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ドリトル先生と不思議な自衛官

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第十幕その七

「若し西南戦争の時に日本にいたら」
「西郷さんと一緒に戦いたい」
「そう思ったんだよね」
「西郷さんの死に泣いて」
「そのうえで」
「西郷さんは教養があって頭のいいだけじゃなかったからね」
 この人のお話もするのでした。
「器が大きくて度量が凄くてね」
「それでだよね」
「凄い人だったんだよね」
「あの人は」
「本当にね」
「そうであってね」
 そうしてというのです。
「東郷さんも薩摩藩の誰もがね」
「西郷さんを尊敬して慕っていて」
「皆西郷さんの為にって思っていたね」
「そうだったね」
「そうだよ、大久保さんなんてね」
 最後は西郷さんと敵対したこの人もというのです。
「西郷さんの幼馴染みでもあったし」
「西郷さんを一番理解していて」
「西郷さんを何度も救って」
「この京都ではいつも西郷さんの傍にいて」
「軍師役だったね」
「そうだったんだ、そして西郷さんが死んでも」
 西南戦争の最後にです。
「一番嘆き悲しんで大久保さんが死ぬまでね」
「西郷さんのことを想っていたんだったね」
「西郷さんは最後首を差し出して亡くなって」
「大久保さんは暗殺されて」
「それでお二人は世を去ったけれど」
「大久保さんは西郷さんをずっと想っていたんだ」
 最後は戦ったこの人をというのです。
「そんな間柄でね、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと」
「東郷さんと共に知られる海軍の山本権兵衛さんだけれど」
 今度はこの人のことをお話するのでした。
「この人が西郷さんに出来たお仕事を持って行ったら」
「西郷さんだと褒めてくれるね」
「それも凄く」
「そうしてくれるわね」
「そうなんだ、実際にそうしてくれたけれど」
 西郷さんに出来たお仕事を持って行くとです。
「大久保さんはにこりともしないで」
「細かいところまで注意して」
「かえってお仕事増えそうね」
「同じお仕事を持って行っても」
「そうなんだ、もう見事に正反対で」
 そうであってというのです。
「山本さんもこのことに驚いたらしいよ」
「そうだよね」
「そうなるよね」
「同じお仕事持って行ってだから」
「出来たそれを」
「お二人の違いが出ているね」 
 先生は笑顔でお話しました。
「そうだね」
「全くだね」
「西郷さんは器が大きくてね」
「大久保さんは細かい」
「本当に対象的だよ」
「そしてこの山本さんがいてくれて」
 山本権兵衛さん、この人がというのです。
「海軍は見事な組織になったんだ」
「東郷さんだけじゃね」
「とても戦えないしね」
「強い軍人さんと軍艦があって」
「組織もしっかりしていないとね」
「勝てなかったね」
「そうだよ、東郷さんも凄かったけれど」
 それと共にというのです。 
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