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小者のウェイター

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第三章

 とぼとぼと消え去った、オーナーはその後姿を怒った顔で見送ったがその後で小林達に顔を向けて話した。
「不愉快な思いをさせて申し訳ありません」
「貴方がしたことではないので」
 小林は温和な笑顔で応えた。
「ですから」
「そう言ってくれますか」
「はい、それでなのですが」
「これよりですね」
「席に案内してくれるとのことですが」
「はい」
 オーナー\は確かな顔と声で応えた。
「それでは」
「これからですね」
「案内させて頂きます」
「お願いします」
 こうしてだった。
 小林と彼の部下達はレストランの見事な食事を楽しむことが出来た、そして後日彼のところに謝罪の品がレストランから来てだった。
「あの店員は懲戒免職になって」
「オーナーさんが言った通りに」
「そうなってですか」
「クビになって」
「そうしてですか」
「何処にも行くところがなくて」 
 そうなってというのだ。
「ギャンブルと風俗とお酒が好きだそうだし」
「ああ、それならですね」
「お金すぐになくなりますね」
「その三つが好きだと」
「それこそ」
「元々借金もあって」
 それでというのだ。
「これからは大変だよ」
「そうですか、ですがあんな奴なら」
「自業自得ですね」
「ざま見ろとしか思えないですね」
「本当に」
「そうだね、それでまた」
 小林は部下達にあらためて言った。
「機会があったら」
「はい、あのお店にですね」
「行ってですね」
「楽しみますね」
「そうしよう、パーティーも開けるから」
 そうしたホテルだからだというのだ。
「それで社員皆でね」
「忘年会か新年会をしますか」
「そうしますか」
「そうしよう」
 笑顔で言った、そしてだった。
 小林は実際に会社の忘年会はそのレストランで行った、今度は確かな人が接客してくれて料理も酒も美味しく実にいいものだった。


小者のウェイター   完


                     2024・3・23 
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