、キュルケが立ち去るとルイズが悔しそうにしていた。
 そういえばキュルケの使い魔の『サラマンダー』には驚いてしまった。本当に尻尾(しっぽ)に火が燃えている生き物がいるんだな。この世界は。
 あと気になったことがキュルケがルイズを『ゼロ』と呼んでいたことと、俺に怒るときに殴ってくることなどがあったけど、食堂に着いたらもうどうでもよくなった。

 次に食堂。……マジでこの食堂では辛かった。テーブルに置いてある料理を食べられるかと思ったら、ルイズの椅子の下にある皿にぽつんと肉が浮いたスープに、硬そうなパンが二切れあってそれしか食べさせてもらえなかった。
 ルイズがやけに長い『いただきます』を言い終わった後に、肉を求めたら『癖になるからダメ』――との事らしい。……ホント、これほど食べ物を食べながら泣きそうになった事は今まで一度もなかった。

 それでパンを食べ終わった後、ルイズと一緒にこの学校の教室へ。
 教室に入ると俺とルイズを見て他の生徒は笑い出し、そのままルイズに『なんだその使い魔』みたいなことを言われて、ルイズが『好きで召喚したんじゃないわ!』と返す。
 ……なんだこのやり取り。なんか俺が悪いみたいなんですけど……。
 そうやってなんとも言えない気持ちになっていると、シュヴ……なんとか先生に止められて喧嘩まがい終了。
 そしてそのまま席に座り授業に入る。
 それにしてもこの学校のスカート短いなー、と思いながら、男の(さが)で目がどうしても行ってしまうのをルイズが変な目で見ていたので、誤魔化すように魔法について聞いた。
 その説明を根は真面目なのか丁寧にしてくれて(悪いと思うんけど全然内容覚えてない)、そのせいで先生に怒られて――錬成? っていうものをやるように言われた。
 すると生徒が先生をルイズにやらせるのは止めてくれと言い(この先生はルイズを教えるのが初めてだったらしい)、プライドが高いルイズはそのせいでヤケになり先生の前へ行く。
 そしてルイズが呪文を唱え始めて魔法を発動された後、俺は朝感じた違和感とルイズが『ゼロ』と呼ばれている理由が分かった。
 ルイズが魔法を発動されると激しい爆発が起こり、辺りをめちゃくちゃにした。
 そう、ルイズは魔法の成功率が『ゼロ』だったのだ。

 ルイズがめちゃくちゃにした教室を片づけが終わると、時間は昼頃になっていた。
 俺はルイズをからかうネタができたので、『ルイルイルイズはダメルイズ。魔法ができない魔法使い。でも平気! 女の子だもん……』と歌ったあと笑ってしまった。
 その後も食堂に行くまでからかうと、俺の食べる用の皿を取り上げられ『ゼロって言った数だけご飯ヌキ! これ絶対! 例外なし!』と昼飯をヌキにされた。
 なので俺は嫌味(いやみ)を言ったことを(あと)から後悔しながら、食堂を出たのであった。



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「はぁ、腹減った……。くそ……」
 俺は食堂を出た後、あまりのお腹の減りようにお腹を抑えながら、壁に手を付ける。
 早速(さっそく)非常食を食べることになったのか、と思いながらルイズの部屋に向かい始める。――するとその途中で、
「どうしたんですか?」
 と、後ろから声がしたので振り返ると、大きい銀のトレーを持ち、メイドの恰好をした素朴な感じの女の子が心配そうに見ていた。
 その女の子はこの世界で初めて見る黒髪をカチューシャでまとめていて、整った顔立ちをしていた。
 さすがに壁に手を付いて歩いてたら心配もされるか……。
 俺は女の子に迷惑をかけたら悪いと思い、壁から手を離し「なんでもないよ」――と、言った。
 すると女の子は無意識のうちに振っていた左手……というかルーンを見て、何かに気づいたように聞いてきた。
「もしかしてミス・ヴァリエールの使い魔になったっていう……」
「知ってるの?」
「ええ。召喚の魔法で平民を呼んでしまったって、(うわさ)になってますから」
 ……もしかしてその噂はこの学院全体に広がっているのだろうか? まあ、珍しいと言っていたし、変な事でもないんだろうけど……。
 それより、この子もこの学院にいるってことは……聞いてみよう。
「君も魔法使いなの?」
「とんでもない、私はあなたと同じ平民です。この学院には貴族のお世話をするために、ここでご奉仕させていただいています」
 俺の問いに女の子は、にっこりと笑いながら俺に言ってくれた。
 ご奉仕……か。だからメイド服なのかこの子。――というか、この世界で初めて見たな、こんな屈託(くったく)のない笑顔。
 そんな笑顔を見せられたから……なのかは分からないけど、俺はごくごく自然に自己紹介を女の子にした。
「そっか……。あ、俺は平賀才人。よろしく」
「平賀……才人……変わったお名前ですね」
「……よく言われるよ」
 この世界では珍しいらしいので、適当に返す。
「あ、そうだ名前……私の名前はシエスタっていいます」
 シエスタ……か、と俺がその子の名前を覚えると同時に、辺りになんか変な音が響く。
 ……恥ずかしいことに俺のお腹の音だった。
「お腹が空いてるんですか?」
「うん……」
「ふふ、ならついて来て下さい」
 そう言って振り返り歩き出すシエスタに、俺は慌ててついて行った。




 
 

 
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