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ドリトル先生と不思議な自衛官

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第八幕その一

               第八幕 学んで気付いたこと
 先生はコラムを書かせてもらってからも自衛隊特に海上自衛隊について学んでいますがその中で、です。
 学園の図書館で読んで読んでいてそうして今も一緒にいる動物の皆に言いました。
「皆にカレーや肉ジャガのお話をした」
「うん、聞かせてもらったよ」
「コーヒーのこともね」
「色々と学問になったよ」
「そちらのことも」
「そうだね、脚気のこともお話したね」
 この病気のこともというのです。
「このことはとてもね」
「大事だよね」
「海軍の歴史を語るにあたって」
「とてもね」
「それで白いご飯からね」
 主食はというのです。
「麦ご飯になったからね」
「そうだよね」
「脚気はビタミンB1不足からなる」
「そうした病気でね」
「どうして西洋では脚気がないか」
「そして士官の人達に脚気がいないか」
「そのことを考えていってね」
 そうしてというのです。
「それでだよ」
「パンを食べていると脚気にならない」
「それでパンは麦だから」
「麦ご飯を食べよう」
「そうなって解決したね」
「江戸時代から脚気はあってね」 
 この病気はというのです。
「江戸や大坂でなったから」
「江戸腫れとか大坂腫れとかね」
「そう言われてたんだよね」
「田舎ではならなくて」
「田舎に戻れば治るから」
「原因はずっとわからなかったけれど」
 江戸時代も明治時代もというのです。
「それでだよ」
「問題を解決したね」
「やがて原因がわかって」
「そして日本人は脚気を克服したね」
「そうなのよね」
「このことも大きいよ、それとね」
 先生はさらにお話します。
「卵だけれど」
「卵?」
「卵がどうしたの?」
「その辺りに幾らでも売ってるけれど」
「僕達もよく食べてるけれど」
「昔は卵は高価だったね」 
 先生が今言うのはこのことでした。
「そうだったね」
「ああ、そうだったね」
「昔はね」
「二次大戦まではね」
「高価でね」
「そうそう食べられなかったね」
「卵焼きや目玉焼きもそうで」 
 高価なものでというのです。
「鹿屋で特攻隊の人達に卵丼を出したけれど」
「あのお婆さんがね」
「散華する人達の最後のお食事にって」
「そう思って出したんだったね」
「卵丼を」
「それは高価なものでもあったからだね」 
 その理由があったというのです。
「せめて最後の最後にはね」
「ご馳走を食べて」
「そして散華して欲しい」
「最後の思い出に」
「その優しさだったんだね、そしてね」
 さらに言う先生でした。 
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