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告白の練習

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第二章

「水泳もでしょ」
「練習したらな」
「タイム縮められるでしょ」
「最初無理と思っていてもな」
「だからね」
「告白もか」
「無理と思ったら」
 それならというのだ。
「練習してみたら?」
「告白の練習か」
「そう、やってみたら?」
「それならな」
 修一は公佳の言葉を受けてだ、それまでの悩んでいる顔に幾分か明るいものを宿らせてそのうえで答えた。
「やってみるか」
「ええ、そうしなさい。何ならね」
 公佳は幼馴染みのよしみで修一に申し出た。
「私が練習相手になるわよ」
「練習は一人でも出来るんじゃ」
「告白って相手が必要でしょ」
 修一に笑って返した。
「そうでしょ」
「それはな」 
 確かにとだ、修一も頷いた。
「そうだよな」
「だったらね」
 それならというのだ。
「それに見ていいかどうか言う人もいると尚いいし」
「コーチか」
「そうした人もいるといいでしょ」
「そうだよな」
「それならね」
「相手してくれるか」
「練習のね。じゃあ早速やってみる?」
 修一に自分から言った。
「今から」
「それじゃあ」
 修一も頷いた、そしてだった。
 早速告白の練習をした、その日から二人でそれをはじめたが。
 公佳は修一にだ、真剣いにアドバイスをした。
「もっと落ち着いてね」
「告白すればいいんだ」
「声をどもらせずにね、あとね」
「あと?」
「ラブレターもね」
 これを書いて送ることもというのだ。
「考えてみたら?」
「告白でもか」
「そう、そっちも書いてみる?」
「それじゃあ」
「あと告白の場所もね」
 そちらのことも言うのだった。
「考えることよ」
「そっちもなんだ」
「そう、シチュエーションって大事だから」
 それでというのだ。
「そのこともね」
「考えることか」
「そう、あとね」 
 さらに話した。
「練習していったら慣れてね」
「本番でも出来るか」
「だからね」
 それでというのだ。
「今以上にね」
「練習することか」
「ええ、私もいつも付き合うから」
 公佳もこう言う、そしてだった。
 実際に修一の練習にいつも付き合った、そしてどうしたらいいこれは駄目と親密にアドバイスをした。
 そうして暫く二人で過ごしていたが。 
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