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オズのエマおばさん

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第三幕その九

「魔法みたいね」
「全くだな」
「科学と魔法は近いわね」
「どう違うかわからないな、わし等には」
「カンザスにいた時を思えばね」
「全くだよ」
「そう言われるとそうね」
 ドロシーはお二人の言葉に頷きました。
「科学もあまりにも進歩すると」
「魔法と変わらないね」
「ええ、オズの国は魔法もあるけれど」 
 それでもというのです。
「科学だけでも発達したら」
「私達がカンザスにいた時と比べたらね」
「確かに魔法ね」
「そう思えるわね」
「あの頃を振り返ったら。スマートフォンなんてね」
 ドロシーはこの道具のことを思って言いました。
「本当にね」
「魔法よね」
「もうそう言ってね」
 それこそというのです。
「いいわね」
「テレビですらそうだしね」
「ええ、カンザスにいた頃はラジオがやっと出て来て」
「映画もあったけれど」
「テレビなんてね」 
 とてもというのです。
「夢にも思わなかったわ」
「そうだったわね」
「それが今はね」
 それこそというのです。 
 普通にあるわ」
「そうなっているわね」
「つくづく文明の進歩は物凄いわ」
「魔法と言ってもいいわね」
「そこまで至るわね」
「そしてオズの国はそこに魔法もあるわね」
「今は錬金術や仙術や陰陽道もあるわ」
 そうしたものもあるというのです。
「そう考えたらね」
「凄いものね」
「ええ、本当にね」
 ドロシーはおばさんの言葉に頷きました、そうしてです。
 翌朝朝ご飯のオートミールと新鮮なお野菜のサラダとオムレツおばさんが作ってくれたそうしたものを食べてからでした。
 ドロシーが自分のスマートフォンから連絡を受けて皆に言いました。
「もうすぐヘリコプターが来るわ」
「カドリングの国からですね」
「ええ、そうよ」
 カルロスに笑顔で答えました。
「そしてそれに乗ってね」
「今からですね」
「街に向かうわ」
「ヘリコプターでのお空の旅ですね」
「そうよ、飛行機や飛行船でなくて」
「それで列車でもないですね」
「今回はヘリコプターでよ」
 オズの国のというのです。
「それでよ」
「出発ですね」
「そうなるわ」 
 満面の笑顔で言うのでした。
「これからね」
「どんな旅になるか」
「楽しみでしょ」
「はい」
 カルロスも満面の笑顔です、その笑顔で応えました。
「本当に」
「それじゃあね」
「今からですね」
「お外に出ましょう」
 こうお話してでした。 
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