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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇

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第百五十二話 捨てられた人形

              第百五十二話 捨てられた人形

「これが最後だ!」
「総員総攻撃を仕掛けよ!」
ロンド=ベルに対して指示が出される。
「イノベイター達を撃て!」
「一兵も逃がすな!」
「よし!」
「行くぜ!」
ロンド=ベルは一斉にイノベイター達に攻撃を仕掛ける。そしてイノベイター達もまたロンド=ベルに対して向かうのであった。数は互角であった。
「さて、と」
「これが最後ね」
「ああ」
「そうだね」
リヴァイヴもヒリングもブリングもデヴァインもそこにいた。
「この戦いが」
「ここでね」
「僕達の世界を造り上げる為の」
「最後の戦いね」
彼等も一斉に向かう。そうして正面からロンド=ベルと激突した。
刹那はまずはその巨大なビームサーベルを出した。右腕に神を裁く剣が宿った。
「行くぞ」
「さあ、来るんだ」
二つの巨大な砲を肩にしているリボーンズガンダムからの言葉であった。
「僕に倒されにね」
「生憎だが貴様では俺を倒すことはできない」
刹那はこうそのリボンズに返すのだった。
「俺を倒すことができるのは」
「神だね」
「いや、人だ」
それだというのである。
「俺は人だ。俺を倒すことができるのは人だけだ」
「人!?またそんなことを言うんだね」
リボンズはそんな彼の言葉をせせら笑うだけだった。
「神を前にしても」
「もっと言えば貴様は神でもない」
刹那はまたしても彼を否定したのだった。
「貴様はだ」
「では何だというんだい?」
「ただ神だと信じ込んでいるだけだ」
それだけだというのである。
「人でありながらだ。神であるとな」
「君にはどうしてもわからないようだね」
傲慢故に最早刹那の言葉は耳に入ってはいなかった。
「それならその死と共に教えてあげるよ」
「来い」
その右腕の剣を構えた。
「それを見せるのは俺だ」
「さて、君を倒して」
リボンズは最早勝った気であった。
「僕の神の座の証にさせてもらうとするか」
今二人の戦いがはじまった。そしてその横ではアンドレイがリヴァイブに対して向かっていた。
「イノベイターなぞ!」
「待て、アンドレイ」
だがその彼に対してセルゲイが声をかけてきたのだった。
「今の御前では無理だ」
「何が無理だっていうんだ!」
その父の言葉に思わず激昂するアンドレイだった。
「僕だって!もう子供じゃないんだ!」
こう言って父に反発を見せるのだった。
「それでどうしてそんなことを言うんだ!」
「今の御前のティエレンのダメージは大きい」
彼が言うのはこのことだった。
「それで戦ってもだ」
「ダメージの大きさは関係ない!」
彼はこの時意固地になっていた。
「こんなことで逃げてちゃ戦争にならないんだ!」
「ダメージを考えるんだ」
だがセルゲイはあくまで冷静だった。
「さもなければ死ぬのは御前になる」
「貴方の指図は受けない!」
それを意固地に拒むアンドレイだった。
「こんなもので!」
「よせ!」
前に出ようとする。しかしティエルンの動きは鈍い。リヴァイブもそれを見逃さなかった。
「いけ・・・・・・!」
照準を定めそのティエルンを撃ち抜こうとする。それは今のアンドレイでは避けきれるものではなかった。
「くっ、動かない!?」
エンジンにも異常が見られた。アンドレイの顔に危惧が走るその時だった。
セルゲイのティエルンが前に出た。それでアンドレイを庇った。しかしそれにより彼がビームの直撃を受けてしまったのであった。
「えっ、父さん」
「子を守るのは親の務めだ」
その撃たれたティエルンから言うセルゲイだった。
「こうすることもな」
「馬鹿な、そんなことをしたら」
「大丈夫だ」
しかしだった。彼は今口から血を出していた。彼自身もまたダメージを受けてしまったのだ。
「私はな」
「けれど父さん」
「今だ、撃て」
己のことは構わずこう息子に告げた。
「敵は戸惑っている」
「あっ・・・・・・」
「勝利の美酒を飲め」
また言うのであった。
「今こそな」
「わかったよ。それじゃあ」
アンドレイは急にパトリックに阻まれ呆然としているリヴァイヴに照準を定めた。そうして今度は彼が攻撃を仕掛け射抜いたのであった。
「ば、馬鹿な」
攻撃を受けたリヴァイヴは呆然としながら炎の中に包まれていた。
「こんなことが・・・・・・」
「これでいい」
セルゲイは我が子がイノベイターを倒したのを見て満足そうに頷いた。
「これでな」
「けれど父さん・・・・・・」
「悪いがこれで下がらせてもらう」
彼はこう言うだけだった。
「それではな」
「う、うん」
セルゲイのその言葉に頷くアンドレイだった。
「じゃあ」
「安心して下さい」
ルリがここで言ってきた。
「スミルノフ大佐のティエルンは確かにダメージを受けましたが」
「大丈夫なのかい?」
「そして大佐もです」
彼もだというのである。
「今すぐ戻られれば何の問題もありません」
「そうか。それはよかった」
「大佐、すぐに戻って下さい」
また言うルリだった。
「そして。見せてもらいました」
「そうか」
「貴方は立派な方です」
ルリは彼もまた認めたのであった。
「ですからどうか」
「父さん、まさか貴方は」
「また話そう」
今はそれ以上は言おうとしないセルゲイだった。
「またな」
「うん。じゃあ」
「だが今一つだけ言っておく」
セルゲイはこう言いながら前線から退こうとしていた。
「御前は私の息子だ」
「そうか。僕は父さんの」
「それだけは言っておく」
こう言い残して前線から離脱するセルゲイだった。しかし彼もアンドレイもその父子の絆を確かに見て感じ合ったのであった。はっきりと。
ロックオン、アレルヤ、ティエリアはヒリング、ブリング、デヴァインと戦っていた。イノベイター達は三人の攻撃に押されていた。
「くっ、何故だ」
「何故私達が」
「押されている!?」
「御前等はもうな」
ロックオンは冷静に彼等を追い詰めながら言うのだった。
「何てことはない。俺達にとっちゃな」
「何てことはないだと!?」
「侮辱する!?私達を」
「許さないわよ!」
「許すも許さないも関係ないよ」
今度はアレルヤが彼等に告げた。
「僕達はこの戦いを終わらせる為に君達を倒す」
「それだけのことだ」
ティエリアも言う。
「今の僕達にとってはな」
「くっ・・・・・・」
「それだけだっていうの」
「神に対して」
「神は確かにいる」
ロックオンはそれは認めた。
「しかしな」
「しかし?」
「それは御前等じゃない」
これが彼の言葉だった。
「君達はただ自分が神だと思っているだけに過ぎない」
アレルヤも彼等に対しては突き放していた。
「それだけなんだ。君達は」
「言わせておけば・・・・・・」
「許さないわよ、髪を愚弄して」
「愚弄でも何でもないさ。これが事実なんだ」
「そう、事実だ」
ティエリアもまたイノベイターではなかった。人であった。
「君達はそれが最後までわからなかったようだね」
「最後・・・・・・」
「まさかここで私達を」
「そう、倒す」
その全ての攻撃をイノベイターに集中させてきた。
「ここで」
「ふむ」
「どうやら彼等は」
「これで終わりかな」
「そうね」
ここで突如として三人の声が聞こえてきたのであった。
「所詮は人形」
「それなら」
「もう捨てましょう」
「捨てる!?」
その言葉に敏感に反応したのはリボンズだった。
「捨てる?一体誰をだい?」
「この声は」
刹那は声そのものに対して反応を見せていた。
「一体誰の声だ」
「わからない。けれど」
沙慈も首を傾げるばかりだった。
「聞いたことのない声だよ。これって」
「我等は神」
「この世を治める者」
「アル=イー=クイス」
こう三人の声が言ってきたのだった。
「それが我等の名前」
「あの方より世界を任された」
「それが我等」
「アル=イー=クイスだって?」
リボンズはその名前を聞いてもただ冷笑を浮かべるだけだった。
「何だい、その組織は」
「組織ではない」
「我等神の名」
「これこそが」
まだこう言う声達であった。
「そしてだ」
「イノベイター達よ」
「リボンズ=アルマークよ」
今度は彼等に対して告げた言葉であった。
「御前達の運命の終わりだ」
「所詮は人形だったということだ」
「もう不要だ」
「不要!?」
リボンズは今の言葉に眉を顰めさせた。
「僕を不要だというのか。この世の絶対者の僕を」
「言っておこう」
「所詮君達は我等が作った仮初めの神」
「言うならば傀儡だ」
こうまで言うのであった。
「しかし所詮は敗れた」
「最早貴様等には何の用もない」
「もう不要だ」
そう言うとであった。赤と青と白のそれぞれ禍々しい形のマシンが両軍の間に姿を現わした。そのマシンが出て来たのであった。
「何っ!?」
「あのマシンは」
「見たことがない」
ロンド=ベルの面々も見たことがないものだった。
「まさかあれが」
「アル=イー=クイス」
「この世界の神だというの!?」
誰もイノベイター達が神だとは思わなくなっていた。彼等自身を除いて。
「それが今ここに出て来るなんて」
「ということは」
「この世界を治める為に」
「一万二千年の時が来た」
彼等のうちの一人が言った。
「しかし青い血の話は費え」
「天使達は滅亡の責務を放棄し」
「我等の代理であるイノベイター達もこの様だ」
これまでのことを振り返った言葉であった。
「どうやらこの度の世界の終わりを果たすのは」
「我等自身によって為されればならない」
「だからこそ姿を現わしたのは」
「へえ、黒幕登場ってわけだね」
万丈はここまで話を聞いてこう述べるのだった。
「つまりは」
「世界を統率する者と言ってもらおう」
「そしてその為に」
「今貴様等の前に現われたのだからな」
「それならだ」
アークライトがその彼等に問うた。
「貴様等がこの世界を一旦終わらせるというのか」
「如何にも」
「その通りだ」
実際にこう返してきた彼等であった。
「では人間達よ」
「覚悟はいいな」
「今こそだ」
「待つんだ」
リボンズがここで話に入ってきた。
「僕達は人形なのかい」
「そうだ。この時の為に作った」
「我等に代わり世界を治めるだけの存在」
「それが貴様等だ」
「そんな筈がない・・・・・・!」
その言葉に忌々しげに返すリボンズだった。
「僕は絶対者だ。この世を治める筈の絶対者だ、その僕が」
「そう思わせていただけだ」
「ただ」
「そうした考えであるように創ったのだからな」
だが彼女達の声は冷たいものだった。何処までも。
「しかしだ。我等は今は動かない」
「倒れろ」
「人間達の手でな」
「くっ・・・・・・」
完全に見捨てられた形となった。そして彼の他のイノベイター達はここで。
「ぐっ・・・・・・」
「ううう・・・・・・」
「まさか・・・・・・」
それぞれロックオン、アレルヤ、ティエリアに撃墜されてしまった。それで終わりであった。
「やっぱりな。大したことはなかったな」
「所詮。まがい物でしかなかったってことだね」
「神でも何でもなく」
それぞれ言う三人であった。撃墜してもそこには何の感慨も見せてはいなかった。
「じゃあ刹那よ」
「あとはその男だけだけれど」
「すぐに終わるな」
「安心しろ。造作もないことだ」
彼もまた既にそのリボンズを超克してしまっているのであった。最早目の前にいる彼を見てさえもいない、そうした状況であった。
「来い」
「神に来いと命じるのか」
「御前は神ではない」
それだけであった。
「人形だ。それだけだ」
「ならその人形に倒されるんだね」
今の彼の精一杯の虚勢であった。しかし虚勢は虚勢でしかない。
ビームサーベルを抜き刹那に向かう。だがその巨大なサーベルを上から下に一閃させるだけで全てが決してしまったのであった。
「馬鹿な、僕がそんな・・・・・・」
こう言って炎の中に消えて終わりであった。実に呆気無いものであった。
イノベイター達は消えた。しかしロンド=ベルの面々はここで彼等と対峙するのであった。
「また話を聞きたいんだけれどね」
「何だ」
赤いマシンから万丈に対して応える。
「君達の名前は何ていうのかな」
「そうですな。御名前をまだ聞いておりません」
ギャリソンもそのことについて言う。
「それは何というのでしょうか」
「私はアヴィ=ルー」
まず名乗ったのはその赤いマシンの女だった。
「このアヴィエスレルムに乗っている」
「ジェイ=レン」
今度は白いマシンからであった。これも女だった。
「ジェイクラップスだ」
「そして私はヴァル=ア」
最後の一人もまた女であった。
「ヴァルディスキューズがこれだ」
「ふん、名前とマシンもわかったよ」
万丈はそこまで聞いて述べた。
「まあさしづめ火と岩と水かな」
そのうえでそれぞれの能力を言ってみせたのであった。
「そういうところかな。君達は」
「如何にも」
「その通りだ」
「わかったのだな」
「けれどまだよくわからないのはね」
万丈はその言葉を続けてみせる。
「君達のその目的だけれど」
「我等のか」
アヴィが万丈に対して言う。
「目的というのか」
「この世界の支配者だっていうけれど」
万丈はそれはもうわかっていた。他の面々もそれは同じである。
「けれどさ。何故世界を滅ぼすのかね」
「世界は常に作り変えられる」
「それがこの世界の宿命だ」
「この世界のね」
彼等の話を聞いてまた述べる万丈だった。
「この世界は天使達に滅ぼされるって話だったと思うけれど」
「そうだったな」
シリウスがここで呟いた。
「天使達が一万二千年ごとにこの世界を滅ぼすということだった筈だ」
「天使達は我等が作りしもの」
「この世界の破滅の為に」
「そうだっていうのかよ」
アポロがそれを聞いて眉を顰めさせた。
「その為にシリウス達は作られたっていうのかよ」
「そして消え失せた世界にまた新しい世界を作る」
「そこにも天使達を置き」
「また消させる」
こう言っていく三人であった。
「それがこの世界」
「その輪廻の中に生きる宿命」
「それは定められたもの」
「定められた、ね」
今の言葉からすぐにあることを察した万丈であった。
「つまり君達が定めたってことじゃないってことだ」
「えっ!?」
「万丈さん今のは一体」
「どういう意味なんですか?」
「つまりだよ。彼女達は今定めたって言った」
万丈が指摘するのはこのポイントであった。
「自分達が、とは言っていないね」
「そういえば確かに」
「今の言葉は」
「この世界は確かに彼女達によって動かされている」
それはわかる万丈だった。
「けれどね。その彼女達の上に誰かがいる」
「誰かが」
「あの三人よりも上っていうのは」
「それはわからないよ。ただ」
「ただ?」
「修羅界も崩壊に近付いていた」
万丈が今度言うのはあの修羅界についてである。
「原因は不明だったけれどね」
「その通りだ」
フォルカが彼の言葉に応える。
「今だもってね。それはわからない」
「そうだよね。シャドウミラーの世界もそうだったし」
「そうだ」
今度はラミアが答える。
「あの世界もまた」
「複数の世界がそうなっていてこの世界でも崩壊させようっていう神様か何かがいる」
紛れもなくアル=イー=クイスのことである。
「何か重なるね」
「そうだな」
「それは確かに」
頷いたのはフォルカやラミアだけではなかった。
「修羅界もそうだった」
「この世界も」
アルティスとフェルナンドも言うのであった。
「やはりここには」
「何かがあるのか」
「だとすればだ」
今度言ったのはアリオンだった。
「万丈殿、それは一体何だ」
「そこまでは僕にもまだわからない」
それはまだだというのである。
「しかしだ」
「しかし?」
「彼女達がこの世界を崩壊させようとしていることは間違いないね」
こう言う万丈であった。
「それはね」
「そうか。間違いないのか」
「うん、ないね」
万丈の言葉は続く。
「絶対にね。間違いないよ」
「だとすれば一体」
「世界を崩壊させてまた新しい世界を築くというのか」
「ここに」
「最早天使達に頼ることはない」
言ったのはジェイであった。
「我等の手で滅ぼし」
「そして無に帰す」
「今度は世界を戻すことはない」
三人それぞれが言う。
「永遠の静寂をもたらす」
「このままな」
「そう、世界はもう作られることはないのだ」
「おい、黙って聞いてりゃな」
エイジがその三人に対して抗議の言葉を出した。
「そうやって手前等の好き勝手にさせるかよ。この世界は俺達のものだからな」
「その通りだ。どうしてもっていうんならな」
「俺達が相手になるぜ」
剣人と闘志也も言うのだった。
「どうなんだよ、どうしてもっていうのかよ」
「世界を滅ぼすのかよ」
「元より話し合うつもりはない」
「所詮は人」
「我等に作られしもの」
これが彼等の返答であった。
「消す」
「無に帰す」
「永遠にだ」
「交渉決裂だね」
万丈はここまで話を聞いて述べた。
「じゃあいいよ。僕達も最初から話が通じると思っていなかったし」
「そうだな」
「それは確かにね」
これについてはまさに誰もがであった。
「こうした相手に話が通じたことってないし」
「やっぱり無駄だったわね」
「じゃあいいかな」
あらためて彼女達に対して告げる万丈であった。
「行くよ」
「我等の相手をする前にだ」
「御前達には行ってもらおう」
「あの場所にな」
しかしここで三人はこう彼等に告げるのであった。
「御前達がかつて行ったその世界」
「その世界において」
「世界の終末を見るのだ」
こう言うのと共にであった。三人が一斉にそのマシンの右手を掲げさせて光が場を支配した。そうしてその光が消え去ったとの時だった。
「何っ!?」
「あいつ等がいない」
「それにここは」
咄嗟に彼等が見回したがそこは最早宇宙ではなかった。そこは。
「パラダイムシティ!?」
「まさか」
「そんな」
「そうか」
ここで言ったのはロジャーだった。
「そういうことだったのか」
「ロジャーさん!?」
「何がわかったんですか!?」
「この街の謎が全てわかった」
彼は言うのだった。
「パラダイムシティを作ったのは誰か。そして何故四十年前の記憶がないのか」
「それがわかったって」
「じゃあそれは一体」
「話は長くなる」
ここではこう言うロジャーだった。
「後で話したいが」
「どうやらそうもいかせてくれないみたいね」
ドロシーが言ってきた。
「ここはね」
「そうだな」
ロジャーは周りを見て言った。するとそこには無数のイール達がいた。ロンド=ベルは丁度パラダイムシティの海の上にとbされていたのだ。
「くっ、あの鰻が!」
「こんなに多く!」
「このことについてもわかった」
ロジャーの言葉は続いていた。
「誰がこの街のマシンを生み出していたのかもね」
「全てわかったのね」
「そうさ、ドロシー」
イール達と戦いながら述べるロジャーだった。その拳が次々と彼等を打ち砕いていく。
「何もかもがね。そして」
「そして?」
「四十年前の依頼のことも」
それもわかったというのである。
「何もかもがわかったよ」
「それじゃロジャー」
「そう、ドロシー」
戦いは先手こそ打たれ囲まれたがすぐに態勢を立て直したロンド=ベルのものになっていた。
「その依頼を解決する時が来たんだ」
「そうね。次に」
「そして」
ロジャーの言葉はさらに続く。
「最後の戦いの時でもある」
「最後のね」
「この街の謎もこの世界の謎も全てわかった」
拳で最後のイールを粉砕するのだった。海面に派手な爆発が起こる。それを前にして言うロジャーだった。
宇宙からパラダイムシティに移ったのだった。だがここで。この街の謎が全てわかったのであった。

第百五十二話完

2009・9・23



 
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