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マジコイ!!

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第2話

どうして俺が過去の話をしているのかって、それはな今ここに新たな風間ファミリーが誕生しようとしていたからだ。
簡単に言うとゴールデンウィークにどこか行くつもりだったがモロが熱を出してしまい全員で行かなければ意味がないということで行かなかったが、大和のやり方を認めないクリスと決闘を始めようとしていた。

「兄さんがまさかクリスと戦うことになるとは思わなかた」
大和は策をめぐらして戦うタイプなので肉弾戦は不得意だった。しかしクリスはかなりの実力者であり今回はレイピアを使わないにしても大和とは絶対的差があった。
「俺もだ、けどここで何もしなかったら一生バカにされる」
大和の目には諦めの色はなく逆に勝とうとする者の目だった。
「頑張れ兄さん」
「おう」
鉄心が大和を呼ぶ声が聞こえ大和は勝つための策を考えながら川神学園第一グラウンドの中央に向かう。反対側からはクリスが来ていた。
「大和の様子はどうだった?」
「やる気満々だったよ」
「そうか」
「姉さんも心配?」
「いや、私が心配なのはクリスの方だ」
「確かにね」
「クリスは大和をなめている、それにこの前の事は大和も少なからず腹が立ったろうからな」
大和がキレた時の怖さを知っている二人は思い出してしまい少し震える。
「お姉様神羅決闘始まったわよ」
一子が手を振りながら呼んでくるので一子の方に歩き出す。そこには熱も引いたモロもいる。
「さて、兄さんの雄姿でも見せてもらおうか」
「そうだな」
こうして大和とクリスの決闘が幕を開ける。




「はじめい!!」
鉄心の声が響くと同時に俺はクリスに詰め寄る。さすがに予想外だったようでクリスが驚いた表情を作る。姉さんと京から逃げるために神羅に武術の基礎を教わっていたのが功を奏した。
「ハァァー!」
クリスが驚いている今がチャンスと思いながら全力で拳を振るう。それでもクリスの反応が早く一撃しか与えられない。
「今度は私の番だ!」
クリスが殴り掛かってくるがその時には俺はクリスの間合いから離れていた。
「逃げるとは卑怯な!」間合いを詰めようとしてくるクリスから全力で逃げようとする素振りから一気にクリスの方に体を向け勢いをつけて走ってくるクリスの溝内を正確に狙い拳を振るい怯んだところを狙わず間合いから逃げる。


「うん、兄さんも殴り合いになったら負けることを理解してる」
「さすが大和!結婚して!!」
「大和に今度勝負挑もうかしら」
「俺様も挑むか」
すぐに勝負を挑む一子と好戦的ではないにしろ自慢の筋肉にどこまでやれるか気になる岳人がそんなことを言い始める。
「確かに大和さんの動きは無駄がありません」
「兄さんも自分でどれだけ無駄な動きをなくせるか考えてたしね」
大和の頭が武術にも役だったわけだがさすがに圧倒的実力の差は埋めれずそんな攻防が何度か続て大和の動きに慣れたクリスに捕まってしまう。



「もうこれで何もできまい」
勝負が決まったかのように笑うクリス。
「確かにやばいな」
変に強がっても無意味と判断し正直に言うと予想どうりにクリスがしてやったという表情になり拘束が緩む。そのスキを逃さずするりと抜け出す大和。しかし元から体力もそこまでなくすでに限界に近かった。
「うまく抜けれてももう体力はないだろ」
表情に出ているらしくクリスは不敵に笑っている。
「そうだな、けど俺には最後の策がある」
不敵に笑うクリスに笑い返す。そして大和は叫ぶのだった。

              「殴り合いだ!!」
 



               次回に続く 
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