カレールーの取り分
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第一章
カレールーの取り分
高木家の今日の夕食はカレーだった、それで妹の千春小学五年生で黒髪をロングにしている楚々とした顔立ちでやや面長の彼女は二つ上の兄満顔は自分そっくりだがずっと背が高く黒髪を右に分けている彼に言った。
「お兄ちゃんルーあまりかけないでね」
「たっぷりあるからいいだろ」
兄はすぐにこう返した。
「僕は部活でお腹減ってるんだよ」
「ラグビー部だからっていうのね」
「ラグビーはお腹減るんだ」
そうしたスポーツだというのだ。
「だからいいだろ」
「お兄ちゃんいつもカレー三杯食べるから」
妹はむっとして言い返した。
「それも山盛りで」
「だからそれだけ食べないともたないんだよ」
そうだというのだ。
「とてもな」
「それでも考えてね、私も食べるんだから」
「だからルーはか」
「考えて入れてね」
「そんなに言うなら冷凍パックのがあるだろ」
「お兄ちゃんがそっち食べたらいいでしょ」
「沢山食べるからか」
「そうよ」
カレーを食べる時はよくそうした話をした、それは常でだ。
千春は満にだ、ある日こんなことを言った。
「ラグビーってそんなに身体使うの」
「いつも走ってぶつかってだからな」
兄は妹に答えた。
「だからな」
「食べるのね」
「ああ、カレーだってそうだしな」
「他のものもなの」
「そうだよ、というか僕あまりルーかけてないだろ」
ご飯にというのだ。
「バランスよくな」
「かけてるっていうのね」
「むしろお前の方がな」
千春の方がというのだ。
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