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神々の塔

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第六十四話 終わらないものはないその十一

「あの人女好きでもあるさかい」
「美少年もで」
「そうなるのもな」
「おわかりですね」 
「有り得るわ」
「それで実際にです」 
 ヘラクレスはというのだ。
「病気にはなられずとも」
「それでもやな」
「虫にはです」
 即ち寄生虫にはというのだ。
「苦しめられることもあります」
「そやねんな」
「左様です」
「そこも気をつけんとな」
「神霊であられても」
 それでもというのだ。
「やはり」
「そうなるな」
「その時は全身の毛、髪の毛とお髭以外をです」
「剃ったか」
「そうされました」
 そうだったというのだ。
「大変でした」
「そこまでするんやな」
「それがケジラミです、ただ」
 料理人はこうも話した。
「性病にはです」
「なってへんか」
「はい、これまでは」
「それは何よりやな」
「神霊は病にはならないので」
 それでというのだ。
「そのことはです」
「安心してはるんやな」
「左様です」
「性病な、こっちの世界でもあるからな」
 リーは苦い顔で述べた、そうしながら熊肉を食べる。焼肉のそれをフォークを使ってそのうえで食べている。
「梅毒とかな」
「厄介ですね」
「ああ、感染したらな」
 その時はというのだ。
「薬、ペニシリンな」
「それを用いないとですね」
「水銀とかマラリアの熱使うとかな」
 そうしたというのだ。
「結構な荒療治になるわ」
「医術では」
「魔術や錬金術を応用してもな」 
 そうであってもというのだ。
「これがな」
「荒療治になり」
「危険や」
「厄介な病ですね」
「それに感染せえへんのはな」 
 神霊達のこの特質はというのだ。
「かなりええな」
「そう言われますね」
「心からな」
 まさにというのだ。
「深刻なことやしな」
「人にとってはそうですね」
「貴方もわかるな」
「はい」
 まさにとだ、料理人も答えた。
「親戚が淋病になったことがあります」
「あの病か」
「それに罹って地獄の苦しみを味わったので」
 その状況を見てというのだ。
「気を付けています」
「そうしてるな」
「はい、そうしています」
 実際にとだ、こう答えてだった。
 料理人は一行がメインを食べ終えるとデザートをだした、その林檎や葡萄を食べて一行はそちらも楽しみ体力や気力を回復させその後で眠りに入ったのだった。


第六十四話   完


                   2024・3・1 
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