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最速優勝して

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第一章

                最速優勝して
 二〇二五年九月七日阪神タイガースは甲子園球場で優勝を決めた、根室寿はその球場で優勝を見届けて神戸の自宅に戻って満面の笑みで言った。
「最高だったよ」
「ああ、そうなの」
 妹の千佳はその兄を憮然として迎えて応えた。
「おめでとうとは言っておくわ」
「全然嬉しそうじゃないね」
「当たり前でしょ」
 妹は即座に答えた。
「カープファンなのに、私」
「Aクラス入ればいいじゃない」
「どうなるか」
 憮然とした返事のままだった。
「去年のことあるし」
「今年も七月凄かったね」
「ええ、今カープ思いきり負ける時あるから」
「心配だね」
「とりあえず巨人優勝しなくてよかったわ」
「目指せ借金生活」
 寿は満面の笑顔で言った。
「巨人はね」
「それでいいわね」
「変な補強して」 
 この実に禍々しいチームの十八番である。
「失敗したね」
「何でストッパーと正捕手いるのに補強したのよ」
 そのそれぞれをというのだ。
「訳わからないわ」
「今の監督の要望でね」
「フロントが聞いて」
「それでみたいだね」
「あのやたら選手にダッシュさせたっていう」
「二軍監督の頃にね」
「罰則で。今そんなことする人いるのね」
 千佳は冷めた目で述べた。
「何時の時代よ」
「それで打つ選手トレードに出したよ」
「シーズン中にね」
「そうした人だよ」
「人見る目なくて戦略ないのね」
 千佳は冷めた目のままさらに言った。
「それはまた」
「大体去年の優勝も」
 実に忌まわしいこの出来事もというのだ。
「カープが悪いよ」
「返す言葉もないわ」
 千佳は再び憮然となって応えた、二人でテーブルを囲んでカルピスを飲んで柿ピーを食べつつ話している。
「もうね」
「九月のことは」
「さっきもお話に出たけれどね」
「去年のあれはないね」
「それまで投手陣が頑張って」
「やってきたのが」
「一気にね」
 九月になってというのだ。
「ガタがきて」
「一気に負けたね」
「八月まで首位だったのが」 
 そして優勝を見据えていたがというのだ。
「それがね」
「負け続けたね」
「そうよ」 
 まさにというのだ。
「とんでもない勢いで落ちて」
「巨人優勝したね」
「流石に唖然となったわ」 
 ファとしてはというのだ。
「本当に」
「そうだったね、結局ね」
「優勝するチームじゃなかったわね」
「今年もね」
「戦力はあるかしら」
「いや、選手層薄いから」
 巨人はというのだ。 
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