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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)

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【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第10章】カナタとツバサ、帰郷後の一連の流れ。
   【第6節】キャラ設定10: エリオとキャロ。(前編)

 
前書き
 それでは、「キャラ設定」の最後に、エリオとキャロについても、少しまとめておきましょう。
 新暦91年以降、この二人は「八神はやて准将の許で」事実上、ファビアやジークリンデとともに「ルーテシアの補佐官」となります。
 誰が呼んだか、五人そろって、チーム・カルナージ!(笑)
 実力的には、この五人だけでも「一部隊における魔導師ランクの総計規模規制」に引っかかっているはずなのですが、そこは何とか誤魔化(ごまか)して運用されています。
 具体的に言うと、エリオとキャロは、あくまでも「普段は別個の部隊に所属」という体裁(ていさい)を取っており、一方、ファビアとジークリンデは(ザフィーラと同様に)そもそも「魔導師ランク」を取得していないのです。
(今や、その気になりさえすれば、ファビアは「総合」で、ジークリンデは「陸戦」で、最低でも「AAAランク」ぐらいはすぐに取得できるはずなのですが。)
 

 


 まずは、新暦76年の話に(さかのぼ)りますが……。
 機動六課が解散した後のキャロ(11歳)の進路が「原隊(スプールスの自然保護隊)への復帰」と決まった時点で、エリオもやはり、彼女について行くことにしました。
 ひとつには、エリオ自身も(キャロと同様に)まだ「人間の多い場所」があまり得意ではなく、できれば〈本局〉や都市部での勤務は()けたかったからです。
 それに、フリードも飛竜としてはまだ幼体(こども)で、「母親も同然」のキャロから長く離れているとそれだけで心理的に不安定になってしまうようなので、エリオとしても、今後もフリードとともに「竜騎士」をやってゆくのであれば、今ここでキャロと離れ離れになる訳にはいきません。
 そんな訳で、エリオとキャロは以後、十年あまりに(わた)って、〈管61スプールス〉の第五大陸で「実の兄妹」のように仲良く暮らし続けたのでした。

【突然ですが、公式の設定を見ていると、何やら〈管61スプールス〉には「一般の人間」が全く住んでいないかのような印象を受けます。
 しかし、「時空管理局という組織が設立された、そもそもの理由」というものを考えてみると、『希少生物を保護するためだけに「事実上の無人世界」をわざわざ管理世界として扱っている』などという状況は、どうにも納得がいきません。
 そこで、この作品では、『原作で描写されているのは、スプールスの第五大陸だけで、第二大陸には普通に人間が住んでいる』という設定で行きます。
「プロローグ 第4章」にもちょっとだけ書きましたが、もう少し具体的に言うと、以下のとおりとなります。

 惑星スプールスには七つの大陸がありますが、管理局の「自然保護隊」のような特殊な人々を除けば、人間が普通に居住しているのは、小さな「第二大陸」だけです。
(普通の世界では、人間が住み始めた順で大陸に番号を割り振ることが多いのですが、スプールスでは「テルマース式」の古い伝統に従って、地理的に「北から順に」番号を割り振っています。つまり、第一大陸は北極大陸であり、第七大陸は南極大陸であり、ともに基本的には今もなお無人の大陸です。
 なお、全く「偶然の一致」ではありますが、モザヴァディーメを始めとする幾つかの世界でも、同じような番号の割り振り方をしています。)

 また、1200年あまり前にテルマースから来た「避難民」の総人口は700万人たらずでしたが、今もなお第二大陸の総人口は一億人あまりに(とど)まっています。
(テルマース人は、遺伝的に「密集に対するストレス耐性」が低く、繁殖欲もあまり旺盛な方ではありません。また、巨大な都市を嫌う心理的傾向も強く、スプールスでは最大の都市である「首都ペトカムロ」ですら、人口は今も70万人にすら届いていません。
 なお、北半球の第三大陸と南半球の第六大陸は、その首都ペトカムロから9時間以上もの時差がある「裏側の半球」に拡がっています。)

 そして、スプールス自然保護隊の本部は、とても広大な「第四大陸」にあります。
 南北両半球にまたがる「熱帯および亜熱帯」の大陸ですが、普通に人々が暮らしている第二大陸から見ると、この大陸は時差も小さく距離も近いため、今や大陸の北西部はサファリパークやジャングルクルーズのような形で観光資源化されており、スプールスの「中央政府」にとっても重要な収入源のひとつとなっています。

 一方、南半球にある小柄な「第五大陸」は希少生物の楽園であると同時に、『次元世界全体でも稀有(けう)と言って良い「独特な生態系」が、今もなお保存されている』という特別な土地です。
 そのため、この大陸は観光資源として利用することも全く認められておらず、航空機の上空通過や軌道上からの転送すらも原則としては禁止されています。つまり、この大陸に上陸しようとすると、「プロローグ 第7章」にも書いたとおり、「大陸の北岸部から少し離れたところ」にある人工島から(さもなくば、他の大陸から直接に)船舶(ふね)に乗って海を越えて来る以外にはありません。
(それでも、「SSX」で描写されているとおり、『時おり密猟者がやって来る』というのですから、全く困ったものです。)
 この大陸では、自然保護隊も「少数精鋭主義」であり、それだけに、もう長らく「慢性的な人員不足」に陥っていました。
 そのため、エリオとキャロが新暦76年にわざわざ「第五大陸」を選んで赴任して来た時には、現地では相当に歓迎されたようです。】


 また、ルーテシアの身柄は、新暦75年のうちに、ミッドの「海上隔離施設」から〈無34マウクラン〉へと移されていたのですが……。
 スプールスからマウクランまでは、そのための魔法資質さえあれば「個人転送」でも行ける距離ですが、実際には、ルーテシアに課せられた処罰が「辺境世界隔離」なので、当然ながら管理局の許可なく会うことは許されておらず、単なる通信ですら滅多に許可が()りませんでした。
しかも、エリオとキャロには「個人転送」の資質がありません。
【それでも、『ルーテシアが個人転送で、エリオとキャロの(もと)に一体のインゼクトと一輪の花を届けることができた』ということは、おそらく、マウクランでルーテシアが隔離されていた場所は、スプールスの第五大陸と「同じ緯度、同じ経度」の土地だったのでしょう。】

 そこで、エリオとキャロは事あるごとに手紙を書いたり、ルーテシアの好きそうな本を差し入れたりして、彼女とは相当に良好な友人関係を築き上げました。
 また、翌77年の11月に、ルーテシアの処罰が「ごく軽い保護観察処分」に切り替えられ、彼女が母メガーヌとともにカルナージに転居してからは(距離的にも遠くなり、時差も大きくなりましたが)メールのやり取りなども自由にできるようになり、休暇が取れれば実際にカルナージへ会いに行くこともできるようになりました。

 そして、新暦78年には、二人は〈マリアージュ事件〉にも関与します。
 5月も末になって、エリオとキャロ(13歳)は、スバルから『ティアナも今、ミッドに来ているし、久しぶりに会わないか』と誘われたので、休暇を取ってミッドにやって来ました。
 あまりの人の多さに辟易(へきえき)しながらも、スバルやアルトと落ち合い、一緒に食事をしていたところ、近場で火災事件が発生し、スバルにも出動要請が来ます。
 そこで、エリオとキャロもスバルに手を貸したのですが、その流れで、後日、〈マリンガーデン炎上事件〉の際にも、スバル・ナカジマ防災士長の「臨時の部下」のような形で救助活動に参加しました。
【ただし、その際にも、二人は〈冥王イクスヴェリア〉とは、あまり直接には(かか)わりを持ちませんでした。この件に関して、詳しくは「SSX」を御参照ください。】

 また、同年の11月には、エリオとキャロは、なのはたちに誘われて、カルナージへ訓練施設の下見(したみ)に行きました。
(その帰途に、ミッドに立ち寄った際には、スバルの紹介で、今はまだ「特別養護施設」で暮らしているトーマとも親しい間柄となります。)
 そして、翌79年の2月には、実際にカルナージで「第一回」の合同訓練が(おこ)なわれ、エリオとキャロとルーテシアは、そこで初めてコロナに会いました。
 さらに、同年の5月には、「第二回」の合同訓練があり、三人は、初めてリオやアインハルトにも会いました。
【この「第二回」に関しては、Vividのコミックス第2巻・第3巻を御参照ください。】

 一方、同79年の4月には、「スプールス自然保護隊」の新たな「総部隊長」として、まだ四十代の某一佐が赴任して来ました。
【スプールスの自然保護隊では、大陸ごとに「部隊長」がいて、第三大陸以下の四大陸の各部隊はそれぞれにかなり独立性の高い組織になっている、という設定です。】

 彼は、典型的な「事なかれ主義者」だった前任者の仕事ぶりを是正して行く過程で、第五大陸の部隊の「あからさまな人員不足」に気がつき、中央から優秀な人材を呼び寄せてでも増員することを決定して、現在の人員には、多少強引にでも順次「有給休暇」を規定どおりに消化させてゆくことにします。
 その流れで、エリオとキャロ(14歳)は、同79年の7月には、少し長い休暇を取ってミッドに滞在し、「人混みに慣れる訓練(笑)」の(かたわ)ら、IMCSのミッド中央「地区予選」では、友人としてずっとルーテシアのセコンド役を務めました。
 8月の末には一旦、スプールスに戻りましたが、10月になると、二人は再び休暇を取って、都市本戦の一回戦でも(今度は、ファビアとともに)ルーテシアのセコンド役を務め、さらに11月には、管理局の「戦技披露会」をも観戦しに来ました。
【二人の有給休暇は、相当に溜まっていたようです。(笑)】

 また、80年の5月には、丸一年ぶりでカルナージでの「合同訓練」にも参加し、二人はここで、初めてミウラやファビアとも手合わせをしました。
 同年9月には、またメンバーを換えて「大人たちの合同訓練」が行なわれましたが、その訓練が終了した直後に「特別許可」が下りると、キャロは、エリオやフリードやルーテシアやファビアとともに、故郷のアルザス地方に飛んで、久しぶりにヴォルテールと会いました。
 そこで、『実は、白天王も真竜の一種なのでは?』という話になり、以後、ルーテシアは「自分のルーツ」を本格的に探し始めます。
【そのため、ルーテシアとファビアは、翌年の〈エクリプス事件〉に「直接には」関与する機会が無く、ただ「ヴィヴィオ襲撃事件」に関与しただけとなりました。】

 そして、翌81年の〈エクリプス事件〉では、エリオはフリードとともに、フォルスの第3首都クラドモクス郊外の戦いで『トーマを正気に戻す』などの活躍をした代償として相当な深手を()い、リベルタの首都メラノスでの最終決戦を前に戦線離脱を余儀なくされてしまいました。
 しかも、キャロとフリードは、ほとんど拉致(らち)のような形で、ヴォルテールに(治療のため)連れ去られてしまいます。
 エリオは朦朧(もうろう)とした意識の中で、それでもトーマを激励しましたが、やがて意識を失い、そのままクラドモクスの中央病院に(かつ)ぎ込まれました。

 何日かして再び意識を取り戻した時には、すでにリベルタでの最終決戦も終わってしまっていましたが、その後、エリオはミッドの「局員専用病院」へ転院しました。
 また、10月の中旬、特務六課が解散させられた後に、キャロとフリードも「完治して」ミッドにやって来ました。フリードはあれほどの重傷だったはずなのに、今ではもう傷跡ひとつ残ってはいません。
 具体的に何をされたのかは、キャロも全く覚えてはいませんでしたが、どうやら、ヴォルテールには、何かしら「その種の不思議な能力(ちから)」があるようです。(←重要)
 そこで、エリオは11月になって無事に退院する際には、なおも入院中のフェイトやなのは、ギンガやチンク、トーマにも挨拶をしてから、自分を待ってくれていたキャロやフリードとともに、気持ちとしてはやや不完全燃焼のまま、スプールスに戻りました。
(その際に、当時9歳のマルセオラは、エリオやキャロにも紹介されています。)


 明けて、新暦82年の4月、エリオとキャロ(17歳)は、なのはとフェイトの結婚式に出席するために、またミッドを訪れました。
 アルフとは久しぶりの再会でしたが、カレルやリエラ(10歳)と直接(じか)に会うのはこれが初めてです。
 フェイトが、この二人を完全に「甥姪(おいめい)」として扱っていたので、エリオとキャロにとっても、この二人は当然に「イトコも同然」という扱いになりました。

 そして、翌83年の4月には、なのはがカナタを、フェイトがツバサを「同じ日に」出産しました。
 その出産報告のため、ちょうど手の()いていたエリオとキャロが、代理として二人で地球へ行くこととなります。
 二人にとっては、「8年ぶり、2回目」の地球行きでしたが、現地の一般人から「父娘(おやこ)か」と誤解されてしまい、二人とも相当なショックを受けました。(笑)
(キャロは18歳になっても、身長が150センチほどしかなく、一方、エリオは190センチを軽く超えています。)
 実を言うと、エリオとキャロが、士郎や桃子と直接(じか)に会うのは、今回が初めてでした。
 アルフとも、いろいろと話をした後、二人はまずミッドに戻って、なのはとフェイトに一連の報告をしてから、スプールスに帰りました。

 また、新暦84年になると、新たな「総部隊長」の赴任から実に五年の歳月を経て、スプールス自然保護隊の、第五大陸の部隊を始めとする各部隊の「慢性的な人員不足」も本格的に解消されて来ました。
 各大陸とも人員に余裕ができて来たため、保護隊同士での「人員の交流」も活発になります。
その流れで、エリオ(19歳)もこの年度には、キャロやフリードと離れて独り第四大陸へと出向し、一年間、人間的に「いろいろな経験」を積んだ上で、また元の古巣へと戻りました。
【エロ描写は、この作品の主旨ではないので、省略します!(笑)】

 そして、翌85年の9月になると、キャロ(20歳)を中心に、今度は15人もの大所帯で、一行はまたパルドネアのアルザス地方へ行き、再びヴォルテールに会いました。
 その後は、カルナージで久々の合同訓練となり、珍しくユーノ司書長も訓練に参加します。
 以後、エリオとキャロは、ユーノやメルドゥナとも、それなりに親しくなりました。

 また、翌86年の5月には、エリオ(21歳)はモンディアル家の老執事から話を持ち掛けられ、部隊長からの勧めもあって、その年の7月には「遺伝上の両親」からの正当な遺産相続を完了したのですが……これは、一般には全く内緒のお話です。
 そして、86年度の末(87年の3月)には、小さい頃から部隊でお世話になっていた人たちが何人もまとめて昇進し、それぞれに他の世界へ異動となり、二人はしばらく「送別会」続きの日々を送りました。

 次に、87年の7月には、エリオとキャロ(22歳)は、フェイトに呼ばれてドナリムへと赴き、〈デムロクス事件〉にも参加しました。
 決して口外できない「特秘事項だらけ」の事件でしたが、その直後には、全員でミッドに戻り、トーマ(21歳)の結婚式にも出席しました。
 エリオにとって、トーマは数少ない「同年代で同性の友人」です。以後、エリオも多少は自分の結婚について考えるようになりました。

【ちなみに、ルーテシアやファビアは、トーマとは特に面識が無いので、この式には出席していませんでした。一応、3月のうちに声をかけられてはいたのですが、ちょうど7月頃には、ジークリンデが「秘密出産」をする予定だったので、『残念ながら、その時期には、地元でどうしても(はず)せない予定がすでに入ってしまっておりますので』と丁重に出席を辞退したのです。
 ルーテシアは前の年(86年)に、現地で警邏隊の隊長に就任したばかりだったので、スバルたちやエリオたちも『彼女はきっと、そちらの仕事が忙しいのだろう』などと勝手に納得してしまっていました。】



 
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