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オズのエマおばさん

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第五幕その十

 梨も蜜柑も食べてグリーンティーを飲みました。そうして行ったティータイムもまたとてもいいものでした。
 ティータイムの後も街の中を散策してホテルに戻ります、ホテルに戻ると早速ディナーとなりましたが。
 炒めた茸と山菜にです、生ハムをとハムそれに鴨のテリーヌのオードブル、スパゲティボロネーゼに生の牛肉のカルパッチョにです。
 鹿肉のステーキというメニューでした、他には茹でられたジャガイモやパンもあります。パンには苺や葡萄のジャムが添えられています。
 そのメニューを口にしてです、おばさんは言いました。
「今夜もね」
「美味しいものばかりだよ」
 おじさんも言います。
「茸も山菜も美味しいわ」
「生ハムやテリーヌだってね」
「スパゲティもいいわね」
「カルパッチョも最高だよ」
「それにですよね」
 カルロスも言いました、食べながら。
「ステーキがまた」
「絶品ね」
「鹿のそれがね」
「物凄く美味しいです」
 そのステーキを食べつつ言うのでした。
「本当に」
「私の言った通りでしょ。このホテルのレストランも美味しいのよ」 
 ドロシーもステーキを食べています、そのうえでの言葉です。
「最高にね」
「あの、このステーキだけれど」
 おばさんはドロシーに言いました。
「ステーキにフォアグラとトリュフが添えられていて」
「そちらも美味しいでしょ」
「ええ」
 本当にというのです。
「最高よ」
「こうして豪勢にね」
「お料理をしてくれるのね」
「そうなの。だからね」
「今夜はなのね」
「ホテルのディナーにしたの」
「そういうことね」
 ドロシーの言葉を聞いて頷きました。
「ドロシーも考えてなのね」
「そうしてみたの」
「嬉しいわ」
 おばさんはドロシーの自分達への気遣い、この時も美味しいものを楽しんでもらおうというそれに笑顔で応えました。
「ここまでしてくれるなんて」
「そうだね、これは」
 おじさんも言います。
「ドロシーにお礼をしないとな」
「そうよね」
「今度うちに来てくれたら」
「これまで以上のおもてなしをしないとね」
 こうお話をするのでした。
「駄目ね」
「全くだね」
「ドロシーさんっていつもなんですよね」 
 カルロスも言ってきました。
「僕達にもです」
「こうしたことをしてくれるのね」
「楽しい場所に連れて行ってくれて」
 そうしてというのです。
「楽しいことを教えてくれて」
「美味しいものをなのね」
「食べさせてくれます」
 そうだというのです。
「いつも」
「そうしてくれるのね。カンザスにいた頃から」
 まさにその頃からというのです。
「本当にね」
「ドロシーさんはこうした人ですね」
「あの時は何もなかったのに」
 カンザスにいた時はというのです。 
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