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中二病サマナー魔法少女が、キモいモンスターを使役してる件

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2話 中二病魔法少女のお宅訪問 ③妹「ただいま」

「ただいまー」
玄関の方から、控えめな声が聞こえる。
その声だけで、空気が少し柔らかくなる感じがした。
「おかえり」
闇乃がリビングから返す。
私はそっちを見る。
(誰か来た……)

正直、ちょっと安心する。
この状況、ツッコミ役が私一人はきつい。
ぱたぱたと足音。
そして、リビングのドアが開く。
「……あ」
入ってきたのは、小柄な女の子。
ウチの学校の制服
メガネ。七三分け。落ち着いた雰囲気。

でも今は――
完全に固まっている。
視線は、私と、足元のモンスターたちを行ったり来たり。
「……ふぇぇ……」
小さく、情けない声。

(あ、普通の子だ)
その一言で分かる。
この子は、まとも側だ。
「お、お姉ちゃん……」
おずおずと闇乃を見る。
「また……増えてる……?」
「拾った」
闇乃、即答。
(拾うな)
「ひ、拾うって……」
妹らしき子が、さらにおろおろする。

視線が私に来る。
「えっと…」
「だ、大丈夫ですか……?」
「あ、はい……たぶん」
自分でもよく分からない返事。
「ご、ごめんなさい……」
ぺこっと頭を下げられる。
「え、なんで!?」
「お姉ちゃんが、その……」
言いにくそうにしながら、
「モンスター、連れてきちゃって……」
(連れてきちゃって、で済ませるんだ)
闇乃、興味なさそうにソファに座る。
「別にいいでしょ」
「よくないよぉ……」
妹が小さく抗議する。

それから、私に向き直る。
ちょっと深呼吸して、
覚悟を決めたみたいに言う。
「えっと……」
「お姉ちゃんは……その……」
少し間。
「サマナー、なんです……」
「……さまなー?」
聞き返す。
「えっと、あの……」
言葉を探しながら、
「魔物を……使役する魔術師、で……」
(アレをサマナーっていうのか)
頭の中でツッコむ。
さっき目の前で見た。
めちゃくちゃ見た。

「その……危ないことは、あまりしないようにって……」
「言ってるんですけど……」
ちらっと闇乃を見る。
闇乃、完全スルー。
「……聞いてくれなくて……」
「でしょうね!!」
思わず声が出た。
妹、びくっとする。
「ひっ、ご、ごめんなさい……!」
「いや違う違う違う!」
慌てて手を振る。
「あなたのせいじゃないから!」
(むしろ一番まともだよこの子)

妹、少しほっとした顔になる。
「私、久遠沢(くおん さわ)って言います
構造中学の一年生です。先輩ですよね」
ぺこっと頭を下げる。
「鈴木一花です……三年」
私も反射で名乗る。

その時。
足元で、ぷるん、とスライムが動く。
沢、びくっとする。
「ふぇぇ……」
(自分の家でそれはどうなの!?)
「だ、大丈夫……」
自分に言い聞かせるみたいに、
そっとスライムに手を伸ばす。
触れる。
ぷるん。
「……いい子……いい子……」
震えながら撫でている。
(頑張ってる……)
「慣れれば……大丈夫、なので……」
こっちに向かって、ぎこちなく笑う。
(慣れたくないよ!!)

闇乃が沢を見る、怖いぞ瞳孔閉じろ。
「沢、魔力が減ってるわよ」
「クラスの子が転んじゃって、癒しの雫を使ったの」
「回復して」
スライムが沢の足に絡みつく。
「ちょっ!」
沢の体が水色の輝きに包まれる。
「便利でしょ?スライムに魔力を貯めておいて
必要に応じて出す。
沢10人分くらいは貯めてるわ」
輝きが消える。
「魔力戻った、ありがとうお姉ちゃん」

ん?魔力?
てことはこの子も魔法使うわけ?
普通の子なのかそうじゃないのか…

でも――
さっきより、少しだけ空気が軽い。
(……なんか)
(変だけど)
(悪い人たちじゃ、ないのかも)
そう思ってしまった自分に、
ちょっとだけ驚いた。 
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