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神々の塔

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第六十七話 竜殺しの英雄その十

「そう思いました」
「そやねんね」
「ドラゴンも恋愛をしますが」
 ホワイトドラゴンは自分達の話もした。
「ですが」
「それでもやね」
「あの、地獄にはです」
「ならへんね」
「三角関係もありますが」
 ドラゴンの恋愛にもというのだ。
「しかしです」
「地獄はやね」
「ないです、どんな地獄ですか」
「友達にあの娘が自分こと好きやって言われて」
 綾乃はその地獄について具体的に話した。
「それで告白したら」
「そうではなかったのですか」
「それでその友達が告白した娘の周りにあいつと付き合うなって言われて」
「ああ、縁を切ったのですね」
「そうしてん」
「振られて裏切られた」
「それで孤立して」
 そうなってというのだ。
「周りに散々言われて」
「失恋のことを」
「またその振られ方が酷くて」
 それでというのだ。
「そのことも言われて」
「ああ、それはです」
「地獄やね」
「はい、というかその友人がです」
 ホワイトドラゴンは顔を顰めさせて述べた。
「あまりにも」
「酷いと思う?」
「思います」 
 まさにという返事だった。
「告白しろと言ったのですね」
「そやで」
「それでそれを言った人と付き合うなとですね」
「女の子達に言われて」
「それで縁を切ったのですね」
「お前が決めたからお前が責任取れってその人に言って」
「そ奴は真の友達ではなかったですね」
 ホワイトドラゴンは言い切った。
「そして絶対にです」
「信用したらあかんね」
「自分の都合で人を裏切る輩はです」
「信用したらあかんね」
「何があっても」
「それでこの友達二人おったけど」
 綾乃はその輩共の話もした。
「学園の嫌われ者やねん」
「その行いを誰もが見て」
「信用出来んと確信して」
 それでというのだ。
「誰もがやねん」
「忌み嫌っていますか」
「そやねん」
「当然です、私がその輩の前に来れば」
 ホワイトドラゴンは怒った声で述べた、そこには純粋な薄汚く卑しい存在に対する怒りが出ていた。
「即座にです」
「殺す?」
「はい、この氷の息吹で」
 ホワイトドラゴンのそれでというのだ。
「成敗します」
「そうするんやね」
「そうしていいですね」
「そこまではせんでええで」
 綾乃はこう返した。 
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