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金木犀の許嫁

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第八話 同居をはじめてその十四

「楽しんで観て」
「学べばいいのね」
「こうしたものからも学べるから」
 こう妹に言うのだった。
「大切なものをね」
「そうなのね」
「下手に思想書読まなくても生きられるのよ、けれど逆にね」
「特撮とか観ないと」
「漫画やライトノベル読んでね」
 そうしないと、というのだ。
「駄目よ」
「それならです」
 白華は既に食べ終えている、それは四人共でクッキーを出して甘い赤ワインを出して言うのだった。
「ジャンプやサンデー読んでいいですか」
「いいわよ」
 真昼は笑顔で答えた。
「勿論ね」
「なかよしやちゃおやりぼんもですか」
「マーガレットもね」
「そうですか」
「ええ、どんどん読めばね」
 そうした漫画をというのだ。
「少年漫画も少女漫画もね」
「そうですか」
「勿論花とゆめもよ」
「マガジンもチャンピオンもですか」
「読めばいいのよ」
「俺最近ネットの漫画サイトよく読んでますけれど」
 佐京はこちらだと言った。
「そういうのもですか」
「読めばいいのよ」
「小説投稿サイトも」
「ええ」
「よく無敵主人公がどうちか言われますけれど」
「正直無敵主人公も書くにはね」
 そうするにはというのだ。
「ある程度のものが必要なのよ」
「誰でも書けるものじゃないですか」
「大谷翔平さんみたいな活躍しても」
 主人公がというのだ。
「異世界でね、それには大谷翔平さんを知らないと書けないわね」
「大谷翔平さんを」
「それで異世界とかファンタジーとかの知識やストーリーの在り方もね」
「知らないと書けないんですね」
「そう、全く何もないと」
 そうであるならというのだ。
「書けないのよ」
「異世界に転生した無敵主人公も」
「全くね」
「そうですか」
「それこそリアルの生活も創作もまともに触れてこなくて」
 そうであってというのだ。
「全く何も持ってない人にはね」
「そうした作品も書けないですか」
「そうよ」
 全くというのだ。
「そうなのよ」
「そうしたものを書くにも能力が必要ですか」
「ある程度のね」
「そう思うと小説投稿サイトも馬鹿に出来ないですね」
「それこそ吉本隆明になるのよ」
「その人何もないんですね」
「私が思うにはね」 
 戦後最大の思想家と呼ばれていてもというのだ、少なくとも真昼はこの人物から感じ取ったものはいいものは一切なかった。
「そうよ」
「そうですか」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「そんな人の本よりも小説投稿サイトの作品をね」
「読むことですか」
「そうよ」
 まさにというのだ。 
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