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八条学園騒動記

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第七百四十九話 本物の馬鹿その十二

「当然戦争犯罪もだ」
「行ったわね」
「戦争の際のそれをな」
 そうしたというのだ。
「ナチスはな」
「だから問題だったわね」
「しかしだ」
「日本は戦争犯罪で」
「しかもかなり捏造だった」
 挙げられた罪状はだ。
「そんな出鱈目なものだった」
「そうだったのよねまの裁判は」
「しかしな」  
 そうした歴史に残る非常識な裁判だったがというのだ。
「被告人の人達はだ」
「誇りを以て死んだわね」
「刑死だったが」 
 そうであってもというのだ。
「堂々とだ」
「死んでいったわね」
「誇りがあるならな」
 そうであるならというのだ。
「人はだ」
「そうして死ぬわね」
「だが誇りがない」
 そうしたというのだ。
「本物の馬鹿はな」
「そうした人達を批判していても」
「自分自身はな」
「泣いて命乞いするわね」
「裁判の席でもな」
 その時もというのだ。
「自分だけは助かろうとな」
「必死になるわね」
「そうするに決まっている」
「見苦しいな」
 フランツはここまで聞いて顔を顰めさせた。
「死ぬなら死ぬでな」
「それでだな」
「人間何時かは絶対に死ぬんだ」
 こうギルバートに応えた。
「それならな」
「それを受け入れてか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「死ねばいい」
「死刑になってもか」
「悪いことをしてそれならそれでな」
 その場合もというのだ。
「受け入れて償いとしてな」
「死ぬべきか」
「そしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「共闘軍事裁判みたいな状況でな」
「無実で殺されてもか」
「自分に疚しいところがないならな」
「堂々とか」
「死ねばいいんだ」
 処刑を受け入れてというのだ。
「きっと後世で評価されるし生まれ変わってもな」
「いい人生か」
「そうなるだろうしな」
「悪いことをしていないならか」
「今その人達は何処にいるんだ」
 極東軍事裁判で亡くなった人達はというのだ。
「一体」
「靖国神社だ」
 タムタムが答えた。
「そちらに英霊として祀られている」
「戦犯の人達もか」
「戦ってだ」
 日本の為にというのだ。 
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