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久遠の神話

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第零話 炎の覚醒その七


「二年のだろ?学部は知らないけれどな」
「あいつのことだよな」
「そうだよな」
「ああ、牧村っていうんだな」
 話を聞いてだ。中田は納得した顔になった。ランニングの後の整理体操をしながらだ。仲間達の話を聞いてそれで頷くのだった。
「そういうんだな」
「強いけれど相当無愛想な奴らしいな」
「口調が全然変わらないらしいな」
「そんな奴か」
「学部は。ええと」
「何処だった?」
 学部の話になるがそれはだった。彼等の記憶にはなかった。
「まあ。わからないけれどな」
「とにかくそういう奴だよ」
「強いけれど無愛想でな」
「付き合いにくい奴みたいだな」
「世の中色々な奴がいるからな」
 中田はこう言うだけだった。
「無愛想な奴もいるよな」
「で、そいつ酒飲めないらしいしな」
「甘党らしいぜ」
「それもかなりな」
「ああ、俺も甘いもの好きだぜ」
 中田は甘いものの話を聞いてだ。笑いながらこう話した。
「アイスでもチョコでもな。何だってな」
「御前それに酒も飲むしな」
「ビールでもワインでも飲むよな」
「アルコールが強い酒は駄目だけれどな」
 それでもだ。飲むことは飲むというのだ。
「けれど好きだぜ」
「結局甘いものも酒もいけるんだな」
「御前はそうだよな」
「ああ、ただ付き合うのは女だけだぜ」
 陽気なままこうしたことも言う彼だった。
「男は駄目だからな」
「そっちは両方じゃないよな」
「まあ。流石にな」
「それが普通だよな」
「俺はホモは駄目なんだよ」
 そうだと話す彼だった。
「ああいうのはどうしてもな」
「我が国はそういうのは寛容だけれどな」
「歴史上結構そういう人も多いしな」
「織田信長とか武田信玄とかな」
「上杉謙信もそうだよな」
 彼等にそうした趣味があったのは判明している。織田信長が森蘭丸を傍に置いていたのも武田信玄が高坂昌信を傍に置いていたのもそれが理由だ。上杉謙信も直江兼続を育てたのもそうした理由もあったのだ。
「俺はそっちの趣味ないけれどな」
「俺も」
「俺もだよ」
「そういうのはな」
 こう口々に話す彼等だった。
「俺達も酒も甘いものもいけるけれどな」
「付き合うなら女の子だよなあ」
「今度コンパあるよな」
「中田、御前もそれ出るよな」
「今度のコンパ」
「ああ、確かあれだろ」
 中田もだ。コンパと聞いてだ。これまで以上に明るい笑顔になって仲間達に応えるのだった。そうしてそのうえでこうしたことを言うのだった。
「アーチェリー部とのだよな」
「ああ、それだよ」
「アーチェリー部の娘達とな」
「スタープラチナで合コンだよ」
「絶対に来るだろ」
「俺のライフワークだからな」
 笑顔のままだ。こんなことも言う中田だった。 
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