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金木犀の許嫁

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第六話 同居のはじまりその二

「私あの学校のラグビー部のユニフォームもです」
「好きなのね」
「あの部も」
「学校は違っても」
「それでも好きです」
「そうなのね」
「それでオールブラックスも好きで」
 ニュージーランドのこのチームもというのだ。
「父さんと母さんは今から」
「そのオールブラックスの国に行くのね」
「そうです、ムカシトカゲもいる」
「そうそう、それがね」
 真昼はここでもムカシトカゲの話をした。
「私としてはね」
「何と言ってもですか」
「大事よ」
「そうですか」
「あと私羊のお肉も果物のキーウィも好きだから」
「あっ、それは何よりです」
 白華は真昼の居間の言葉に笑顔で応えた。
「私洋食は駄目ですが」
「それでもなの」
「どっちも安くて栄養があるので」
 だからだというのだ。
「うちは結構です」
「食べるの」
「ジンギスカン鍋にして」
 羊の肉をというのだ。
「それでデザートで」
「キーウィも食べるのね」
「そうしていまして母さんが」
 今旅立つ彼女がというのだ、夫と共に。
「洋食で、です」
「作ってくれたのね」
「そうでした」 
 羊肉を使った料理もというのだ。
「和食ではないですが」
「羊を使ったお料理はね」
「日本にいたのか」
 羊がというのだ。
「明治維新まで」
「干支にはあったけれどね」
「ちょっと聞かないですね」
「牛や馬を農業で使って」
 畑を耕すこと等にだ。
「犬は番犬で」
「猫は鼠取りで」
「それで豚は」
 真昼はこの生きものについても話した。
「薩摩でね」
「食べていましたね」
「そうなのよね」
「私達は知ってますね」
「ご先祖様が薩摩まで逃れたからね」
「大坂の陣の後で」
 このことも話した。
「それで、でしたね」
「そうだったわね」
「はい、ですが」 
 それでもとだ、白華は真昼に話した。
「羊になりますと」
「日本にいたかどうか」
「江戸時代までは」
「いないわよね」
「そうですよね」
「だから和食にもないわね」
「お肉は食べてました」
 これ自体はというのだ。
「私牛肉の味噌漬け好きですが」
「あれを焼いて食べるのよね」
「はい、網焼きとかにして」
「あれがまた美味しいのよね」
「それで徳川慶喜公は」
 徳川幕府最後の将軍である彼はというのだ。 
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