風神雷神の恵み
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第二章
高天原から話が来た、雨を降らせる様にと。そう言われてだった。
風神も雷神もだ、俄然元気になって動き出した。
「さあ風を吹かせるぞ」
「雷を落とすぞ」
「思う存分やってやる」
「天気よ荒れよ」
「雲よどんどん出て厚くなれ」
意気揚々と話していく。
「どんどん暴れるぞ」
「もうわし等を止めるものはないぞ」
こう言ってだった、風邪を起こし雷を出した。すると。
日本全土の天気がどんどん荒れた、雲がむくむくと出てだった。
風が吹き雷が落ちてだった、それと共に。
大雨が降った、忽ちのうちに川も湖も池も満ち。
草木も作物も雨に打たれてだった。
「水だ」
「雨が降ったぞ」
「もうこれで大丈夫だ」
「田畑が助かった」
「草木も元気になった」
「よく降ってくれた」
「待っていたぞ」
人も生きものもだった。
誰もが喜んだ、その大雨によってだ。
日本は確かに救われた、だが。
「風が強い」
「大嵐だ」
「しかも雷も酷い」
「暫く外に出られないぞ」
「これは仕方ない」
「大人しくしていよう」
誰もがこう言ってだった。
外出は控えた、それを見て風神と雷神は話した。
「ははは、いつもだな」
「いつもこうなるな」
「全くだな」
「わし等が働くとな」
こう話した。
「荒れてしまう」
「暴風に雷に」
「大雨だ」
「台風の時もある」
「実に酷いものだ」
「人にも生きものにも」
「しかし」
それでもともだ、お互いに話した。
「それがいいのだな」
「雨をもたらすのだから」
「渇いた時には大雨がいい」
「むしろな」
「高天原の方でもそう言う」
「それが世だとな」
「ではな」
それならというのだ。
「わし等もだ」
「大いに降らせるとしよう」
「そして水をもたらそう」
「わし等のやり方でな」
「これからもな」
こう話してそしてだった。
彼等はその時だけでなくそれからもだった、風と雷を起こしつつ雨を降らせた。それが世を救ってだった。
今に至る、それで人々は何時しか。
絵に描かれた彼等に親しむ様になった、鬼神の彼等を。それで彼等は笑って話した。
「荒ぶっておるのにな」
「そんなわし等を好きになってくれるか」
「人は面白いな」
「全くだ」
雲の上で話した。
「人だけでなく他の生きものもそうだしな」
「作物も草木も」
「ではこれからもだ」
「わし等のやり方で雨を降らそう」
こう話した、そして今でも日本では大雨の時は風も雷も起こる。しかし風神も雷神も今も親しまれていて彼等もそのことに笑顔でいることは言うまでもないことである。これもまた神人和楽ということであろうか。
風神雷神の恵み 完
2025・4・13
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