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金木犀の許嫁

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第十二話 驕る平家は久しからずその十四

「テニスやってるしね」
「それで家事もですね」
「だからね」
 それでというのだ。
「これからもね」
「汗をかいていってストレスを解消して」
「健康にもなってね」 
 そのうえでというのだ。
「やっていくわ」
「そうしていきますね」
「ええ、それとね」
 ここでだ、真昼は。
 ご飯を食べ終えた、すると満面の笑顔でビールを出して言った。
「お酒よね」
「今日はビール?」
「柿ピーあるでしょ」
 隣の席の夜空に応えた。
「そうでしょ」
「ええ」
 夜空はその通りと答えた。
「あるわ」
「だからそれでね」
「ビールを飲むのね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「楽しませてもらうわ」
「それじゃあね」
「夜空ちゃんも飲むでしょ」
「後でね」
 夜空は迷うことなく答えた。
「そうさせてもらうわ」
「お酒も欠かせないわよね」
「お酒がないと」
 さもないと、というのだ。
「やっぱりね」
「お酒もないとね」
「何かが足りないわよね」
「一週間に一回はね」
「飲まないとね」 
 そうしないと、というのだ。
「もの足りないわよね」
「そうよね」
「だからね」
「お姉ちゃん今晩飲むのね」
「ビールをね」
「わかったわ、それじゃあね」
「夜空ちゃんは何飲むの?」
 妹に缶を開けつつ尋ねた。
「それで」
「ううん、梅酒にするわ」
「そっちにするのね」
「今日はビールの気分じゃないから」 
 だからだというのだ。
「それでね」
「それじゃあね」
「ええ、お姉ちゃんはビールでね」
「私は梅酒でね」
「乾杯してね」
「飲みましょう」
 姉妹で笑顔で話した、そしてだった。
 佐京もだ、こう言った。
「俺は日本酒を」
「私は林檎酒にします」
「そちらを飲みます」
「そうします」
「わかったわ。じゃあ皆で乾杯してね」
 それぞれの酒でとだ、夜空は佐京達にも笑顔で応えた。
「そうしてね」
「一緒に飲みましょう」
「お酒も楽しみましょう」
「そうしましょう」
 笑顔で話した、そうしてだった。
 四人で乾杯もして酒も楽しんだ、四人で暮らす日々はまだはじまって日が浅いがそれでも和気藹々としたものになっていた。


第十二話   完


                     2024・2・1 
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