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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾

作者:遊佐
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立志の章
  第4話 「そしてなんとなんと! 北郷盾二さんは……管輅ちゃんのいう天の御遣いだよ!」

 
前書き
ようやく白蓮を出せました。
これを書いてるときに「仲間になるだけで3話って……」と思ってましたけど、原作の桃園の誓い部分を含めりゃ、文章量同じと気づいて愕然としたもんです。

 

 




   ――  劉備 side 北平 ――




 盾二さんが仲間になってくれたことを愛紗ちゃんと鈴々ちゃんに伝えると、二人とも快く迎え入れてくれました。

「……一刀のことは以上だ。現状ではいつ目が覚めるかわからない……手を尽くしてくれたのにすまないな」
「なにをいう……貴殿が謝ることではなかろう。しかし、そうするとこれからどうしたものか……」
「そうだよね……いつまでもこのままってわけにも行かないだろうし」

 私の言葉に、盾二さんも愛紗さんも頷く。
 お金はともかく、このままここに居続けても一刀さんの回復の見込みも、私たちの志も動かない。

「にゃ~とりあえず、なにをしたらいいのだ?」

 鈴々ちゃんがいっているのは、”これから”のことかな?

「そうですね……とりあえず我々がここで燻っていても何も動きません。賊の討伐なり、仕官するなり行動を起こさないと……」
「そうだねぇ……あ!」

 私の大声に、何事!? という顔をする三人。

「そうだ! ここ、北平だよね! 確か白蓮(ぱいれん)ちゃんが、ここに赴任するっていってたよ!」
「……それは真名かな? 誰のことだい?」

 あ、そか。
 盾二さんだけでなく愛紗ちゃんたちも知らなかったよね。

「えーと、公孫賛っていうの。私とおなじ盧植先生の門下の人で、真名も交換しあった友達だよ!」
「公孫賛……たしか白馬長史と言われる方ですね。馬の扱いに非凡な力を持つと聞いたことがあります」
「そう、それ! 白蓮ちゃんはちょっと影が薄いけど、とてもいい人だったんだよ! きっと私たちも受け入れてくれると思うんだ」
「お姉ちゃん、ちょっとひどいのだ」

 え~ひどくないよ、鈴々ちゃん。
 多分、会えばみんなそう思うよ。

「公孫賛ね……まあ、桃香が友達というなら、そこで厄介になるのがいいかもしれない。ここを治めているなら、現状の情報とかそこで手に入れられるだろうしな」
「うんうん! じゃあ、決まりだね!」

 やったー、白蓮ちゃんに会えるね!

「しかし……手ぶらで行ってよろしいのでしょうか?」
「? どういうこと、愛紗ちゃん?」
「いえ、相手は仮にもこの辺りの太守。いくら桃香様が昔のご友人としても、なんらかの手土産があったほうがよろしいのではないでしょうか?」
「手土産?」

 土産といってもどこかで買ってきたわけじゃないし……ここの太守に地元のお土産なんか持っていっていいのかな?

「にゃ!? なにか食べ物でも持っていけばいいのか?」
「鈴々……そういう意味ではない。『おみやげ』でなく『てみやげ』だ。兵なり、賊の討伐の報告なり……そういった、太守が『こちらを受け入れやすい』実績、のことだ」
「あ、お土産じゃなかったんだ!」
「桃香様……」

 うう、だって『みやげ』って言われたら、そう思っちゃうよ。
 私がチラッ、と盾二さんを見ると……あ、首を振っている。トホホ……

「とはいえ、手土産といってもな……三十人の小規模な野盗倒したぐらいじゃ、力自慢と変わらない。それに兵を集めるとしても……ここはその太守のお膝元だろう? 募兵してもあまり意味があると思えないな。むしろ、怒らせることになる可能性がある」
「ううむ……確かにそうだが」
「……桃香」
「なに?」
「公孫賛の人となりを、教えてもらっていいかい?」
「うん、いいよ。えーとね……白蓮ちゃんはさっきも言ったけど、割と優秀な人だよ。武も知もそこそこで、すごく優秀ってわけじゃないんだけど。あと、なんでもそつなくできる反面、影が薄くてね。たまーに盧植先生にすら、白蓮ちゃんがいたことに気づかないこともあったかなあ」
「優秀なのに影が薄いのですか……不憫ですね」

 愛紗ちゃんの言う通りかもしれない。 

「あと、馬が大好きでね。馬を使わせると本当に上手だったよ。私が知る限りだと、馬で白蓮ちゃんに勝てる人ってほとんどいないと思うよ」
「なるほど……性格はどうかな?」
「うーん……気さくで、面倒見はすごくよかったと思う。影が薄いことをいっつも気にしていたけど……あ、あと”普通”って言葉に、すごく敏感だったかな?」
「ふむ……」

 盾二さんは、顎に手を当てて思案しているみたい。

「そうだな……聞く限りだと、そのまま訪ねたほうが問題がない様に思えるな。それだけ気さくな人なら、逆に気を使われると不快に思うかもしれない。下手に飾らないほうがいいんじゃないか?」
「……そうかもしれんな」
「無理に自分達を高く売り込もうとすると、見透かされる可能性もある。そつなくこなすということは、弱点がないってことだ。あまり飾らず『ありのままで力になりにきた』という方が、相手に喜ばれる気がするのだが……どうだろうか?」

 盾二さんは、そういって私たちを見回す。

「……そうだな。その通りかもしれん」
「うん! 白蓮ちゃんなら、きっと私たちが手伝いに来たってだけで喜んでくれると思うよ!」
「鈴々もそう思うのだ!」

 私も、愛紗ちゃんも鈴々ちゃんも、盾二さんの意見に賛成する。
 うん、やっぱり友達だもん。
 変に自分を飾らずにありのままで話すべきだよね!

「じゃあ、決まりだ」




   ――  盾二 side ――




 四人で今後の方針を決めた次の日、城の城門で公孫賛に面会を申し込んだ。
 俺達の肩書きは、あくまで”公孫賛の友人である劉備とその仲間”である。
 だが、それが功を奏したのだろうか。
 さほど待たずに面会が許され、玉座の間へ案内された。

「桃香! ひっさしぶりだな~!」
「白蓮ちゃん! きゃ~っ! 久しぶりだねぇ♪」

 赤毛の髪に白い鎧を着る女性――公孫賛が、桃香を出迎える。
 聞いていた通り、桃香と話をする様子は気さくな印象を強く抱かせる。

「……はぁーーーーーーーーー!?」
「!?」

 二人の話の最中に公孫賛が大声を上げる。
 何事だ?

「ちょっとまて、桃香! アンタ盧植先生に将来を嘱望されていたのに、そんなことばっかやっていたのか!?」
「う、うん……」
「どうして! 桃香ぐらい能力があるなら、都尉ぐらいなれただろうに!」

 なんですと!?
 都尉がどんなものなのかはわからないが、能力があるなら?
 ……いや、そりゃそうか。
 劉備だもんな。会って一週間程度だけじゃ隠された能力はわからんか。

「そうかもしれないけど……でもね、白蓮ちゃん」

 桃香が言うには『どこかの県に所属して、その地域だけの人しか助けられないのが嫌だった』とのこと。
 ……さすが劉備、ってところか。
 だからといって放浪するだけじゃ何もできないが……

「だからって、お前一人が頑張っても、たかがしれてるだろうに……」

 うん、正しいな。公孫賛さん。

「そんなことないよ? 私にはすっごい仲間達がいるんだもん!」
「仲間?」

 あ、やっとこっちに気づいたようだ。

「桃香、この三人がその仲間なのか?」
「うん! 関雲長、張翼徳、そして北郷盾二さん! 私の自慢の仲間だよ♪」
「ふーん……」
「うんとね、愛紗ちゃん……関雲長は文武にすぐれた勇将だし、鈴々ちゃん……張翼徳は一騎当千の猛将だよ!」
「ほほう……」
「そしてなんとなんと! 北郷盾二さんは……管輅ちゃんのいう天の御遣いだよ!」

 ……はい!?

「管輅? 管輅って、あの占い師の?」
「うん! 流星と共に天の御遣いが五台山の麓にやってくるって占い、白蓮ちゃんは聞いたことない?」

 いや、桃香。俺が初耳だよ、その話。

「聞いたことはある……しかし、本物なのか?」
「本物だよー! 盾二さんはすっごいんだから! なにしろ金を……」
「桃香!」
「あ……ごめんなさい」
「???」

 危ない……他言無用といったのに漏らしそうになるとは。
 前言撤回。
 やっぱ能力あるってのは、なにかの間違いじゃないのか?

「桃香様……」
「お姉ちゃん……」
「うう……本当にごめんなさい」

 愛紗や鈴々も、桃香を冷めた目で見ている。
 桃香はシュン、と縮こまっている。

「なんだかわからんが……まあ、桃香が今まで一度も嘘をついたことがないし、言うことは信じているよ。だけど……それっぽくないな」
「そんなことないよ! 詳しくはいえないけど……私は見たもん、御遣いの天の力を! 絶対本物だよ!」

 桃香……否定されるのが悔しいのはわかるが、あまり天の力とかいわないでくれ。
 そもそもなんだ、その御遣いってのは。

「(ぼそぼそ)なあ愛紗」
「(ぼそぼそ)なんだ」
「(ぼそぼそ)御遣いって、どういうことだ」
「(ぼそぼそ)言ったとおりだ。私たちは偶然、あそこにいたわけじゃない。占いの結果を確かめるために、あそこにいたのだ」
「(ぼそぼそ)マジか……」

 今の今まで、そんなこと欠片も言わなかったじゃないか……

「(ぼそぼそ)一刀殿のことがあって、言う暇も機会もなかったのだ。すまん」
「(ぼそぼそ)いや……うん。わかるよ」
「(ぼそぼそ)だが、私も同じだ。今では貴殿を天の御遣いだと思っている。アレも見たしな」
「(ぼそぼそ)……頼むから他言無用でな。力のほうはいいけど」

 ゼロバーストはともかく、賢者の石で黄金を作れる方は、本当に勘弁してくれ……

「んんっ! 御遣いかどうかはともかく、今は桃香たちと行動を共にしている。本当はもう一人いるが……まあ、よろしく頼む」
「そうか……桃香が真名を許しているのなら、一角の人物なのだろう。なら、私のことは白蓮でいい。友の友なら、私にとっても友だからな」

 ふむ。やはり良い人だな。

「ありがとう。俺は北郷盾二だ……盾二と呼んでくれ」
「よろしくな、盾二」

 公孫賛――白蓮が、鷹揚に頷いた。

「ところで、桃香。私を訪ねてきたのは、旧誼を暖めるだけのことじゃないと思うけど……本当の用件はなんなのだ?」

 ほう……さすが一国の太守。ちゃんとお見通しか。

「うん。実はちょっと事情があってね……」

 桃香がちらっ、とこちらを見てくる。
 うん。俺から話すべきか。

「実は白蓮殿。俺には一人、兄がいるんだが……その兄が原因不明の病で、意識不明でな。医者にも見せたが手の施しようがないらしい」
「白蓮、でいいよ。大丈夫なのか?」
「命には問題ないらしい……だけど今日明日に目覚める、と言うわけでもないらしい。それで、兄を安全な場所に休ませるためには、どこか拠点をつくらなければ、という話になってな」
「それでね、ちょうどお医者さんのいる都が白連ちゃんのところだったから……私が白蓮ちゃんを紹介しようと思ったの」

 桃香が、俺の言葉に口添えてくれる。

「そっか、大変だな……いいよ。そういうことなら私にまかせてくれ。桃香を含めて四人とも……そのお兄さんもいれて五人か。私が面倒見るよ!」
「ありがとう、白蓮ちゃん!」

 やはり気さくで器が広い。兄貴……いや姉貴分というところか。

「助かります……とはいえ、ただ置いてもらうのも気がひける。俺もそうだが、愛紗や鈴々……関羽や張飛も一騎当千の豪傑。その力で白連の手伝いができれば、と思っているんだが」
「おおー! そうか、そうしてくれるなら助かる! 兵はいるんだけど、指揮してくれるだけの人材がいなくて悩んでいたところなんだ」

 白蓮が喜ぶ。
 相当、人材不足なんだな……とはいえ、指揮できるとは一言も言ってないんだが。
 あ、言って気がついたのだろう。白連がはた、と気づいて俺を見てくる。

「で……えーと、関羽というのは?」
「私だ。我が名は関羽。字は雲長。桃香様の第一の矛にして、幽州の青龍刀……以後、お見知りおきを」
「鈴々は張飛なのだ! お兄ちゃんの言うとおり、すっごく強いのだ!」
「うーむ……盾二もそうだが、正直言うと三人の力量を私はまだ知らない。どうなんだ、桃香……?」
「それはもち……」
「おやおや、伯珪殿ともあろう方が、お三方の力量を見抜けぬとは情けない」

 突如割り込んできた声に、その場にいた全員が振り向く。
 そこには、青い髪に白い着物を着た美少女が微笑んでいた。

「おお、趙雲か。どこにいってたんだ?」
「なに、ちょっとメンマを補充に……ところで、この方々は?」
「ああ、紹介するよ。私の旧友の劉玄徳と仲間達。桃香、こっちはうちの客将をしてもらって趙雲だ」
「趙子龍、と申します。お見知りおきを」

 趙子龍……趙雲か。確か蜀の武将だったな。

「あ、初めまして。劉備、玄徳です。で、こちらが……」
「関雲長だ。貴殿もなかなかの力量をお持ちのようだ」
「そういう雲長殿も……さてはて」
「鈴々は張翼徳なのだ! お姉ちゃんも強そうなのだ!」
「ふふ……さて、どうだろうな」

 愛紗と鈴々も互いに挨拶をする。さすがに強さはわかるか。

「で、俺は北郷盾二……口添え、感謝します」
「いやいや。私は自分の見たままを言ったまで……お主も相当にできるな」

 こちらを見てニヤッ、と笑う趙雲。
 あ、ちょっと戦闘狂の目をしているな。
 どこかのライカンスロープの先輩を思い出す。

「まあそこそこに……白蓮ど、いや、白蓮。指揮の力量は……兵の訓練でもさせてもらえればわかると思う。それを見た上で判断してもらう、でいいかな?」
「ああ。わかった。桃香は政務を手伝ってもらうか……」
「あ、俺も多少漢文はできるから、たぶん政務もできると思うぞ。一応、仕事で十ヶ国語の読み書きは必須だったし」
「本当か! ぜひ頼む! 文官も少なくて、ヒイコラしてたんだ! 助かるよぉぉっ!」

 うお、えらい食い付きだ。
 文官として登用してもらうほうが早かったかもしれんな。

「さっすが盾二さん! 天の御遣いだもんね!」
「天の御遣い……ほう。話を聞いたときは眉唾だったものだが……なるほどな。文武共になかなかの器量のようだ」

 趙雲が値踏みをしてくるように見る。
 だから、天の御遣いなんて俺もさっき知ったんだってば……

「おいおい、星……私を捨てて盾二の下に入るとか言うなよ?」
「さてはて……私としては徳のある主に仕えたいと思うのが正直なところ。とはいえ、北郷殿の主としての魅力はまだ未知数、といったところですな」
「俺が主君? 冗談だろ……俺より桃香のほうがよっぽど徳があると思うよ」
「ふふ……ご謙遜を」
「ご主人様か……」

 ……? なにか桃香から変な言葉が聞こえた気がする。

「ともかく、よろしく頼むよ。白蓮、趙雲」
「ああ、私に力を貸してくれ」
「劉備殿、関羽殿、張飛殿もよろしくお頼み申す」
「あ、はい! よろしく、趙雲さん!」
「我が力、とくとご覧いただこう」
「鈴々もがんばるのだ!」

 こうして俺達は、拠点を手に入れた。
 いつか必ず……一刀を目覚めさせる。新たな誓いを胸に――
 
 

 
後書き
なるべく早く黄巾に入りたいのですが、このあと1戦してから拠点フェイズがありまして……
拠点フェイズ終わって、黄巾の序盤を書いてから5話と6話掲載するつもりです。

そうでないと設定のずれが怖くて……頭の弱い筆者ですいません。

追記
なぜか更新されないので何度か繰り返してたらエラーに……なぜだ>< 
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