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対決!!天本博士対クラウン

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第四十一話


                   第四十一話  宇宙で
 大騒動を起こした末に今度は宇宙空間に隔離された天本博士。しかしやはりと言うべきか予定事項と言うべきか全然懲りても反省してもいなかった。
「全く以ってけしからん」
 携帯で小田切君に電話をする。
「わしのような天才をこのような場所に置くとは。そう思うだろう」
「そうですか」
 小田切君は携帯に出ながら博士に応対する。
「そうじゃ。この前は南極だったしな」
「それで今度は宇宙空間ですよね」
「わしは怒っておるのじゃ」
「わかりました。けれど」
「けれど。何じゃ?」
 小田切君の問いに顔を向けてきた。
「言いたいことがあるのなら申してみよ」
「博士今宇宙空間にいるんですよね」
「正確には人工衛星の中じゃ」
 正直に答えてきた。
「それがどうしたのじゃ?」
「何で携帯が通じるんですか?」
 それを尋ねてきた。
「すっごい不思議なんですけれど。どうして電波が」
「わしが開発した携帯じゃ」
 博士はその問いに誇らしげに答えてきた。
「博士がですか」
「そうじゃ。このわしが開発したのじゃ。例え冥王星からでも電波が届くぞ」
「はあ」
 小田切君も驚きであった。何だかんだでこの博士の開発はやはり凄いものがある。問題はその使い道なのであるが。こればかりはどうしようもない。
「けしからんが。わしは決めたぞ」
「何をですか?」
「地球に帰る」
 いきなり言い出してきた。
「わかったな。わしは今から帰るぞ」
「どうやってですか?」
 博士に対して問い返す。
「どうやってとは?」
「ですから。今博士宇宙ですよね」
「如何にも」
 何の迷いもない言葉であった。
「星がやけに奇麗じゃ。一度見てみたいと思っておった」
「それでどうやって帰るんですか?無理でしょ」
「安心せい」
 ところが博士はそんなことは意に介してはいなかった。相変わらず平気な顔である。
「大したことはないわ」
「宇宙空間でですか」
「うむ。その証拠にじゃ」
 懐から何かを出してきた。
「今からわしが乗っている人工衛星を改造する」
「えっ!?」
 博士が何を言っているのか咄嗟にはわからなかった。
「今何て」
「だから人工衛星を改造すると言っておるのじゃ」
 またそう言う。
「まあ見ておれ」
 また災厄が動きはじめた。恐ろしい災厄が。


第四十一話   完


                     2007・9・6 
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