蒼と紅の雷霆
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鎖環編:トークルーム④
前書き
今更ながらGVの声優の石川界人さんとぎゃるがんの桜咲薫子の声優の内田真礼さん結婚おめでとう。
しかも弟さんがアキュラ役を演じてるとか…トライアングルエディションでヘイトスピーチ言って大して時間も経ってない時に…。
更に嫁さんが演じたキャラがオウカの血縁って…何か不思議な何かを感じますね。
《当たらなければどうと言うことはない》
「じゃじゃーん!よその部署がくれるって言うから、戦車のプラモを貰ってきたぜ!」
「また?前も貰ってきて、結局自分で組み立てられなくてソウとGVに組み立てて貰ってたじゃん」
最初はゴミとしてソウが処分しようとしたらしいが、GVが止めて兄弟で組み立てたようだ。
GV曰く、“僕達は兄弟でこう言うことをするのは少なかった”かららしい。
ジグソーパズルは弟夫妻とやったことはあるらしいが。
まあ、確かにソウがプラモデル作りなど想像出来ないが、あの前足(手)でどうやってプラモデルを組み立てたのか…謎だ。
「後でレクサスも加わってね、そこに飾ってあるよ」
GVが指差した先に金ピカのプラモデルが飾られている。
「何か、前見た時と全然違うけど…あのプラモデル、緑じゃなかったっけ?」
「単に組み立てるだけでは芸がないと思ってな。俺なりの改造(アレンジ)だ。マンティスシリーズの改修機、マンティスデルタ。ペーパープランのみに終わった幻の戦車だ。耐ビームコーティングの質感を出すために鏡面仕上げ拘った、中々の一品と自負している」
「だが、こんな派手な機体など戦場で目立つだけだろうに…何故こんな物を造ろうと考えたんだ。耐ビームコーティングも絶対ではないだろう」
「それに関しては運動性を向上させ、ベテランのパイロットが乗りこむことで被弾を抑えるつもりだったらしい。要するに“当たらなければどうと言うことはない”とのことらしいぞソウ。まあ、実際には技術が足りずに頓挫したらしいが」
「まあ、無駄に金がかかるだろうしな。頓挫して当然か」
「そんで、今回貰ってきたのはこいつなんだけどよ」
「ふむ、“スパイダー”か。それは量産に至らなかった第十世代戦車の試作機だ。マニアックだな」
「ああ、あの蜘蛛型戦車か。そのガラクタも壊した記憶があるな」
「私もエデンの巫女として活動していた時には有り難く何機か頂きましたよ」
「ほう?まさか実際に運用されていたとは。流石はソウとパンテーラ。生ける伝説とその奥方か…」
「ん?エデンって大昔のテロ組織…」
「気にしなくて良いよきりん」
(仲間との絆が深まった)
《レクサスについて》
「レクサスの第七波動…“振子(ペンデュラム)”。触れた物にベクトルを与える力…中々の能力だな」
「…そうか、戦った相手だからな。俺の能力は把握しているか」
「それもあるが、これから共闘することになればお前の能力のことは把握しておかなければならん。今は俺達が前線に出ているがな」
レクサスの第七波動は触れた物にベクトルを与える力。
これから先、レクサスの第七波動に頼らざるを得ない事態が発生するかもしれないのだから。
「確かにな、お前達との連携も考えて第七波動の情報の提示をしなければならなかった。BBに報連相をしっかりしろと言ったが、俺もまだまだだな。」
いくら昔と比べて第七波動能力者への差別がマシになったとは言え、自分の第七波動について隠す者も多い。
互いの第七波動はなるべく詮索しない。
それを能力者同士の暗黙のルールとする者もいる。
「いかんな。昔の癖で、秘密主義が抜けていないようだ。そう言う生き方は、辞めたつもりだったんだがな…」
「構わん、お前は元・裏社会の人間だろう?動きで分かる。俺もテロリストだ。己の情報が他者に渡ることの恐ろしさは重々承知している…。言いにくいのならば能力の詳細は俺が小娘に伝えよう」
「いや、それは俺が伝えよう。気を遣わせてすまないな…俺の第七波動“振子”は、触れた物体にベクトルを与える第七波動。戦闘においては強力かもしれんが、日常生活では、あまり役に立たないな。精々、流れ弾を咄嗟に受け流したことがあるぐらいだな…」
「ほう?防御にも使えるとは中々汎用性が高いな……レクサス、お前の第七波動は物体にベクトルを与える第七波動。これから出る瓦礫の撤去に邪魔な物体を退かすのにお前の第七波動は実に有用だ。これからの世界で必要なのは俺のような破壊しか出来ない第七波動よりも誰かのために使えるお前の第七波動なのかもしれんぞ」
「フッ、そうか…ありがとうと言っておくよ」
(仲間との絆が深まった)
《きりんの書類》
「きりん、明日の報告資料は大丈夫か?」
治龍局も皇神の一部署として活動している以上、上層部と実質的な支配者である“一族”に定期的に仕事の報告をしなければならない。
「完璧だよ、見てみる?これならアリスさんも何も言わないでしょ」
きりんが自分のモニターをレクサスに向ける。
ソウとGVとパンテーラも見てみるが、渋い表情を浮かべる。
「ふむ、これは…少々見直す必要があるな…」
「えっ!駄目だった!?」
「纏まってはいるが、見やすくはない…な…」
「そうだね…もう少し簡潔にした方が良いかも」
「これではまたアリスに叱られますよきりん?」
「そんなー、ちゃんとアリスさんの助言通りにやったのに…」
逆に助言を受ける前はこれより酷かったのかとレクサスとソウとGVとパンテーラは微妙な表情を浮かべる。
「少し俺に預けてくれ、プレゼンの書類作りは得意だ。」
「…もう報告もレクサスに任せよっかな?」
「すまないが、それはきりんの方でやってくれ。人の前に立つのは性質じゃないからな…」
「きりん、君が治龍局局長なんだからやるべきことはやらないとね」
(仲間との絆が深まった)
《コーヒー》
「ん…?どうしたソウ、自販機の前で」
「レクサスか、暴龍となってから人里から離れていたこともあってコーヒーが飲めなくてな。今は緑茶の方が好きなんだが、時に飲みたくなる…だが…」
「だが…何だ?」
「やはりメーカーも大分変わって缶コーヒーの味も変わっているな。昔の味の方が好みだったんだが…」
やはり時代の変化で変わっていくのだろう。
人だけでなく自販機の飲み物も。
「ふむ…うちに良い豆があるんだが、今度一杯淹れてやろうか?」
「ほう?良いのか?」
「ああ、古い記憶を思い出すから最近は控えていたが…仲間と飲むなら悪くない」
「では、その時を楽しみにしていよう」
「ああ、味は保証する。期待していてくれ、何ならパンテーラと娘さんも連れてくると良い」
「ああ、そうさせてもらおう。きっと妻と娘も喜ぶ」
(仲間との絆が深まった)
《きりんはPCが苦手?》
「ソウ、きりんはPCが不得手なのか?」
「使えないと言うわけではないが…任務の迅速な達成を生業とする裏の人間として考えれば不得手の部類だろうな…この姿の俺とテーラより仕事が遅いのは流石に問題だが」
「うぐ…け、端末(携帯)なら慣れてる…けど?」
「きりん、そう言う問題ではありません…」
「そんな意地を張らなくても…」
レクサスが実質的な彼女の補佐であるソウにきりんがPCが不得手なのかを尋ねるとソウも苦い顔で頷いた。
きりんはソウの言葉に呻きながらも端末なら得意だと言い張るが、パンテーラもGVはそんな彼女を呆れたように見つめる。
「いやまあ、それ自体は構わないが…パスワードを附箋(ふせん)に書いて、それを机に張るのはちょっとな…」
『あ、ほんとだ。しかも“KIRIN@03”って…』
「あ、あなたと言う人は…」
モルフォが読み上げたあまりにも分かりやすいパスワードとそれを張り付けているきりんに、かつての旧皇神のことを知っているパンテーラからすればあまりにも無用心過ぎる。
「うううっ…!?だって、サーバーから頻繁に変更要求が来るから…」
「…皇神の情報セキュリティ意識からすれば当然だ。まあ、せめて今後は手帳に控えるとかにしてくれ」
「…はーい」
「それと、ソウ。お前もきりんの補佐をしているなら次からはそう言う所も言ってやってくれ。」
「む、そうだな…次からは気を付けるとしよう」
(仲間との絆が深まった)
《オリジナルモルフォと現在のモルフォ》
『あなた、楽器の経験とかあったりしない?』
「ん…?突然どうした?」
『新しい歌を作るから、奏者が欲しいなーと思って♪︎見た目的にも音楽出来そうな印象だったから!』
「まあ、確かに幾つか嗜んでいるが、そんな風に見えるのか?」
『やっぱり!』
モルフォがレクサスと楽しそうに会話している。
昔、シアンの深層心理でもあったオリジナルのモルフォは笑顔を浮かべていてもどこか寂しさが見えた。
シアン同様に彼女もきっと目の前のモルフォのように自分の意思で歌を考えたり歌ったりしたかったはずだ。
でもオリジナルのモルフォはミチルに戻ってしまい、僕達は最後まで彼女の心の底からの笑顔を見ることは叶わなかった。
「どうしたの?GV?」
「いや、オリジナルのモルフォのことを思い出していたんだ。オリジナルのモルフォは彼女のように自分の意思での作曲も自分の歌を歌うことも出来なかった…彼女には誰かに無理やり歌いたくもない歌を歌わされるようなことはさせたくない。」
「オリジナルのモルフォ…か…あんた達から聞いた話だと能力者本人含めて相当理不尽な目に遭ってたみたいだしね。任せなさい、この私が何があってもモルフォにそんなことはさせないから」
「きりん…ありがとう」
僕にとってシアンは妹のような存在で、彼女の面影を残すモルフォの笑顔が曇ることなんてことがないことを祈りたい。
「第一、ここにはアリス達もいる。昔のようなことをする輩がいれば即、俺達の紅き雷霆で公開処刑にしてくれる」
「ええ、愚か者に与える愛などありません」
「…怖いよ、2人共」
シアンの家族の兄さんとテーラもモルフォを守ろうとしてくれている。
きりんは2人の殺意に引いているけど。
「それにしても、レクサス。お前は楽器も弾けたのか」
「そう言うソウはどうだ?」
「生憎、俺は戦うことと日常生活のスキル以外は何も出来ん。だが、モルフォ」
『なーに?』
「お前がやりたいことをやれ。俺はお前のやりたいことを応援しよう」
『ん、ありがと!ねえ、きりんは何か弾けないの?』
「きりんならば和楽器系が似合うんじゃないか?」
「残念でした。戦巫女は楽器なんて弾きませーん」
「何だ、弾けないのか」
『きりんって時々雑なところあるし、案外不器用なのかも?』
「ひ、弾けないとは言ってないっての!」
「オウカがいればピアノの演奏は出来ただろうけどね」
(仲間との絆が深まった)
《きりんの錫杖》
「きりんのその錫杖剣…」
「何…?あげないよ?」
「いや、誰が欲しがるんだ…そんな物」
ソウからすれば錫杖型の仕込み刀と言う変なデザインの刀よりももっと斬ることに特化した剣があるのだからきりんの錫杖には何の魅力も感じない。
「はあっ!?」
「仕込み刀である以上、分類は暗器に当たるはずだ。」
「…それが何?」
「いや、その割に良い鋼を使っていると思ってな、あれだけ振り回していて折れる気配がまるでない。切れ味も相当な物だ…余程の刀匠が手掛けた逸品だろう。鍛冶師の銘は無いのか?」
「頑丈なのは認めるけど…大体叩き斬ってるから切れ味はどうなのかな?」
「……」
「別に鈍刀(なまくらがたな)でも構わん。基本的に暴走している暴龍を殺すわけにはいかんからな。頑丈な鈍器としての役割を果たせれば充分だ。この小娘の馬鹿力ならば鈍刀でも武器として機能する」
絶句しているレクサスだが、下手に切れ味が高いと救うべき対象の暴龍を殺してしまう可能性が上がるので別にきりんの刀の切れ味が悪くても構わない。
それに仮に鈍刀であったとしても流石に人間を斬ったり、貫いたりすることにはきりんの技術ならば何の問題もないはずだ。
「女の子に馬鹿力って言わないでよ!」
「まあ、それもそうだな」
「レクサス!?あんたも納得しないでよ!」
(仲間との絆が深まった)
《きりんの成長》
きりんは自身のレベルアップのために色々と試行錯誤していたのだが、やはり封印エネルギーを護符のように扱うと言うことで頭を悩ませる。
悩んでいるきりんに、ソウは助け船を出してやる。
「小娘、第七波動を使う上で重要なのはイメージだ。どのような技を使いたいのか、どのような形にしたいかだ。SPスキルで例えるなら分かりやすいか?俺のように通常攻撃を極限化させるか、GVのように物質化させるか。お前の場合は鎖環のエネルギーを放つ際にエネルギーを護符にしてみてはどうだ」
「ご、護符の形に?」
「そうだ。不慣れなことをするから封印のエネルギーを放つのにタイムラグが発生する。慣れた護符ならば従来通りの動作が出来るはずだ」
「…やってみるよ」
護符のイメージをするときりんの手のひらに護符の形をした封印エネルギーが出現する。
「…出た!」
「よし、イメージは出来たか。ならば次は護符の衝撃エネルギーだが、この護符を直撃させた際の衝撃を封印するんだ。流石に本物の護符には蓄積する衝撃は劣るが、そこは手数で補え」
「うん!」
「(飲み込みは悪くはないな…まさか俺がアシモフのようなことをするとはな)鎖環由来の力をどのような形にしたいかイメージをしてみろ。そうすれば意外と何とかなるはずだ」
「分かった!ありがと!」
ソウの助言に従い、きりんは一気に技を増やしていくのであった。
GVも少しずつだが、ヒヤリとさせられる場面が増えたと雑談の中で溢すので間違いなくきりんは強くなっているとソウは感じた。
きりんは激しい訓練によって才能を開花させ、従来のスキルを強化させた護符散封ち(メバリウチ)、護符撃封ち(デバフウチ)-極-、星影祀り、羅刹断、仏生斬、獄門閃のスキルを習得した。
SPスキルも元々覚えていた奥義、八十八式・朧叢雲を強化発展させた八十八式(はちじゅうはちしき)・朧叢雲改(おぼろむらくもかい)を習得する。
(仲間との絆が深まった)
後書き
雷霆兄弟やパンテーラのSSクラスの能力者やアキュラがおかしいだけできりんも天才のレベル。
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