仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第十九話 動物園での戦いその五
全体的に白く柔らかい服だ。スカートの丈が長く前で小さな白いバッグを持っている。その彼女が言う言葉はこういったものだった。
「あの、よかったら」
「ええと。動物園にね」
「一緒に行こう・・・・・・」
「いいよ」
笑顔で応える竜司だった。美咲はその返事と笑顔に笑みになる。しかしだった。
すぐにだ。彼はこう言ったのである。
「ローズ達も一緒だよ」
「はううう・・・・・・」
「全く。こいつは」
「どうしたものかしらね」
真人も真央も今の竜司の言葉には苦い顔になる。それを見てだ。
雄二はだ。こっそりと英理子に尋ねたのだった。
「あの、こいつもまさか」
「そう。相当な鈍さだからね」
「やっぱりそうですか。実はうちのところのもです」
「わかるわ。もう声でね」
「そうですね。声でもうそれは」
「あの手の声は鈍感みたいね」
真剣にこう考えている英理子だった。
「ローズちゃんもそうしたことにはかなり疎いけれどね」
「二人共かなりですね」
「全く。女の子は大変よ」
「確かに」
「これで本当にああいう手の世界に縁があるのか」
慶彦も顎に自分の右手を当てて真剣な顔で述べる。
そのうえでだ。宗朗を見つつこうも言うのだった。
「もっとも。宗朗もだけれどね」
「僕が一体?」
「いや、君は吉井君に似てると思ってね」
「似てますか、僕達は」
「そう。案外ね」
思わせぶりな笑みで言う慶彦だった。
「君達は似ているね」
「そうなんですか。よくわからないですけれど」
「わからないか。やはりな」
「慶彦様、一体何が何なのか」
「いや、気にしないでいい」
宗朗のその鈍感さを認識したうえでの言葉だった。
「それならだ」
「そうなのですか」
「そうだ。ただしだ」
「ただ?」
「少し周りに目を向けた方がいいな」
慶彦は何気に千姫に幸村、それと十兵衛を見ていた。しかし宗朗はそのことにも気付かないのだった。
そんな話をしつつだ。一行は動物園の中に入った。すると早速だ。
ローズがだ。満面の笑顔でキリンを見て言うのだった。
「あっ、あの首って」
「長いよね」
「何であんなに長いの?」
こうだ。竜司に尋ねるのである。
「キリンの首って」
「あれはね。高いところの葉を食べようとしてね」
「そうしてなの?」
「そう、首を伸ばしているうちにああなったんだよ」
「首を伸ばしてると長くなるの?」
「時間をかけてそうなったんだ」
竜司は温かい声でだ。ダーウィンの進化論に基いて話した。
そのうえでだ。彼もそのキリン、首も足も長いその生きものを見て話す。
そうしてなのだった。ローズにそのキリンを見せながらこんなことも話した。
「けれどそれはキリンの一生だけじゃ終わらなくてね」
「どれだけ長いの?」
「子供も孫も曾孫の代も。何代もかけて」
「そうやって時間をかけてなの」
「首を伸ばしていったんだ」
そのことを話すのだった。
「キリンはね。そうなんだよ」
「じゃあ象もなの?」
ローズはキリンの隣のコーナー、堀と柵で囲まれたそこにいる象達も見た。やはり鼻が長くだ。優しい目をしてそこにいた。
その象達を見てだ。また言うローズだった。
「お鼻を伸ばそうとしてそうしてなの」
「そうだよ。象もね」
「何か不思議」
ローズはきょとんとした顔で首を捻って言った。
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