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万華鏡

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第十七話 甲子園にてその五

「寒いのには弱いからね」
「ひょっとして巫女さんの服の下も?」
「そうよ、スパッツよ」
 ちゃんと着ているというのだ。
「武装してるから」
「そうなのね」
「神社ってお正月が勝負じゃない」
「節分もよね」
「どっちも冬だから」
 それでだというのだ。
「暖かい様にしてるから。カイロもね」
「それも付けてるのね」
「使い捨てカイロは偉大よ」
 景子は言い切った。
「あれがあれば冬は乗り切れるわ」
「そこまで言うのね」
「食べるのはおうどんにおじやに善哉ね」
 そういったものだというのだ。
「冬はね」
「本当に冷え性なのね」
「だから実はね」
「実は?」
「ビールも駄目なのよ」 
 それもだというのだ。
「あれは身体冷えるでしょ」
「ビールはね」
「だから。アルコール類は日本酒かワインがいいのよ」」
 景子はこう琴乃達に話す。
「私的にもね」
「あれっ、けれど景子ちゃんって」
 彩夏が景子の今の言葉に突っ込みを入れた。
「ビール好きよね」
「ええ、好きよ」
 実際にそうだと答える景子だった。
「ビールはね」
「身体が冷えるのになの」
「冷えるけれど。好きなのよ」
「それでもなの」
「そう、ビールはね」
 そちらはだというのだ。
「好きなのよ。だから飲むのよ」
「そういうことなのね」
「そうなの」
 この事情も話すのだった。
「確かにビールって身体は冷えるしね」
「痛風とかね」
「それもあるけれどね」
 どちらかというとワインの方が身体にいいのは事実だ、実際にビールからワインに切り替えて飲む人もいる。
「それでもなのよ」
「好きだから」
「そう、飲むのよ」
 それでだというのだ。
「いつもね」
「そうなのね」
「ところで彩夏ちゃんは」
 景子からの言葉だった。
「今結構薄着よね」
「そうかしら」
「うん、オレンジのシャツに」
 それに膝までのズボンだった。ズボンの色は赤だ。
「そのズボンって」
「暑いって思ってね」
「それで膝までのズボンなの」
「結構足が涼しいと楽じゃない」
 その暑さにだというのだ。
「だからこのズボンにしたの」
「靴は?」
「普通の靴よ」
 そちらはそれだというのだ。
「サンダルだと人の多い場所は危ないからね」
「それでなのね」
「そう、靴にしたの」
 安全の為にそうしたというのだ。
「怪我したら痛いからね」
「サンダルって涼しいけれどね」 
 琴乃もサンダルについてはこう言う。
「ガードは弱いからね」
「球場とかだとね」
「危ないわよね、とてもね」
 こう彩夏と話すのだった。 
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