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八条学園騒動記

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第七百四十九話 本物の馬鹿その七

「権力に反対する連中それぞれの実態もだ」
「わかっていなくてか」
「挙句だ」
「人の命の重みや殺された人や遺族の悲しみや苦しみをわからないか」
「そしてわかろうともしない奴がだ」
「本物の馬鹿か」
「俺はこうした奴こそな」
 フランツにさらに話した。
「本物の馬鹿だとな」
「思っていてか」
「それこそ生きていてもだ」
「無駄か」
「そう言うしかない」
 まさにというのだ。
「最早な」
「本物の馬鹿はか」
「権力に反対してもだ」
 そうした考えの持ち主でもというのだ、尚連合ではこうした考えの持ち主は稀で中央政府重視か各国政府にそうかとなっている。
「それでもだ」
「権力に反対する連中がどうか、か」
「テロリストが権力に反対してだ」
 そうしていてというのだ。
「いいと思うか」
「ないな」
 フランツもそれはと答えた。
「問題はそいつらの考えや行動だ」
「無差別テロや内部粛清をするとな」
「問題だ」
「そう考えるのがまともだ」
「まともでないとか」
「権力に反対しているだけでだ」
 まさにそれだけでというのだ。
「その連中の考えも見ようとしないでな」
「いいと言うか」
「独裁国家を標榜していてもな」
 その権力に反対する者達がというのだ。
「いいとだ」
「言うか」
「そしてだ」
「その連中がテロや粛清でか」
「幾ら人を殺して犯罪を犯してもな」
「いいと言うんだな」
「無関係なのに殺された人がいてもな」 
 例えそうだとしてもというのだ。
「その人達の命や遺族の人達のことをだ」
「考えないか」
「考えるつもりもない」
「そういう奴が本物の馬鹿か」
「そもそも権力が嫌いならだ」
 タムタムはさらに言った。
「連合の国教から出てだ」
「外縁部で暮らせばいいか」
「最近は国境警備が厳しくなって出にくいそうだがな」
 連合の国教からというのだ、実際に今の連合は国境警備を各国軍だけでなく中央政府軍も行いかなり厳しいものになっていう。
「しかしな」
「連合を出てか」
「そこで暮らせばいい」
「外縁部か」
 ギルバートはそう聞いてこう返した。
「法律も何もないな」
「ならず者達が力で支配するな」
「無法地帯だな」
「文明もな」
 こちらのこともとだ、タムタムは話した。
「未熟でな」
「下手をすれば石器時代だな」
「そんな暮らしでな」
「力が正義だな」
「ふざけた連中が勝手に政治をしている」
「そんな世界だな」
「弱い人はな」
 外縁部ではというのだ。 
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