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王子な娘

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第二章

「うん、確かにね」
「高橋さん少女趣味ね」
「外見や振る舞いや口調は王子様でも」
「完全な乙女ね」
「自分でもギャップだと思っているが」
 それでもというのだ。
「好きなものは好きでだ」
「それでなのね」
「こうしたお部屋でお菓子も作る」
「そうするのね」
「そうだ、だが服はな」
 命は自分が着ている。
「この通りだ」
「白のセーターに薄茶色のズボンね」
「シンプルね」
「その恰好ね」
「動きやすい服が好きだからだ」
 それでというのだ。
「いつもこうした服だ」
「学校でもシンプルよね」
「制服の着こなしも」
「そうよね」
「そちらはそうだ、下着もな」
 こちらの話もしたのだった。
「体育の時の着替えで見ていると思うが」
「いつも白やピンクね」
「シンプルな感じの」
「フリルとかのない」
「そうしたのばかりね」
「やはり動きやすいものが好きでな」 
 それでというのだ。
「下着もそうだ」
「けれどお料理とかお部屋はなのね」
「こうなのね」
「乙女なのね」
「そうなった、そしてこれが一番落ち着く」
 命は微笑んで話した。
「ピンクも好きだ」
「色はそうね」
「ううん、凄いギャップだけれど」
「それも可愛いわね」
 友人達は実際に命のそうしたところを可愛く思った、命が別に隠していないことにも好感を持った。そうして彼女と楽しい時間を過ごした。
 この時から命は王子だが同時に乙女であるとそちらでも学校の女の子達に知られ人気がさらに出た。そうして。
 その彼女に思い切って告白して受け入れてもらえた摂津成太い眉を卵型の顔にきりっとした目に黒いショートヘアの背の高いすらりとした外見で剣道部に所属している彼は命と付き合いだして暫くして彼女に言った。
「命ちゃんって言ってもな」
「別にいい」
 これが命の返事だった。
「どういった仇名でもな」
「そうだよな」
「私はな」
「その堂々としているところがな」
 命とデートをしつつ言うのだった。
「王子様だな、凛としていて」
「言われている通りにか」
「ああ、けれどな」
 それでもとだ、茂は命にさらに言った。
「これから映画観に行くけれどな」
「前から観たかった映画だ」
「シルバニアの映画か」
「素敵だな、あの作品世界が」
 命はきりっとした笑顔で茂に返した。
「そうだな」
「ファンシーでか」
「そうだ、あの世界が素敵だ」
「乙女な世界か」
「プリキュアもいい、魔法少女にもな」
「憧れるんだな」
「そうだ、そしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「このお店を出たらな」
「映画館行くか」
「そうしよう」
「このお店もな」 
 茂は今自分達が一緒にいる店の話もした、見れば内装は極めて少女趣味でやはりファンシーなもので紅茶やケーキが有名な店だ。 
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