ハイスクールD×D～三宗家の武～

プロローグです。 

-Side ???-

とある部屋の机の上に置かれた用紙に書かれた文章……



【　　　　　　　汝、力を求むならこの紙に汝の名前を刻み給へ
　
　　　　　　
　　　　　　　知恵の実を食べた人間は其の瞬間より旅人となった…
　　　　　　　カードが示す旅路を辿り、未来に淡い希望を託して。
　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　そう…　　　　　
　　　　　　　　　　とあるアルカナはこう示した…
　　　　　　　強い意志と努力こそが、唯一夢を掴む可能性であると…

　　　　　　　　　　　　其のアルカナは示した…
　　　　　　　心の奥から響く声無き声…其れに耳を傾ける意義を…

　　　　　　　　　　　　其のアルカナは示した…
　　　　　　　　生が持つ輝き…其の素晴らしさと尊さを…

　　　　　　　　　　　　其のアルカナは示した…
　　　　　　　あらゆるものに向き合い、答えを決する、其の勇気を…

　　　　　　　　　　　　其のアルカナは示した…
　　　　　　　　己を尊く存在、其れを知る事の大切さを…

　　　　　　　　　　　　其のアルカナは示した…
　　　　　　　他者と心が通じ合う…其の喜びと素晴らしさを…

　　　　　　　　　　　　其のアルカナは示した…
　　　　　　　　　目標に向かって跳躍する其の力こそ…
　　　　　　　　　　人が命から得た可能性である事を…

　　　　　　　　　　　　其のアルカナは示した…
　　　　　　　何もかもが不確か故に、正しき答えを導かねばならぬ事を…

　　　　　　　　　　　　其のアルカナは示した…
　　　　　　　時に己を見つめ、自らの意志で道を決する勇気を…

　　　　　　　　　　　　其のアルカナは示した…
　　　　　　　永劫、時と共に回り続ける残酷な運命の存在を…

　　　　　　　　　　　　其のアルカナは示した…
　　　　　　　どんな苦難に苛まれようと、其れに耐え忍ぶ力が必要な事を…

　　　　　　　　　　　　其のアルカナは示した…
　　　　　　　　　　避けようの無い窮状に於いてこそ、
　　　　　　　　　新たな道を探るチャンスがある事を…

　　　　　　　　　　
　　　　　　　知恵の実を食べた人間は、其の瞬間より旅人なった…
　　　　　　　アルカナの示す旅路を辿り、未来に淡い希望を託して…
　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　されど、アルカナは示す…
　　　　　　　其の旅路の先に待つものが、“絶対の終わり”だと言う事を
　　　　　　　如何なる者の行き着く先も…絶対の“死”だと言う事を

　　　　　　汝、契約を結び力を求むなら、その“絶対の死”に抗い、
　　　　　　　　　　　　真実を求む事を此処に誓へ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Name.■ ■ ■ ■　　】　　
-Side out-

神話の時代…
神、堕天使、悪魔の三勢力は三つ巴の死闘を演じていた。
だが其の死闘は思わぬ乱入者達によって終わり、三勢力は手を組む事となる。
即ち、二天龍の乱入である。
これら一連の出来事に於いて、最もとばっちりを受けたのが人間だ。
されど人間は滅びなかった。
黄道に住まう十二の神々が神が作り上げた神器(セイクリッド・ギア)とは別に、
己の力を具現化した武具を人々に与えたからだ。
一連の出来事の後、長い年月を経てこれらの武具は神滅具と一緒くたに分類されるようになり、
其の存在は各勢力の上層部の極一部を除き存在を忘れられた。
しかし、これらの武具を知る一部の者達はこれらの武具をこう称した。
即ち、“神護具(スフィア)”と。
 

契約書っぽい文章は『ペルソナ3』のストーリー上のラスボスである“ニュクス”の言葉です。