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仮面ライダーキバ 目に見えないつながり

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第三十二章

「絶対料理下手に決まってるよ」
「ちっ、俺みたいな繊細な男捕まえてよ」
「あんた自分がわかってるの?」
 コハナが今のモモタロスの言葉に対して醒めた目を向けてきた。
「あんたの何処が繊細なのよ」
「俺が繊細じゃなくて何だってんだよ」
「ガサツよ」
 コハナも実に容赦がない。
「それ以外の何だっていうのよ」
「くうううううううっ、どいつもこいつも言いやがって!」
 こうまで言われて切れないモモタロスではなかった。
「俺の何処が悪いってんだよ!」
「まあまあモモタロス」
 そんな彼を良太郎が宥めてきた。
「落ち着いて。それよりもね」
「ああ、何だ?」
「もうすぐ到着だよ」
 このことを彼に教えるのだった。
「とりあえず最初の時間にね」
「おお、そうか」
 まずは良太郎の今の言葉に頷いた。
「じゃあ行くか。それじゃあ行って来るな」
「ってあんたが行くの?」
 ハナは顔を顰めさせて立ち上がったモモタロスに対して告げた。
「あんたが行ったらまた騒ぎになるじゃない」
「へっ、じゃあどうしろってんだ?」
「私が行くわよ」
 ここで自ら名乗りをあげるハナだった。
「そうすれば問題ないでしょ。良太郎も素直に来てくれるし」
「まあそれはね」 
 その良太郎自身もハナの今の言葉に対して頷くのだった。
「ハナさんだとやっぱり。一番安心できるかな」
「へっ、女ってわけかよ」
 左手を頭の後ろにやって言う良太郎に対してモモタロスが悪態をつく。
「最後はよ。どうせ俺はよ」
「だってモモタロスすぐ喧嘩起こすから」
「火事と喧嘩は華なんだぞ」 
 また身勝手なことを言い出す。
「その二つがなくて何なんだよ」
「だからあんたは駄目なんでしょ。大人ししといてね」
 コハナにまで言われる。何はともあれここは良太郎とハナでそれぞれの時代の良太郎を集めるのだった。そしてそれが終わってから魔界城に向かうのだった。
 魔界城は二十二年前だった。門からいきなり不気味な瘴気が漂っている。
「何か如何にもって場所だよな」
「そうだよね」
 既にそれぞれライダーになっているモモタロスとウラタロスが顔を見合わせて言い合う。
「もう今にも化け物が出て来そうだな」
「っていうかもうすぐ出て来るんじゃないかな」
「えっ、もうかいな」
 襟立はそれを聞いてその目を丸くさせた。
「まだちょっと心の準備ができとらへんねんやけれどな」
「相手はそんなの気にしないわよ」
 恵は既にそれができていた。その手にあのワイヤーを持ちそのうえで身構えていた。
「ネオファンガイアはね」
「しかもレジェンドルガもいるのよ」
「本物の決戦よ」
 ハナとコハナも言う。
「もう何時出て来てもね」
「不思議じゃないわよ」
「まあまずは中に入るんや」
 キンタロスは斧を手に一歩前に出た。
「さもなければ何もはじまらんで」
「じゃあ行こうよ」
 リュウタロスもそれに続く。
「もうね。出て来た奴がいたらすぐにやっつけてさ」
「その通りだ。迷うことはない」
 ジークは言葉とは裏腹にその全身から激しい気を放っていた。
「ただ。倒すのみだ」
「デネブ、いいな」
「うむ」
 桜井とデネブは既に一つになっていた。
「もう中に入ったらすぐにはじまるぞ」
「覚悟はできている」
「じゃあ行こうよ」
 モモタロスと一緒になっている良太郎が言ってきた。
 
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