| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

万華鏡

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二話 はじめての演奏その九


「どんどん言ってね」
「私はちょっと」
 里香は少し困った笑顔で言ってきた。
「言われるのは」
「駄目なんだな」
「あまり言われると困るの」
 そうだというのだ。
「だからね。それはお願いね」
「わかったよ。それじゃあな」
「ええ、そうしてね」
 こう美優達に言うのだった。
「悪いけれど」
「いいさ。そういうはな」
「そういうのは?」
「人それぞれだからな」
 だからだというのだ。
「悪いって思わなくていいさ」
「そうなの」
「ああ。琴乃ちゃんなんかは」
「私幾ら言われても平気だから」
 琴乃はここでも明るかった。まるで太陽の様に。
「安心してね」
「ああ。それじゃあ本当に遠慮なく行っていいか?」
「いいわよ」 
 実際にこう返すのだった。
「全然平気だからね」
「前向きっていうのかね。それも」
「よく言われるわ。お母さんに」
 あの母親にだ。言われるというのだ。
「前向きなのがいいところってね」
「そう言われてるんだな」
「実際にそうなの。だからね」
「じゃあ本当に遠慮なくいくからな」
「そういうことでね」
 こう話す。そしてだった。
 最後に彩夏がだ。こう言ったのだった。
「私はね」
「どっちなんだ?」
「どっちかっていうと里香ちゃんかしら」
 彼女を見ての言葉だった。
「それはね」
「そうなんだな」
「言われるの弱いの」
 そうだというのだ。
「私はね」
「じゃあ彩夏ちゃんにもな」
「出来るだけ言わないでね。きつくわね」
 彩夏は今度は少し苦笑いになって美優に言った。
「落ち込むから」
「わかったよ。じゃあ穏やかにな」
「そう言ってね。じゃあまだ演奏する?」
「そうだな。するかい?」
 彩夏の言葉を受けてだ。美優は他の三人にも問うた。
「今からね」
「それじゃあしよう」
 笑顔でだ。最初に琴乃が応えた。
「もう一回ね。楽しくやろう」
「私ももうちょっとしたいし」
「私も」
「私もね」
 琴乃に続いてだ。里香達も言う。そうしてだった。
 五人は演奏を楽しんだ。彼女達は最初の演奏から大きなものを得た。これが彼女達のバンドプラネッツの誕生だった。


第二話   完


                    2012・7・18 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧