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禁断の名前

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第六章

「昼動いてるだろ」
「夜動くのが多いけれどな」
「濡れ女昼行動してなかったか?」
 新潟県に出たという妖怪だ、下半身は蛇の女で全長は何と三百メートルもあり川の中にいて人を襲うという。
「ろくろ首だってな」
「首飛ぶのが吸血鬼だけれどな」
「昼動けたよな」
「基本襲うの夜でもな」
「昼だからって安心出来ないんだよ」
 吸血鬼はというのだ。
「実はな」
「そうだよな」
「これがな」
「あと欧州はキリスト教だけれどな」 
 今度は宗教の話もした。
「それ以外の宗教でもいるよな」
「吸血鬼はな」
「そうだよな」
「日本にも中国にもいるしな」
「アフリカにだってな」
「私他の宗教の吸血鬼知らなかったんだよ」
 そうだったというのだ。
「こっちに来るまでな」
「まあそれは仕方ないよな」
「他の国のこと知らなくてもな」
「それで知ってさ」
 そうなってというのだ。
「吸血鬼が世界中にいるって知ったよ」
「日本にもいてな」
「それでだよな」
「そう思うとな」
「お互い色々勉強になるな」
 友人達も話した。
「留学して迎えるとな」
「こうしたことでもな」
「そうだね」
 チヨもそのことには同意して頷いた。
「それは確かだね」
「何かとな」
「勉強になるな」
「全くだよ、それで今日二人は昼何食うんだい?」
「ああ、昼か」
「昼飯か」
「寮生はお弁当出て」
 そうしてというのだ。
「それで食うけれどね、お金に余裕あればそこにパン買ったり食堂も行くけれど」
「俺は食堂だな」
「俺もだよ」
 友人達はこう返した。
「鯖味噌定食にするか?」
「俺は海老フライ定食かな」
「定食は日本だね、しかしどっちも海の幸で」
 定食もというのだ。
「如何にも日本だね」
「言われてみればそうだな」
「本当に日本だな」
「そうだね、ハンガリーじゃ海の幸はあまり縁がないけれどね」
「内陸の国だからか」
「それでか」
「こっちに来て食べて好きになったよ、今日のお弁当に塩ジャケ入ってるし」 
 友人達に明るく笑って話した。
「美味しく食うよ」
「ああ、そうしてくれよ」
「塩ジャケ美味だろ」
「かなりね」
 笑顔で言ってだ、そのうえでだった。
 チヨは友人達と吸血鬼から昼食の話に移った、海の幸がおかずのそれの話はかなり弾んだ楽しいものになった。


禁断の名前   完


               2024・4・28 
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