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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

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第127話 イッセー&リアスタッグ結成!挑め、初代グレモリールネアスへの挑戦!

 
前書き
 ルネアスと初代バアルの関係が原作よりちょっと殺伐していますがオリジナル設定なのでお願いします。 

 
side:イッセー


 リアスさんと俺はひょんなことから初代グレモリーことルネアスと勝負をすることになった。始まりのグレモリー……相手にとって不足なし、全力で挑むぜ!


 そして俺達は禁断の森の中で開けた場所に来ている。既にルネアスさんとは対峙していていつでも戦闘を開始できる状況だ。


「初代様とリアス達が戦う事になるとは……流石に加減はしてくれると思うが心配だ」
「しっかりしなさい、ジオティクス。あの子が心配なのは分かるけどもう子供じゃないのよ」
「そうよ、貴方。リアスはもう一人立ちしたの。私達が出来るのはあの子を信じて見守ることだけよ」
「母上、ヴェネラナ……そうだな。父としてしっかりと見ておかないといけないな」


 心配そうに顔を青くするジオティクスさん、そんな彼にキシスさんとヴェネラナさんがしっかりしろと言ってジオティクスさんは頬を叩いて真剣な眼差しを向ける。


「しかし僕は初代様が戦っているお姿を一度も見た事がない、一体どんな戦い方をするのか楽しみだ」
「すっかりバトルマニアですね、サーゼクス様」
「ふふっ、一龍氏とのバトルは癖になるほど面白いからね。既に5戦して5敗してる、僕ももっと学びいつか彼に勝ちたいんだ」
(サーゼクス……とてもイキイキとしているわね、こんなにも楽しそうな彼を見たのは初めてだわ。最初はどうなるかと思ったけど結果的にG×Gの事を知れてよかったと思うわ)


 興味深そうにしているサーゼクスさんを見てグレイフィアさんが苦笑していた。


 サーゼクスさんは仕事が終わって時間が出来ると親父に勝負を申し込んでいるらしいんだ、親父も忙しいので頻繁には付き合えないが既に5戦はしているらしい。


 超えたい存在を見つけたサーゼクスさんは実に楽しそうだ、その気持ちは俺もよくわかる。


(それはそれとしてサーゼクスが可愛すぎるから私の女としての本能が刺激されてしまったわ。今夜あたり誘ってみようかしら?そろそろミリキャスに弟か妹を作ってあげたいから♡)


 ただ一瞬捕食者のような目でサーゼクスさんを見て舌をペロッとさせて唇を舐めたグレイフィアさんを見て俺は何故か震えてしまった。


「まさか初代様と戦う事になるなんて夢にも思っていなかったわ、そもそもご存命であったことすら知ったばかりなのに……」
「ははっ、夢みたいな出来事はさんざん体験してきたでしょう?これからももっと驚くような出来事が待っているんですからこんな事じゃもう驚いていられませんよ」
「それもそうね。これからも旅を続けていくにはサイヤの力は絶対に必要だし絶対に初代様に認めてもらうんだから!」


 隣に立つリアスさんはそういってサイヤの力の一つ『スーパーサイヤ人』の状態になった。俺も赤龍帝の鎧を身に纏う。


 間違いなく俺以上の実力者だからな、使える手を使わないのはアホだけだ。


「イッセー、タッグを組むなんて初めてだから折角だし何かコンビ名でも決めない?」
「コンビ名ですか?そうですね……二人とも赤いし『レッド・ブラザーズ』とかどうですか?」
「嫌よ、そんな男臭いのなんて……でも赤は確かに共通してるのよね」


 リアスさんにコンビの名前を決めないかと言われて俺は一つ提案してみたが却下された。祐斗とかなら同意してくれそうなんだけどなぁ。


「赤……イッセーも私もリーダータイプ……上を目指す……閃いたわ!私達のコンビ名は『紅の王者の軌跡(クリムゾン・ライン)』よ!!」
「ははっ、上を目指そうとする俺達には良い名前じゃないですか!」
「でしょう?我ながら良い名前が浮かんだわ!」


 リアスさんの言ったクリムゾン・ラインという名を俺も気に入ったので採用した。流石リアスさん、センスあるな。


「というわけで初代様、私達クリムゾン・ラインが貴方に挑戦します!」
「あはは!元気いっぱいでやる気満々だねぇ。こっちも久しぶりに戦うしやりがいがあるよ」


 リアスさんはそう言って気合を入れるとルネアスさんはその愛らしい顔立ちには似合わない獰猛な笑みを浮かべた。


「私も使わせてもらうよ、スーパ―サイヤ人……いや『SD(サイヤデビル)モード』!!」


 ルネアスさんは自身の髪を金髪に変えて俺達に構えた。


「SDモード?」
「そうだよ、悪魔とサイヤ人のかけ合わせって意味さ」


 初めての単語に俺は首を傾げたがルネアスさんが説明してくれた。G×GやD×Dのようなものか。


「さあ行くよ、二人とも!あんまり早く壊れないでね?じゃないと拍子抜けしちゃうから」
「ええ、初代様をがっかりさせないように全力を尽くします!」
「行くぜ!」


 ルネアスさんの言葉と同時に俺とリアスさんは駆けだした。


「疾風紅蓮撃!!」
「ナイフ!フォーク!!」


 リアスさんは籠手を付けた両手で怒涛のラッシュを放つ、俺はその際に出来た隙を埋めるようにナイフとフォークで連撃を重ねていく。


「良いコンビネーションだね、相当な鍛錬を積まなきゃここまで息は合わない。言うだけの事はある」


 ルネアスさんはそれを両手でさばいていく、その動きの一つ一つに無駄がなくまさに洗練された動きだった。


「でも遅いよ」


 俺とリアスさんそれぞれの腕を掴んだルネアスさんは勢いよく俺達を地面に叩きつけた。


「がはっ!?」
「ぐうっ!?」


 衝撃に耐えながらリアスさんは滅びの魔力で、俺はレッグナイフで反撃をした。ルネサスさんはその攻撃を後方にバク中しながら回避する。


「はぁっ!」
「おっとっと」


 俺は地面を殴って亀裂を入れる、その衝撃で地面に着地したルネアスさんは態勢を崩した。


「魔功砲!」


 両手を合わせたリアスさんが巨大な魔力弾を放つ。それがルネアスさんに直撃して辺りを砂煙が覆い隠した。


「ぬおぉぉぉっ……!」


 俺は地面に手を刺して埋まっていた岩石を持ち上げた、そして取り上げた岩石をルネアスさんの匂いのする方に投げつける。


「けほっ、服が汚れちゃったな~」


 砂煙を切り裂いてルネアスさんが突っ込んできた。蹴りで投げつけた岩石を粉々にして向かってくるが……


「おや?」


 ルネアスさんがの周辺に赤い魔力がいくつも浮かんでいた。


「魔空包囲弾!」


 そしてリアスさんの掛け声と一緒に一斉に魔力弾がルネアスさんに襲い掛かった。


「15×2!30連ブーステッド・釘パンチ!」


 そしてそれに混ざるように俺もルネアスさんに攻撃を仕掛ける。


「伸びろ、如意棒」


 だがルネアスさんは何か棒のような物を伸ばすと魔力弾を全て叩き落してしまった。更に俺のブーステッド・釘パンチが当たる前に手首を掴んで止めてしまう。


「なっ……!?」
「あはは、凄い威力だね。まともに当たったら大怪我しちゃいそう」


 そして手のひらから魔力弾を放ち俺を吹っ飛ばした。


「イッセー!」


 吹き飛ばされた俺をリアスさんがキャッチする。だが……


「よそ見は禁物だよ、攻撃はもう始まってるんだから」


 ルネアスさんが指を鳴らすと俺達の周辺が爆発した。煙が晴れると衣服をボロボロにしながらもフォ―クシールドで防御している俺達が現れる。


「けほっ、少し遅れたか……」
「いいえ、助かったわ」


 俺は少し反応が遅れてしまったため多少のダメージを負ってしまったがリアスさんはお礼を言って俺を下ろした。


「しかし如意棒だと?マジで西遊記の孫悟空じゃないか」
「コレはお師匠様の遺品だよ。言われてみると西遊記の孫悟空みたいだよね、お師匠様って。まあ強さはこの世界でも最強だと思ってるけど」


 俺の呟きに如意棒を回しながらルネアスさんがそう答える。


「中々やるね、ここまで楽しめたのは数千年前に戦った初代バアルちゃんとの死闘以来かもしれないね」
「初代バアル……リアスさんの滅びの魔力の元になった悪魔か」
「ええ、お母様の実家ね。初代バアル様は今でもバアル家の政に言葉を出せる影響力を持っているわ」
「相変わらずインキ臭そうなことしてそうだよねェ。まあ悪魔らしいと言ったらそうだけど」


 ひょんなことから初代バアルのことを話したルネアスさん、懐かしそうだがどこかイヤそうな表情にも見える。


「さあギアを上げて行くよ、私をもっと楽しませて!」


 ルネアスさんはそう言って緑に輝く魔力弾を投げつけてきた。


「スローイングブラスター!」


 高速……いや光速で投げつけられたその魔力弾は一直線に俺達に向かってきた。


「うおっ!はやっ!?」


 直感でなんとか回避した俺にルネアスさんが向かってきた。俺は反射的に蹴りを入れたが彼女はそれをかいくぐった。


「力比べだよ!」
「ぐうっ……なんてパワーだ!?まるでゼブラ兄を複数相手してるみたいなパワーだ……!」


 両手を掴み合い力比べになったが信じられないパワーだ、まるで山脈を一つ動かそうとしていう
かのような感じだ。


 息を潜め気配を消してルネアスさんの背後に回ったリアスさんがビクトリールインソードで攻撃しようとする、だがそこに何かが現れてリアスさんを掴んだ。


「えっ!?なんなのコレ!?」


 それはルネアスさんの顔をした白いお化けのようなものだった。


「可愛いでしょう?私の魔力で生み出したゴーストちゃんだよ」


 ルネアスさんの口から白い気体のような物が出てくるとそれがお化けの形に変化する。口から白い物を出すのってなんかエロいような……


『馬鹿なこと考えてないで攻撃しろ!』


 ドライグに怒られたので俺はレッグフォークを放つがルネアスさんはそれをジャンプで回避した。


「そ~れ!」
「ぐうっ!?」


 そして如意棒で唐竹割りを放ってきたので腕を組んで受けるが両足が地面にめり込むほどの衝撃に動けなくなってしまう。


「離れなさい!」


 自身を拘束していたお化けたちを引きはがしたリアスさんは力を溜めて右手を前に出した。


「爆力魔波!!」


 リアスさんは爆発的な威力の魔力弾を放ったがルネアスさんの姿が消えてかわされてしまう。


「えっ、消えた!?」
「動きが見えなかった、アレは目にも止まらないというより目にも映らなかったというような動きだ」
「瞬間移動だよ、気を探ってその人の近くに一瞬で移動できるんだ」


 背後から声が聞こえたので振り返るとルネアスさんが観戦しているサーゼクスさん達の側にいた。


「瞬間移動なんて滅茶苦茶じゃない……」
「いや~、さっきのは正直ビビったよ。リアスちゃん予想より強くてつい使っちゃった。それよりもいいの?ゴーストちゃん達を無視していて……」
「えっ……」


 すると俺達の周りに複数のゴーストが漂っていた。すると急にそのゴーストたちが輝き始める。


「スーパーゴーストカミカゼアタック……なんてね♪」


 そして巨大な爆発が俺達を包み込んだ。今度は直感でも防げずにマトモに喰らってしまう。


「……ここまでかな?」


 そして煙が晴れると地面に横たわる俺とリアスさんが現れた。


「がはっ……強い!ただ強いんじゃなくて戦い方が予想できない……!」
「これが初代様の力……強すぎるわ……」


 俺はルネアスさんの強さに改めて戦慄していた。ただ強いんじゃなくてなにをしてくるか予想がつかないんだ、さっきも直感で察せなかったのは経験が足りずに予想が出来なかったからだ。トリッキーすぎるだろう……!


「どうする?ここまでにしておく?」
「まさか……こんな程度で諦めていたら私はグルメ界になんていけませんので……」
「ああ、ピンチはいつも味わってきた。今回だって乗り越えて見せるさ……!」


 俺とリアスさんは膝を震わせながらも立ち上がった。こんなピンチ、へのへのかっぱだ!


「あはは、良いよ。その強い目……お師匠様にそっくりだ。ゾクゾクしちゃう……!」


 ルネアスさんは更に力を上げたのか体から出るオーラが一層激しくなる。


「とっておきの一撃で相手をしてあげる、お師匠様から学んだこの技で……」
「受けて立ちます!」
「俺もやってやるぜ!」


 ルネアスさんは腰を低くして両手を合わせて魔力を溜めていく、リアスさんも両手を合わせて魔力を溜める。


「赤龍帝の贈り物!」


 俺は自身のカロリーをエネルギーに変えてリアスさんに送った、準備は整ったな……


「か……め……は……め……」
「グ……レ……モ……リ……」


 二人の魔力が最大にまで高められた、そして……


「波ぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「イィィィィィィィっ!!!」


 リアスさんはグレモリー砲を、そしてルネアスさんは其れによく似た技を放った。それは俺達の中央でぶつかり合い激しい衝撃を生み出す。


「私のグレモリー砲にそっくりだわ……!」
「あはは!やっぱり貴方は私の子孫なんだね!教えてもいないのにこの技を再現するなんて……!」


 リアスさんは驚きルネアスさんは心底嬉しそうに笑った。


「ぐううっ……!」
「うおっ!?カロリーをめっちゃくちゃ持っていかれる……!」


 俺の莫大なカロリーをエネルギーに変えて放ったグレモリー砲はなんとか持っているが長くは持たないぞ……!


「どうしたの?もう限界なの?そんなんじゃお師匠様の力を使わせることなんて出来ないよ!」


 ルネアスさんが更に魔力を加えてかめはめ波の威力を上げた、徐々に押し負けている……!


(このままじゃ負ける!だがどうすればいい?俺に何が出来る……!)


 俺は何かできないかと色々考えた、そしてリアスさんの肩に乗せている自身の腕を見て何かを閃く。


(今までは無理だと思ってやらなかったが今なら出来る!俺は自分を信じる!)


 俺は両手を構えて力を籠める。釘パンチは両手で……それを更に倍加させる!


「10連を二つで20連……それをかけて40連……!!」


 俺は両腕を一気に突き出した!


「40連!ブーステッド・ツイン釘パンチ!!


 俺の放ったツイン釘パンチがかめはめ波を押し込んでいった。


「なっ……!?」
「今だぁ!リアスさん!!」
「はあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 そしてリアスさんが更に強いオーラを纏いながらグレモリー砲を放つ、ツイン釘パンチを合わさったその一撃はルネアスさんのかめはめ波を打ち消して彼女に一直線に向かっていった。


「あはは、凄いね……合格だよ」


 ルネアスさんはそういうと金のオーラを更に強化させて俺達の放った一撃を完全に打ち消して見せた。


「なっ!?」
「マジかよ……」


 俺達の全力の一撃を簡単にかき消したルネアスさんにリアスさんは驚き俺は溜息を吐きながらそう呟いた。


 手加減されてるとは思ってたさ、グルメ細胞や神滅具を持ってるといってもこっちは17年しか生きていない小僧……向こうはグレモリーの始祖だ、経験が違い過ぎる。


 それでも必死で放ったブーステッド・ツイン釘パンチをああも簡単にかき消されたらため息も吐きたくなるってもんだろう。


 10連に抑えたから幸いにも腕は辛うじて形を保てたが筋肉はズタズタ、骨もボロボロのありさまだ。全く動かせない。


 早く小猫ちゃんの美味しい飯を食べて回復したいもんだぜ……


「あっはっは!いやぁお見事お見事!二人には驚かされちゃったよ!」
「初代様、その姿は……?」
「ああこれ?これはねスーパーサイヤ人2だよ。私は『SDモード・セカンド』って呼んでるけど」
「セカンド……?」
「そう、スーパーサイヤ人の力をさらに引き出したものだよ」


 ルネアスさんは自慢げにそう話す。スーパーサイヤ人にはさらに上の段階があるのか。


「そしてセカンドの更に上もある、それが……」


 その時だった、ルネアスさんの魔力が更に増大して姿を変えたんだ。髪が長くなっていかつい表情になる、そして何故か眉毛が消えた。


「これがスーパーサイヤ人3……『SDモード・サード』だよ。今私が仕える状態では最強の形態だね、時間制限があるから少ししかなれないし眉毛も消えちゃうのがアレだけどねぇ~」


 そのいかつい表情で緩い喋り方をされても違和感しかないな……


「まあとにかくリアスちゃんは合格!特別にSDモードの使用を許可してあげる」
「あ、ありがとうございます!初代様!」


 とにもかくにもリアスさんは認めてもらえたようだな、良かった良かった。


「うぅ……起きたばっかりだし久しぶりに大暴れしたからお腹空いたなぁ。美味しいご飯が食べたい」
「あっ、なら俺達と一緒に来ませんか?美味しいご飯をご馳走しますよ}
「本当?嬉しいなぁ。でも私グルメだから生半可なモノじゃ満足しないよ?」
「そこは自信を持って大丈夫だと言わせてもらいますよ」


 俺はそう言ってニヤリと笑みを浮かべるのだった。



―――――――――

――――――

―――


「グルメ界のお寿司盛り合わせです」
「やったー!お寿司なんて東京が江戸って呼ばれていた時に食べた以来だわ!」


 小猫ちゃんが持ってきたストライプサーモン、イカマグロ、ドラゴンえび、ソラタコ、激突ハマチなどの沢山の具材で彩られた寿司を見てルネアスさんが涎を垂らしていた。


 俺達はルネアスさんをG×Gに招待したんだ、ここなら他の悪魔や勢力を気にしないで良いから心行くまで食事を楽しんでもらえると思ったんだ。


「初代様……お話には聞いていましたけどまさか存命だったとはわたくしも知りませんでしたわ」
「凄い量の食だね……ペースは遅いけど積もっていく皿の数が止まらないよ」
「それでいて非常にお上品に食べてるのがまた凄いですぅ」


 小猫ちゃん以外のリアスさんの眷属である朱乃、祐斗、ギャスパーはそんな感想を言っていた。ルネアスさんの屋敷の居場所は教えては駄目でもこっちから招待したから皆も顔を合わせられたんだ。


 それにしても凄い食うな……ゼノヴィアやイリナくらい食べてるぞ。


「あれがグレモリーの始祖か、初めて見たな……ああっ!イリナ!お前私が楽しみに取っておいた寿司を取ったな!」
「ぼーっとしてるのが悪いのよ!それにゼノヴィアだってさっき私が狙ってたステーキ食べたじゃない!」


 そのゼノヴィアとイリナは飯の取り合いで喧嘩してる。相変わらずだな。


「G×Gに来たのは二回目だが食材を食べたのは初めてだな。我がグレモリー家にも腕利きのシェフ達をそろえているがこんなに美味なものは生まれて初めて食べたぞ」
「そうね、小猫さんや黒歌さん達にレシピを教えてもらおうかしら」


 ジオティクスさんとヴェネラナさんは初めて食べるG×Gの食材に感激していた。前に来た時はリアスさんがどんなことをしているのかという説明の為だったから食事まではしていかなかったんだよな。


「はーい、ジオたん!ママ上があーんして差し上げますね~♪」
「あ、あの母上……娘やイッセー君達の前ですので……」
「久しぶりの親子のスキンシップにそんな水臭い事を言わないで頂戴。ねえヴェネちゃん」
「そうね、お義母様とお会いしたのも久しぶりだしあーんくらいしてあげなさい、貴方。なんなら私もしてあげるわ」
「そ、そんな……」


 さっきまでの綺麗なご婦人といった雰囲気をぶん投げて甘々な声を出すキシスさんがジオティクスさんにあーんをしようとしている。


 ジオティクスさんはヴェネラナさんに助けを求めるが彼女も悪乗りして一緒にあーんをしはじめた。


 リアスさんに聞いたがキシスさんはジオティクスさんに対してかなりの親馬鹿らしい。サーゼクスさんもそういった一面があるようであの溺愛ぶりはグレモリーの血らしい。


(もしかしたらリアスさんも子供が出来たらあんな親馬鹿になるかもしれないな)
「イッセー、何か失礼なことを考えていないかしら?」
「えっ、そんなことないですよ……あはは」


 ジト目でリアスさんに詰め寄られたので笑ってごまかした。


「イッセー先輩、腕の調子はどうですか?」
「ああ、アーシアにも回復してもらったし小猫ちゃんや黒歌の飯を食って完全に回復したぜ」
「良かった……最初はビックリしましたよ。まさかブーステッド・釘パンチを両手で放つなんて……」
「いやぁ本当に無茶したわ、マジで腕が吹っ飛ぶ寸前だったしな」
「もう……無茶するなとは言いませんが一人で突っ走ったりしないでくださいよ?私達はコンビなんですから」
「ああ、了解だ」


 心配する小猫ちゃんの頭を撫でながら俺はそう答えた。


「お父様!お母様!このハンバーグ凄く美味しいです!僕久しぶりに3人で食事が出来て嬉しいです!」
「うふふ、私もよ。いっぱい食べなさい、ミリキャス」
「最近は忙しくてあまりかまってやれなくて済まない、ミリキャス。今日は時間があるから沢山遊ぼう」
「本当ですか!?やったぁ!」


 サーゼクスさんはグレイフィアさんとミリキャスと家族の時間を楽しんでいた。折角だからミリキャスも呼んでみたけど誘って正解だったな。


「それにしても初代様は大食いだったんですね、意外でした」
「最初は小食だったんだけどお師匠様の食べっぷりを見ていたらこうなっちゃったの」
「孫悟空さんも大食いだったんですか?もしよかったら孫悟空さんについて他に何か教えてもらえないでしょうか?SDモードを使う際の参考になるかもしれないので……」
「いいよ!ならまずは私とお師匠様が出会った頃の話を聞かせてあげるね」
「えっ?いや戦いについての話を……」


 リアスさんがルネアスさんに孫悟空さんについて戦い方などの話しを聞こうとしたが思い出話を話そうとするので困惑していた。あれは長くなるな……


 その後も俺達は思い思いに過ごしていたんだけどルネアスさんが急に何かを言い出したんだ。


「そうだ、折角起きたんだし何か催し物が見たいわ」
「なるほど、古の約定ですね」
「えっどういうこと?」


 ルネアスさんの言葉にジオティクスさんが頷いた、リアスさんは何のことか分からないようで首を傾げながら質問する。


「うむ、初代様が起きられた際はその代の当主がダンスや歌などで初代様を楽しませるのがグレモリー家の隠されたルールなのだ」
「そうだったの?でも私は……」
「ああ、リアスは次期当主の座を降りたからな。そうなるとミリキャスになるのだが……」
「流石に急に催し物を出せなんて言っても無理よ」
「それならいい話があるよ」


 ジオティクスさんとリアスさんの会話にサーゼクスさんが割って入った。


「お兄様、いい話って何かしら?」
「実は君たちにサンバを踊ってほしいと思っていたんだ」
「えっ?どうして?」
「いやぁ実はちょっと企画で使う事になってね……」
「どんな企画よ……」


 何故かサンバを踊ってほしいというサーゼクスさんに俺達は困惑した。なぜサンバなんだ?


「歌の方はミリキャスに練習してもらっているから踊りは君たちに任せたい、グレイフィア」
「はっ、こちらに」


 グレイフィアが指を鳴らすと魔法陣が出てきてそこから衣装が出てきた。どれもテレビや雑誌などで見たサンバの衣装だ。


「皆様のスリーサイズは既に魔法で把握していますのでご安心を」
「いやいきなりそんな衣装出されても私達は納得していないんだけど……」
「リアス姉さま、姉さまは僕と催しをするのは嫌ですか?僕姉さまと一緒にやってみたいです……」
「うっ……」


 グレイフィアさんにやりたくないという表情でそう言うリアスさんだったが、ミリキャスの悲しそうな顔を見て言葉を詰まらせた。


「……可愛いミリキャスのお願いなら仕方ないわね、みんなやるわよ」
「ははっ、まあたまにはいいですね」


 渋々やる気を出すリアスさんに俺は苦笑しながらそう答えた。


 そして着替えてみたがなるほど、こんな感じか……


「祐斗はよく似合ってるじゃないか、流石美形が着ると華になるな」
「イッセー君だってよく似合ってるよ。薔薇でも銜えてみたらどうだい?」
「よせって、似合わねぇよ」
「イッセー先輩、僕はどうですか?」
「応、相も変わらず女装なんだな」
「えへへ、趣味ですから」


 祐斗とお互いへの感想を言い合う、そしてギャスパーはやはり女性の衣装だった。


「ううっ……皆の前でサンバを踊る事になるなんて……しかも何でサンバなのよ?」
「まぁまぁリアス、いいじゃないの。わたくしはこういう者は好きですわ」


 しかしスタイルの良いリアスさんや朱乃はなんというか目のやり場に困るな……


「先輩?私を無視して他の女性を見るなんていい度胸していますね」
「わわっ、小猫ちゃん!?」


 仙術で大人になった小猫ちゃんが俺に抱き着いてきた。


「ごめんって……凄く似合ってるよ」
「ふふっ、ありがとうございます」


 俺はそう言って彼女を抱きしめると小猫ちゃんは嬉しそうに笑みを浮かべた。


 その後俺達は魔法で振り付けを覚えつついきなり本番でサンバを踊った。正直上手くできたとは思えなかったがルネアスさんはウケてくれたよ。


 そんなこんなで俺達は最後の夏の思い出を作ったとさ。



 因みにアザゼル先生が隠し撮りしていたらしく後日親父たちにもこのことが流れた。親父には笑われるし、サニー兄やゼブラ兄は心底ムカつくくらい笑ったり煽ってきやがった。


 腹が立った俺は元凶のアザゼル先生に『デス・ハバネロ』を一気食いさせた。常人なら即死するレベルのスコヴィルだが堕天使なら問題無いだろう。
 
 

 
後書き
 リアスよ。楽しかった夏休みも終わって二学期が始まったわ。新しい転入生も着た事だしまた賑やかになりそうね。


 次回第128話『二学期開始です!新しい転入生と波乱の始まり!?』で会いましょう。


 次回も美味しくいただきます♪ 
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