最速優勝して
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第四章
「わかったよ」
「それ言うと俺達もか」
「お前程じゃないけれど阪神ファンだしな」
「そんあ感じだな」
「早いうちに優勝されるとな」
「かえって気が抜けるよ」
寿は普段よりかなり低い調子で言った、兎に角今の彼は空虚感を漂わせていた。だがそれでもだった。
阪神の本を読みクライマックスそしてシリーズのことを考えていた、そうしてチーム戦略も考えていた。
ディリーや月刊タイガースを読んでだ、あれこれ考えていた。
「どうすべきかな」
「早速考えてるのね」
妹は自宅でディリーを開いている兄に言った。
「クライマックスのこととか」
「いや、やっぱりね」
「考えずにいられないのね」
「普通にね」
それこそというのだ。
「そうだよ」
「前向きっていうの?」
「いや、油断しなくても」
妹に真顔で言った。
「負けることもあるし」
「クライマックスやシリーズで」
「特にシリーズでね」
この時にというのだ。
「負けてきたから」
「阪神ってシリーズよく負けるわね」
「伝統的にね」
「これまで七回出て」
「二回しか日本一になっていないんだよ」
このことを言うのだった。
「出るのもあまりで」
「七回だから」
「それで二回しかね」
「日本一になっていないから」
「真剣だよ」
「どうすべきか考えているのね」
「特にね」
寿は暗い顔になって話した。
「二〇〇五年だよ」
「お兄ちゃんその時のことずっと言ってるわね」
「伝説だからね」
そうまで言われているからだというのだ。
「あのシリーズは」
「阪神ファンの人達にとっては」
「悪夢だったってね」
そう言われていてというのだ。
「三十三対四と」
「その点差ね」
「一試合目は十対零で負けて」
そうなってというのだ。
「霧が出てコールドでね」
「惨敗ね」
「二試合目は十対一で」
この点差でというのだ。
「惨敗して」
「三試合目もそうで」
「そして最後は」
四試合目はというのだ。
「三対二でね」
「ストレート負けね」
「合せて三十三対四」
両チームの得点のことを挙げた。
「文字通りにね」
「惨敗だったっていうのね」
「ロッテ相手に」
「いや、何ていうかね」
真顔になってだ、千佳は兄に言った。
「何でそうなったのかね」
「わからないね」
「その時の阪神そんなに弱くなかったでしょ」
「JFKがいてね」
中継ぎそして抑えにだ。
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