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金木犀の許嫁

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第二話 相手から来たその一

                第二話  相手から来た
 夜空は真昼に言われ自分とお見合いする本家の彼と一度お見合い前に話してどんな人か知ろうかと考えだした。
 だが真昼朝部活の朝練が終わったばかりの彼女のところにだ。
 昼休み自分のお弁当を出した彼女にクラスメイトの一人が声をかけてきた。
「夜空ちゃんちょっといい?」
「どうしたの?」
「お客さんよ」
 こう言うのだった。
「夜空ちゃんにね」
「私になの」
「そう、いい?」
「ええ、まだ食べてないし」
 夜空はこう答えた。
「食べる前にね」
「ちょっとお話するのね」
「ええ、それでお客さん何処にいるの?」
 夜空はそのクラスメイトに尋ねた。
「それで」
「教室の前のドアよ」
 クラスメイトはすぐに答えた。
「そこにね」
「お客さんいるのね」
「小さくて可愛い娘よ」
 クラスメイトはこうも言った。
「随分ね」
「女の子なの」
「そう、一年のね」
「一年生ね」
「そうよ」
 こう言うのだった。
「それでクラスの前のドアの前にいるから」
「わかったわ、それじゃあね」
「今から会うわね」
「そうするわ」 
 夜空はクラスメイトに答えてだった。
 そのうえでクラスの前のドアのところに来た、すると白と群青色のセーラー服に膝までのスカートに赤いスカーフの少女がいた。背は一四五センチ位でやや癖のある黒髪を見ず隠しているが後ろの部分を伸ばし束ねている。大きなはっきりとした大きな目で童顔である。ピンクの唇と細く長い眉ははっきりした色だ。
 その彼女がだ、夜空を見て言ってきた。
「西宮夜空さんですね」
「ええ、そうよ」
 夜空はその少女に答えた。
「私がそうだけれど」
「はじめまして」 
 少女はここでぺこりと頭を下げて挨拶をした、夜空もそれを受けて頭を下げた。それでお互い顔を上げてだった。少女は名乗った。
「猿飛白華です」
「猿飛っていうと」
「はい、今度お見合いする」
「ご本家の人ね」
「妹です、それでなのですが」
 白華はさらに言った。
「ちょっとお話したいですが」
「私となの」
「もうご飯食べましたか?」
「これからだけれど」
「私もです」
 こう夜空に答えた、そうしつつ彼女のスカーフのない青いセーラー服の上着とやはり青い丈の短いプリーツスカートの制服とそこからもわかる夜空の見事なスタイルを見つつ言った。
「これからです。なら何処かで一緒に」
「食べるの」
「そうしながらです」
 あらためて言うのだった。
「一緒にです」
「食べるのね」
「そうしながらです」
「お話するのね」
「そうしたいですがいいですか?」
 夜空の顔を見上げて言って来た。
「これから」
「ええ、それじゃあ」
 夜空もそれならと応えた。 
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