火傷をしてもいい
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第二章
「人を助けて自分が死んだら元も子もないからな」
「人を助けてな」
そうしてというのだ。
「自分も助からないとな」
「そうだよな」
「自己犠牲はしてもな」
それでもというのだ。
「お前も親御さんいるしな」
「結婚はしていないけれどな」
「それでも家族がいるんだ」
だからだといいうのだ。
「死ぬなよ」
「絶対にな」
河原崎は確かな声で答えた、そうして現場で働いていたが。
ある日大火事の現場に行った、そこで火に襲われてだった。
「右手がか」
「ああ、この通りだ」
入院し見舞いに来た伊東に包帯に覆われた右手を見せて話した。
「火傷した」
「防火服着てもか」
「こうなった」
そうだというのだ。
「他は大丈夫だけれどな」
「命に別状はないな」
「ああ、しかしな」
それでもというのだ。
「この通りだ」
「そうなんだな、しかし全然臆した風はないな」
「だから火傷をするのもな」
「覚悟しているか」
「だからな」
そうであるからだというのだ。
「いいさ」
「そうなんだな」
「ああ、だから退院したらな」
そうすればというのだ。
「また現場で頑張るぜ」
「そうか、お前は勇者だな」
「勇者か?」
「人の為に怪我をして怪我をしてもまた行くっていうんだからな」
だからだというのだ。
「お前は勇者だ、だからな」
「それでか」
「応援するぜ、広報でな」
「そのことを伝えてくれるか」
「そうするな」
こう言ってだった。
彼は河原崎そして現場で働く彼等のことを広報で伝えた、すると河原崎は彼に言った。
「お前も勇者だよ」
「そうか?」
「俺達の為に汗をかいてくれているからな」
「そうなるか」
「ああ、誰かの為に働くなら」
それならというのだ。
「勇者だよ、だからお互いにな」
「俺達は勇者か」
「そうなるな、だからこれからもな」
「お互いに頑張るか」
「そうしていこうな」
二人で話した、そうして働いていった、お互いを認め合いつつ。
火傷をしてもいい 完
2025・9・15
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