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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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83話 バラバラのLOVE






俺は小原先祖と黒沢先祖にあの歩実という幼女が口を滑らせた話題をありのまま話した。すると2人は納得したような表情を見せる。



「なるほど……あの神器を———」
「知っていたのか?」
「当然。あれは我ら小原家が持ってきた3つと……」
「我々黒澤家が管理していた3つだ。君の言う通り、異世界からの飛来物と伝えられている。かつて我々の祖父の世代が、神器が6つ集まったことであまりの余剰エネルギーによる死傷者が相次いだそうだ。ゆえにそれぞれ八坂神社、駒形神社、気多神社、長濱神社、白髪神社、熊野神社に封じたと聞いていたが———まさかそれを狙っていたとは。」
「最後の熊野神社を厳戒警備してくれ。俺もじきに向かう。」
「「わかった、協力感謝する。」」


短いが話はこれで終わったのでさっさと出て行こうかと思ったところ、小原先祖が呼び止める。


「才殿。」
「どうした?」
「これを受けとってくれ。」
「これは……」


彼が差し出したのは、ブランクガシャット……いやそれにしては持ち手が青いなど明らかに特異なガシャットだ。


「小原家が先祖代々伝えてきたもう一つの神器だ。異世界から飛来したあの神器とは違い、初代小原家当主が直々に神から授かった神器とされるものだ。これを然るべき人に渡せば、必ず守ってくれると………」
「よくわからんが……一応受け取っておこう。使えるようになれば、強力なアイテムになるかもしれない。」
「お願いする。」


俺はそのガシャットを受け取った。

この時知る由もなかった——————このガシャットこそ、悲劇のガシャットであると言うことに。



〜〜〜〜〜〜〜




「やっぱり昔の方が綺麗だな……まっ、現代も綺麗だが。」


砂浜に1人佇み、みかん味のタバコを咥える俺。

内浦だって田舎とはいえ、文明は進歩するもの。時を遡るほどに星空は綺麗に感じる。そしてそれを映す天の川の如く海も………だからこそ守りたくなる。この星の数だけ人の笑顔がある。自由があるのだ。


「何してるの?」
「千陽……この海に映った星が綺麗だなって思ってさ。」
「ふふっ。でも綺麗なのは空に星が輝くからだよ?」
「どうだろうな?海だって十分綺麗さ。いつでも俺のそばにいて、微笑んでくれる……俺には十分輝いて見えるよ。」


再び微笑む千陽。気のせいだろうか、今の千陽からは普段ではあり得ない艶やかなオーラが出ている気がする。どちらかと言うと全てを包み込む母親………いや、妻のようなオーラか(?)


「ねぇ……あの子の言ってたこと本当だと思う?」
「さぁな…けど、ある程度信憑性のあるものだと信じてはいるが……いかんせん証拠がないからなんとも。」
「私は本当だと思うな♪」
「千陽?」
「だって………才くんと一緒だと、こんなにココがキュンとしちゃうんだもん♡」


そう彼女は自身の下腹部をさする。一瞬、「は?」と声を漏らしそうになったが、なんとかその衝動的な声を抑える————しかしやはり戸惑いが大きい。しかし彼女は俺の表情に目もくれず、ジリジリと俺に迫ってくる。


「いや…話が見えてこないんだが———」
「ごめんなさい才くん…でももう、私我慢できないの……」
「……?」
「私、才くんとずっと一緒にいたいの。だから————私と契りを結んでくれる?」
「え?」


声をとうとう漏らしてしまった時には、もう遅かった。彼女は俺を押し倒して、2人の体が重なる体勢になる。


この体勢になったことに少し恐怖を感じながらも、俺は恐る恐る千陽の顔を見る————彼女の、純白の花型のワンピースは少しはだけ、その瞳には俺を中央にハートが写っていた。


「落ち着け千陽!お前には巫女の使命があるだろ?」
「違うよ才くん……これが巫女の使命———ううん、これが太陽の女神としても使命だよ!!」
「千陽……お前。」
「薄々気づいてたの。私は女神様の声を聞いてるんじゃない……私自身が女神として生まれてるんだって!」




もうこれで確定した……と言っても差し支えないだろうか。

しかし、今は彼女の気持ちを鎮めるのが先決。なんとか口問答で退けてくれないだろうか………


「だが、どうして俺を押し倒す?これが女神の使命か?」
「言ったでしょ?世界を豊かにしてくれる者と契りを結べって。アレは……隠しようもなく、私の意思だよ。私は女神として生まれた高神千陽……でも意志とか今はどうでもいいの。1人の人間として才くんが好きになっちゃったの!!」
「!」
「だから……お願いだから…」


千陽の声色は使命から懇願へと変わってゆく。だが俺は確証が持てない……極めて自分勝手な基準ではあるが、その基準を満たしてもいない無責任な事は絶対にできない。たとえそれが……《《相手の願望に反して》》いようともだ。


「千陽、それは聞けない願いだ。」
「え……」


俺の言葉を聞いた瞬間に、興奮して赤くなっていた千陽の顔は一気に青くなる。大きくなっていた瞳孔はあちこちを泳ぎ、彼女の視界をぼやけさせる。そして混乱状態からようやく解放された彼女の声は、あまりに弱々しくも奥に黒い感情があるように見えた。


「そんな……酷いよ…使命なんだよ———使命なんだよ!?なんで拒絶するの…?」
「千陽…すまない。だが、無理なものは無理だ————」


俺の言葉を聞いてはいるものの、千陽は涙をぽろぽろと流し続ける。涙とともに彼女の瞳は闇に飲まれてゆく……そして涙を溜めながらも俺の顔を見た時には、完全に光を失っていた。

 
「才くん……こんな仕打ち……ひどい……あんまりなんじゃない?」
「許してくれ…未だお前を底から信じられない俺を。」
「ううん、許さないよ?私は才くんのことは死んでも許さない。」
「あぁ……」


想いを裏切られたのだ。許さなくて当然……なのかもしれない。しかし俺の彼女の感情への理解度はあまりに薄すぎるだろう。感情のみではない、彼女に対する全てが———第三者の目線で見てしまっているのかもしれない。

だが、突き放された彼女だが、めげない———まだめげなかった。


「わかった。もういい……今の私には無理なんだね。」
「—————」
「でも……」
「?」
「もし私がいつか……時を超えて生まれ変わったら————その時は、私を愛してくれる?」
「———!」


俺は何を言えばいいんだ———そう迷ったのは一瞬だった。


「わかった。約束する。」


彼女の笑顔を少し取り戻せた………しかし俺には言った自覚がなかった。


そう、運命の歯車は……止まらなかった。








ドカァァァァン!!!!!





突如として爆音が鳴り響く。


爆心地はおそらく狙われている最後の神社。千陽も我に帰ったのか、俺にアイコンタクトを送ってきた。


「どうやら……最終決戦のようだな。」
「才くん———」




「ハイパー大変身。」



【ハイパームテキエグゼーイド!!】



星屑を全身に纏い、絶対防御の黄金の鎧が形成される。


星の輝きは闇に包まれた地上を照らし、夜を颯爽と駆ける。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



現場まで辿り着くのはほんの一瞬だった。3秒もかかっていないほどだ。しかしその間にも神社に生い茂る木は炎に包まれる。

辿り着いた先で最初に見つけたのは、なんとナムロド…もとい仮面ライダーマルドゥクが1人。邪神自らが記念すべき最後の神器回収の任務を、単騎で打って出たわけだ。

神社に燃え広がる炎を消火する一般人がいる以上、マルドゥクをそのまま行かせるわけにはいかない。


「そこまでだ、マルドゥク!」
「貴様ァ……」
「これ以上…お前の殺戮を見るのはうんざりだ。」
「それは此方の台詞です。あなたが存在していることに私はうんざりしています……クウガに切り離された私の知能 アーク———その真の力は、主人の元へ帰属することで発揮する!」
「!!」


マルドゥクはバグルドライバーXに収納されていたトゲトゲのアークの本体……悪意の塊を自分に注入する。するとゴツい邪金のガントレットが両腕に形成され、その右手の甲に血に染まった宝石が埋め込まれる。


「それは……」
「知能アークが、世界樹のパワーその手にするために設計したガントレット……イーヴィルガントレットとでも名付けましょうか。この左手の6つの窪みが埋まる時、あらゆる時空を超越した至高の力が手に入る……なんと刺激的だ!」
「この際名前なんてどうでもいい。そのガントレットが完成することはない————俺がお前を倒すからだ。」


マルドゥクが嘲笑の声が刀を抜く合図となった。

先制攻撃はマルドゥク。手持ちのデウスラッシャーを目にも止まらぬ軌道で振り下ろす。俺じゃなきゃ見逃しちゃうね———と、ここでデウスラッシャーの刃先が突如として右側に躱した俺に向かって地面からやってくる。

計算され尽くした攻撃………これは間違いなくアークが導いた結論だ。

しかし俺はその刃先を左の脛で受け止める。無論ムテキ故に、ダメージはない。


次はデウスランパートから解放された邪金色の触手が振り回される。その一つ一つに鋭利な刃物が装着されていて、当たれば耐え難い苦痛に襲われる毒を注入される———内部分析がそう教えてくれる。それも俺には無意味だが、他の奴らはそうではない。逃げ惑う人々に当たれば大問題だ。故にキースラッシャーによって光速でそれらを斬る。


「どうした……私を倒すのではないのか?」
「けっ、この期に及んで……いいだろう。お前をリプログラミングする……!」
「……?」


【ズキュ・キュ・キューン!】

【マキシマムガシャット!キメワザ!】

【MAXIMUM MIGHTY CRITICAL FINISH!】


キースラッシャーの銃口から、リプログラミング光線が放たれる。これに当たれば誰であれ、初期化及び再構築……つまり能力の無効化や改造、変身資格の剥奪など、否応なしに勝敗を決してしまう切り札。

しかし—————デウスランパートがそれを許さなかった。


「何……?」
「これが宝盾 デウスランパートの力……あらゆる遠距離攻撃を受け止める神の宝具。そしてこれが———」
「!!」


マルドゥクはバグルドライバーXのABボタンを同時押しし、必殺技を放とうと、Aボタンを選択する。


【キメワザ!】

【CRITICAL MOLOCH!】


赤黒い斬撃が放たれる———俺は反射的にそれを躱すことができた。


「かかったな…?」
「!!」


デウスラッシャーによって放たれた斬撃はなんと地を割った………比喩ではない、本当に地面を割ったのだ。斬撃は通るもの全てを切り捨て、やがて神社の本殿をバスっと切り裂く。それにとどまらず、放たれていた火を裂いてさらには裏山そのものを一刀両断してしまう。


「マジかよ…あんな威力俺以外が出せるとはな———」
「私は別にあなたを倒さなくてもいいと思っています。」
「なんだと?」
「私は全時空をこの手にできればそれでいい……別に無敵のあなたが1人抵抗しようが、絶対的な事実は変わりませんから。」
「……何が言いたい。」
「つまり———ああいうことですよ。」


マルドゥクがデウスラッシャーの刃先には……炎に彩られたおぞましい光景が写っていた。


「小原!黒澤!」
「が…ご… 」


焦熱地獄に血の池地獄。地獄へと誘われた2人の戦士。生き地獄…そう形容するに相応しい。

小原先祖は胃を鎌で貫通した穴が空いており、黒澤先祖は血まみれで首根っこを掴まれている。

首根っこを掴んでいるのは…ロード・オブ・クロウ サンバヴァ。彼だけではなく、ロード・オブ・クロウの4人が全員登場で彼ら2人を蹂躙したようだ。

そして……


「さらばだ。人間。」
「ぐわっ———————————」
「黒澤先祖!!!!!!!!」


サンバヴァは剣を用いずに彼の心臓を殴った。そして黒澤先祖をゴミのように捨てる。


「黒…澤……」
「ほう、土手っ腹に穴開いてるのにまだ喋るか……」
「貴様らどけぇぇぇぇぇ!!!!!」
「「「「!!」」」」


俺は過去一のスピードで接近し、そのままキースラッシャーをフルスイングして斬撃を放つ。

その威力はマルドゥクの比ではない。真っ二つも山はさらに横から斬られ粉々になり、スイングの衝撃波でロード・オブ・クロウ全員をマルドゥクの側——つまり裏側に弾き飛ばす竜巻を引き起こした。

彼らが離れたのを確認して、砂嵐が舞う間にすぐに黒澤先祖と小原先祖の元に向かう。


「しっかりしろ小原、黒澤!」
「はぁ…はぁ…俺より…黒澤…を………」


小原先祖の指示通り、複眼に搭載されたカメラでメディカルチェックをする———心拍数が0になってしまっていた。


「心臓が止まってる…でも呼吸は止まってない。」


おそらく心臓が局所的な衝撃を受けたために、心臓が先に止まってしまったのか…珍しいケースだが、これならなんとか戻るか。

俺はラースフォームの力を微々に解放して、核エネルギー由来の電気ショックで黒澤先祖の心臓を再び動き出させた。だがあくまで心臓を動かしただけで、心臓の損傷は計り知れない。

だが俺は見えない傷に対して治癒することは不可能だ……

すると《《彼女》》がやって来る。


「才くん!」
「千陽…!2人が大変だ。特に黒澤、コイツの心臓が傷ついてる。でも俺は内臓の傷は治癒できない。お前はできるよな?」
「うん…!やるよ!」


彼女が黒澤先祖の心臓に手を当てて治癒していると、砂嵐が止み、マルドゥクとロード・オブ・クロウ4人の姿が露わになる。その途端にマルドゥクは憎たらしい高笑いをする。


「フハハハッハハッ!これは最高の殺戮ショーだ!心臓を一発のパンチで止めるとはまさに愉快……フハハハッ!!」
「何がおかしい……」
「ん〜?」
「何がおかしいって……言ってんだろうがぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「「「「「「!!?!???!」」」」」」


俺の怒声にその場にいる全員が凍りついた。それは最邪神であるマルドゥクとて例外ではなかった————まさしく天地が震える咆哮。いや、全時空が震えた。そして、初見の二刀流と大鎌のロード・オブ・クロウを指差す。


「一応名前だけ聞いておこう。何者だ。」
「ふん——よかろう。我が名はロード・オブ・クロウの1人 アミーダ。剣を極め、恐れ多くも天帝陛下を指導させていただいた者だ!!」
「同じくロード・オブ・クロウの1人 アモーガ。」
「そうか…聞けてよかったよ……死ぬ前にな。」
「「「「!!!」」」」


【キングラウザー!】【パーフェクトゼクター!】


ライダー史上最も強力かつ俺の愛用武器である2つを召喚する。どちらも片手で持つには重すぎる剣……しかし今の俺にはそんな理屈通用しない。

その重い剣を持ったまま、クロックアップを超えた…そんなスピードでロード・オブ・クロウの4人を一斉に斬り裂く。数万年の経験値がある彼らですら、俺の怒りの刃は見えなかった。

しかしそこは腐っても最強の精鋭、マルドゥクに稽古をつけたアミーダはすぐに軌道を察知し、次に備えていた。それに他の3人も続く。

そこで俺はパーフェクトパズルの力を使い『分身』のエナジーアイテムをゲットし、時間を超えた光速の軌道が膨大な数となる。軌道をもとに攻撃するロード・オブ・クロウだが、それらは俺のダミーゆえ攻撃しても意味がない—————それはこちらに時間を逸らすための囮となったのだ。


「バカめ……」
「「「「!!!」」」」


【ストレートフラッシュ!】【HYPER SLASH!】


毒と高電圧を纏った刃が目にも止まらぬ速さで、その烏たちを斬り裂いてゆく。毒にも電気にも体の動きを止める作用がある故に、彼らは黙ってこの攻撃を受け続けるしかない————脱することは不可能……俺が飽きるまで。


「バカな…この我々が———」
「しかし——その攻撃、貰いますよ!!」
「………」


アシュクがツインレイピアで同じく雷と毒を纏って俺を突こうとする。しかし……俺はそのレイピアを胸部で受け止める。無論刺さりもしない。


「所詮能力の模倣……俺の真似事なんざどう頑張っても劣化技以外にはならねぇよ。」
「どうかな…?」
「………なるほど、面白い。」


俺の読んだ未来に沿って、ロード・オブ・クロウ アモーガの持つ大鎌が属性変換で俺の技を氷の竜巻に変えて放つ。俺の体は凍り、氷塊と化す。

さらにロード・オブ・クロウの3人が放った全属性斬撃を、ロード・オブ・クロウ アミーダが倍にして俺に跳ね返し、爆散させた—————が。


「楽しかったか?——俺のダミーを攻撃するのはさ。」
「何!?」


俺は再び彼ら4人に毒の刃を喰らわせ、一時的な完全硬直に追い込む。


「あの2人をゴミのように扱ったお前らを許すわけにはいかない…これで終わりだ。」
「ほう……だが、こちらにばかり集中していて良いのかな?」
「!——まさか!」


アミーダの指摘で俺は血の気が一気に引いた。《《親玉》》を数秒でも放置した——これがどれほど重大であるか。すぐさま俺は治癒中の千陽の方を向く。彼女は黒澤先祖の治療を一通り終え、小原先祖の治療をしている———そんな最中。


「死に損ないを治療するとは……記憶や意識がなくなってもやることは同じか——!」
「!!—ナムロド…!」
「千陽様…逃げて…くれ!」


治療されたとはいえ、微量のためまだ腹に風穴が開いている小原先祖はザンバットソードをマルドゥクに向ける。


「死に損ないが神を前にして何ができる?」
「俺の命はどうでもいい…だが千陽様は違う!彼女は人間の希望…人類の輝きだ!」
「ならばその愚かな輝きを胸に惨く死ね!!!」


マルドゥクがデウスラッシャーを小原先祖の心臓を突こうとする————


俺は向かおうと超光速をするが、おそらく間に合わないとネガティブ思考になっていた。


だが——————-











ズシュッ













「え……」
「はぁ…はぁ…」
「千…陽……?」



マルドゥクが貫いたのは、小原の体ではなく————少女の体。それも右側の腹———だ。


「よか…った……王太郎君が無事で。」
「あ…あぁ……」


彼女の唇から鮮血が滴る。邪神の刃からは滴る血が池を成していた————そしてそれは勢いよく抜かれる。


「これは好都合!!貴様さえいなければ———貴様の魂ごと地獄に送り込んでやる!!」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」


俺は必死で《《その瞬間》》に辿り着こうとした。彼女に手が伸びるその瞬間に。


そんな瞬間———————


























ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!


























来ることはなかった。




























 
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