大阪のしゃんしゃん火

　　　　　　　　　　　　　　　大阪のしゃんしゃん火
　岩崎茉由は黒髪を腰までのロングヘアにしていて前髪を濃い眉毛が隠れる位にまで伸ばしている、贈二重の切れ長の大きな目で背は一六〇位で胸は九十は優にあり色白で唇は赤で優し気な微笑んでいる感じで面長である。ピンクのブラウスで吊り革バンドで止めたダークブラウンのロングスカートという服装である。大阪市在住で八条書店梅田店で勤務している。
　その彼女がバイトの高校生松岡志朗、黒く癖のある髪で細長い眉に切れ長の黒い目と小さい頭を持つ一七〇位の背で痩せた彼に言ってきた。
「松岡君のお家桃谷の方よね」
「はい、そうです」
　松岡は茉由にその通りだと答えた。
「そっちに家あります」
「じゃああっちの方詳しいわね」　
　茉由はこのことを確認した。
「そうよね」
「子供の頃から住んでるんでそれなりに」
「それで学校も地元よね」
「公立の」
「いや、私大阪で働いてるけれど」
　茉由は松岡にそれでもと話した。
「生まれは福井でね」
「学校ずっと神戸でしたね」
「そう、八条学園で」
「大学までそうですね」
「それで大阪のお店に入って」
　就職してというのだ。
「今二年目だけれど」
「桃谷の方にはですか」
「行ったことないの、住んでるところは福島だし」
「同じ大阪市でも離れてますね」
「ええ、それで出るって聞いたのよ」
「桃谷の方に」
「真夜中にあそこのお寺で」
「ああ、何かそんなお話ありますね」
　松岡も否定せずに応えた。
「近所のお寺で」
「松岡君のお家の近くなの」
「はい、そのお寺の境内に入って」
「真夜中に」
「夜の十二時ですね」　
　この時間にというのだ。
「それで何か言ったら」
「出て来るのよね」
「そう言われています」
「だったら今日ね、明日松岡君学校お休みでしょ」
「土曜ですからね、明日」
　松岡はそれでと答えた。
「そうですね」
「だったら今日お仕事終わったら」
　そうしたらというのだ。
「もうね」
「それで、ですか」
「夜の十二時にね」
「そのお寺にですか」
「行って」
　そうしてというのだ。
「何が出るか確かめたいから」
「あっ、僕にですか」
「案内役頼めるかしら。お礼はするし」
「お礼ありですか」
「交際してくれはなしよ、私彼氏いるし」
「僕も彼女いますから、商業科に入りますと」
　そうすればというのだ。
「もう男子は相当やばい奴でないと」
「彼女さん出来るわね」
「というか女の子同士で奪い合いになって」
　そうしてというのだ。
「物凄い勢いで」
「彼女さん出来るのね」
「付き合ってじゃなくて付き合いなさいで」
　そうした感じでというのだ。