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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)

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【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第4章】Vividの補完、および、後日譚。
   【第8節】背景設定4: 主要な管理世界の特徴について。

 またまた「設定厨」とか言われてしまいそうですが(苦笑)……個々の世界の特徴などについても、少しばかり語ってみたいと思います。

 と言っても、「背景設定1」で述べたとおり、この作品には最初から『一年の長さも、一日の長さも(ついでに、北半球における「冬至」の日時も!)すべての世界で完全に一致している』という「かなり無茶なファンタジー設定」が存在しているので、「あまりにもSF的な異世界」を登場させることはできません。

 例えば、その世界(惑星)の母恒星(たいよう)に関しては、「その惑星の公転周期が一年」という制約の中で『金星のような灼熱の世界でもなく、火星のような酷寒の世界でもない、通常の生物が普通に住める惑星にしよう』とすると、どうしても「我々の太陽(ソル)とよく似た大きさの単独星」になってしまいます。
 つまり、地上から見た母恒星(たいよう)の明るさや視半径(おおきさ)や色合いは、どの世界でも、必ず「ほぼ同じ」になるのです。

【主系列星の明るさは、一般に「質量の3.5乗、ないしは4乗」に比例するものなので、例えば、その世界の母恒星(たいよう)の質量を太陽(ソル)の9割とすると、その明るさはせいぜい7割となり、(母恒星の質量が小さくなった分、惑星の公転周期を同じ「一年」にするためには、その公転軌道も一回り小さくする必要があるのですが、その点を計算に入れてもなお)その世界(惑星)が母恒星(たいよう)から受け取る熱量は、地球が太陽(ソル)から受け取っている熱量のわずか75%ほどになってしまいます。
 地球でも、ほんの6億年前に「全球凍結」という事件があったことを考えると、わずか75%の熱量では「現在の地球と同様の大気組成で」なおかつ温暖な環境を維持できるかどうかは、はなはだ疑問であると言わざるを得ません。

 また、母恒星の質量が太陽(ソル)より1割ほど大きくても、同様に、受け取る熱量はほぼ4割増しとなり、今度は熱すぎて水(液体の酸化水素)はすべて蒸発してしまい、結果として「海」を維持することができなくなってしまいます。
 同様の理由により、母恒星が「非常に近接した連星」であり、地上から見ると『空に太陽が二つ並んで見える』という世界も、少なくとも「公転周期が一年」という制約の(もと)では、現実に不可能でしょう。
 だから、上記のとおり、各世界の母恒星(たいよう)は「我々の太陽(ソル)とよく似た大きさの単独星」にならざるを得ないのです。
(ただし、『はるか遠くに小型の伴星があり、夜空では一際(ひときわ)明るく見える』というタイプの連星であれば、「公転周期が一年」の有人世界も当然に存在が可能であり、この作品の中では〈管46クレモナ〉などがそのような世界となっています。)】

 また、その世界(惑星)の衛星(つき)に関しても、あまり無茶な設定はできません。普通に考えれば、「大半の世界で、大型の衛星は一個だけ」ということになります。

【木星のような巨大惑星であれば、重力それ自体も強く、その重力圏(衛星を衛星として引き止めておける範囲)も相当に広いので、その圏内に「ガリレオ衛星」のような大型の衛星(つき)が四つあっても、特に不都合は(しょう)じないのですが……。
 地球サイズの可住惑星の場合は、重力も弱く、その重力圏も決して広くはないので、その狭い範囲内に(ルナ)のような大型の衛星(つき)が二つも三つもあると、それらの衛星はお互いの重力で相手の公転軌道を乱し合う関係になってしまい、十億年単位の長い目で見た時に、衛星としての公転軌道が安定しないのです。
 一連のコンピューター・シミュレーションによれば、一方の衛星(つき)が母惑星の重力圏外にまで(はじ)き出されてしまったり、最悪の場合には、母惑星の上に墜落してしまったりするそうです。
 つまり、公式には『惑星ミッドチルダには衛星(つき)が二つある』という設定になっているのですが、実は、これは「かなり特殊な状況」なのです。
 また、逆に大型の衛星が一つも無いと、今度は『惑星の自転軸の傾きが安定しない』という話があるので、実は、これもまた「有人世界としては」かなり珍しい状況なのだろうと思います。】

 そこで、この作品では、『主要な22個の管理世界に限って言うと、大型の衛星(つき)が二つある世界は、〈管1ミッドチルダ〉と〈管15デヴォルザム〉の二つだけである』という設定で行きます。

 さて、『母恒星(たいよう)についても衛星(つき)についても、あまり無茶な設定はできない』ということは、要するに、『それぞれの世界の特徴は、もっぱら「惑星本体」にある』ということになります。
 となると、最初に考えるべき設定は、やはり「物理的なサイズ」だろうと思うのですが……実のところ、表面重力のことを考えると、これもやはり、あまり無茶な設定はできません。

【以下は、個人的な推測になりますが、地球の表面重力を「1G」と表現すると、老若男女が普通に二本の足で立って「ごく当たり前の日常生活」を送るためには、1.25Gぐらいが上限であり、また一方、十億年単位で「充分な量の大気」を維持するためには、0.8Gぐらいが下限となるのではないでしょうか。
(ちなみに、火星の重力は、わずか0.4Gにすら達していません。)
 ところで、平均密度が同じであれば、惑星の質量は当然ながらその体積に比例します。しかし、その体積は半径の3乗に比例し、また、表面重力は「質量÷半径の2乗」に比例するので、この式の「質量」に「半径の3乗」を代入すれば、結果として『表面重力は半径に比例する』という話になります。
 これは、あくまでも『平均密度が同じであれば』の話ですが、実のところ、地球サイズの岩石型惑星の平均密度は、おおよそ「似たり寄ったり」になるので、これに基づいて「概算」をすると、有人世界(可住惑星)の半径は「地球の80%以上、125%以下」となり、その質量は(半径の3乗に比例するので)ごく大雑把に言って「地球の半分以上、二倍以下」ということになります。
(ちなみに、火星の質量は、地球のわずか一割ほどしかありません。)】

 という訳で……この作品では、『主要な22個の管理世界に限って言うと、惑星本体が最も大きいのは〈管7モザヴァディーメ〉で、赤道半径はおよそ7250キロメートル。平均密度は水の5.62倍に達し、表面重力はおよそ1.16G。質量は地球のおよそ1.5倍である』という設定で行きます。

【もちろん、無人世界でも良ければ、もっと大きな惑星も幾つか存在しており、「既知の600個あまりの世界」の中での「最大」の惑星は〈無1アムネヴィア〉です。
 地球と比較すると、質量はおよそ4倍、表面重力はおよそ1.6倍、気圧はざっと5倍あまり。酸素の「比率」は20%に届いていませんが、その「分圧」はほとんど1気圧に達しており、下手に深呼吸などしようものなら、かえって肺胞が痛んでしまうほどの酸素分圧です。
 これほど酸素分圧が高ければ「肺よりももっと雑な呼吸器官」でも充分なので、アムネヴィアの地表は、現在でも(まるで恐竜たちが登場する以前の地球のような)「気門で呼吸をする巨大昆虫たちの世界」となっています。】

 逆に、主要な管理世界の中で惑星本体が最も小さいのは〈管19ゲルドラング〉で、「赤道半径はおよそ5670キロメートル。平均密度は水の5.25倍。表面重力はおよそ0.85G。質量は地球のおよそ67%」という設定です。


 さて、ガチなSFならば、次に考えるべき設定は、おそらく「軌道離心率」なのでしょうが……この作品では、そこもユルく流して、『幾つかの無人世界を除けば、大半の世界(惑星)で、その公転軌道の離心率は地球と同程度か、あるいは、さらに小さなモノになっている』ということにしておきます。
(つまり、『若干の例外を除けば、どの世界(惑星)でも、その公転軌道は「ほぼ真円」であり、あまり「楕円(だえん)」になったりはしていない』ということです。)

 そこで、次に「自転軸の傾き具合」についてですが……。
 この作品では、季節による気候の変化をごく常識的な範囲に収めるため、『大半の管理世界で、自転軸の傾きは(円周を360度として)「15度以上、30度以下」である』という設定にします。
(ちなみに、地球はおよそ23度半、ミッドはおよそ18度。したがって、ミッドの季節の変化は、地球よりもやや穏やかなものになります。)
 ですが、もちろん、無人世界の中にならば、「その枠組み」の中には収まらない世界も沢山(たくさん)あります。
 例えば、〈無2カルナージ〉は、自転軸が6度あまりしか傾いていません。
【コミックス第2巻には『一年を通して温暖』と表現されているので、この作品では、カルナージは『惑星全体規模で、個々の土地においては「季節の変化」があまり無い世界である』という設定にしてみました。】

 さらに、ユーノの生まれ故郷である〈無81ナバルジェス〉では、ほぼ0度。つまり、自転軸が全く傾いていません。
【その代わりに、軌道離心率がだいぶ大きめになっているので、惑星が母恒星(たいよう)から遠ざかった時には、北半球も南半球も同時に冬になり、惑星が母恒星(たいよう)に近づいた時には、北半球も南半球も同時に夏になります。】

 逆に、〈無4ゲボルニィ〉は、ほぼ90度。つまり、今では自転軸が完全に「横倒し」になってしまっています。
【大昔には、この世界にも普通に人間が住んでいたのですが、惑星本体も小柄な上、大型の衛星も無かったので、元々「自転軸の傾き」が安定していない世界でした。
 そのため、今から1400年あまり前に「極めて局所的な」次元震に見舞われた際、いきなり自転軸が横倒しになり、惑星全体規模で、人間が生きてゆくにはあまりにも過酷な環境になってしまったのです。
 そうして、(から)くも生き残った「三千万人たらず」の人々は、一人残らず他の世界へと脱出せざるを得なくなり、結果として、ゲボルニィはほどなく「無人の世界」と化してしまいました。
 その人々は、まず「最寄りの世界」であるファストラウムへと赴き、その半数ほどは、そこからさらにヴァイゼンやゼナドリィに渡ったのだと伝えられています。】


 また、〈外97地球〉や〈管7モザヴァディーメ〉のように『何千年も前から、ほとんどすべての大陸に人間が住んでいた』という世界は、この〈次元世界〉の中では、むしろ珍しい部類に属しています。
 実のところ、人類は大半の世界で「住みやすい環境の大陸」にしか住んでおらず、極端な場合には「最も住みやすい環境の、たった一つの大陸」にしか住んでいません。
 主要な世界の中で言うと、今もそうした状況が続いているのは〈管1ミッドチルダ〉と〈管20ザウクァロス〉ぐらいのものですが、ほんの数百年前までは〈管4ファストラウム〉や〈管15デヴォルザム〉でも、人々は「ただ一つの大陸」にしか住んでいませんでした。
(また、辺境の管理世界で言うと、〈管58アンドゥリンドゥ〉や〈管61スプールス〉などでも、一般の人々は今なお「ただ一つの大陸」にしか居住していません。)


 そこで、次にきちんと考えておかなければならない設定は、やはり「大陸のおおよその配置」と「人々の生活が、それによってどのような影響を受けて来たか」ということでしょう。
 要するに、それぞれの世界における「地理と(その影響を受けた)歴史」のことなのですが……個々の世界についてこれを語り始めると、本当に際限(キリ)が無くなってしまうので、今回は自重させていただきます。(苦笑)
【ミッドチルダについては「背景設定2」を、シガルディスについては「背景設定8」を、デヴォルザムについては「背景設定9」を、それぞれ御参照ください。】

 また、個々の世界における諸大陸の名称は、(もちろん、現地ではそれぞれに固有名称も使われているのですが)対外的には大半の場合、「方位」や「番号」によって呼び分けられています。
 そして、どちらの形式が用いられるのかは、個々の世界の歴史的な経緯(いきさつ)によって決まることなので、あまり一般化はできませんが、おおよそのところ、「人類がただ一個の大陸にしか居住していない世界」や「昔そうだった世界」では、その大陸は「中央大陸」と呼ばれる傾向にあります。
(ただし、ミッドチルダやデヴォルザムやスプールスは、この傾向性における例外であり、各大陸は番号で呼ばれています。)

 実際、ベルカの他、ルヴェラやサウティやヴァドゥガナや号天などでは、先史時代から一貫して「中央大陸」という用語が用いられて来ました。
 また、現代でも、管理世界のファストラウム、パルドネア、ドナリム、セクターティ、フェディキア、ゲルドラング、ザウクァロス、ヴェトルーザ、アンドゥリンドゥなどでは(さらには、管理外世界のキルバリスやオルセアなどでも)「最も歴史の古い大陸」がそのまま「中央大陸」と呼ばれています。
(なお、シガルディスには「大陸」と呼べる大きさの陸地が三つしかないので、それらの三大陸はそれぞれの方位に従って、「東の大陸、西の大陸、南の超大陸」と呼び分けられているのですが、「中央」と呼ばれる大陸は存在していません。これはこれで、かなり珍しい事例だと言って良いでしょう。)

 一方、大陸に番号を割り振る場合は、ヴァイゼンやクレモナのように「実際に人間が住み始めた順番」で番号を付けてゆくことが多いのですが、中には、ミッドチルダのように第一大陸を中心として「地理的に近い順」に番号を付けたり、また、モザヴァディーメやスプールスのように単純に「北から順」に番号を付けたりしている世界もあります。


 なお、〈次元世界〉の中には、『ほぼすべての住民が、その世界の住民ならではの特徴的な「遺伝子マーカー」を幾つも保有している』という世界も数多く存在しています。
 有名なところでは、ベルカ人、ヴァイゼン人、モザヴァディーメ人、シガルディス人、デヴォルザム人、クレモナ人、テルマース人などですが、彼等は遺伝子の「簡易検査」でもすぐにそれと解るほどの特徴を幾つも(そな)えており、その人が純血かハーフかクォーターかということすら、しばしば簡易検査で判別がつくほどです。
(例えば、ユーノは単純な簡易検査で、遺伝子のおよそ四分の一がクレモナ人に由来していることが判明しています。つまり、普通に考えれば、『四人の祖父母たちのうちの誰か一人だけが、クレモナ人だった』ということです。)
【ちなみに、リグロマも同様の検査で「デヴォルザム人とのハーフ」であることが簡単に判明するのですが……このリグロマについては、「キャラ設定5」を御参照ください。】

 一方、ミッドチルダ人、ドナリム人、フェディキア人、マグゼレナ人、リベルタ人、オルセア人、ルヴェラ人、号天人、地球人などには、そうした遺伝子上の特徴がほとんど無く、簡易検査だけでその出自を言い当てるのは、ほぼ不可能となっています。


 それでは、最後に、それぞれの管理世界の「首都間の時差」についても、ごく簡単にまとめておきましょう。
 今からもう1200年ほども昔のことになりますが、ベルカ聖王家の「直轄領」となった十二個の世界のうち、八個の有人世界には、それぞれに惑星統治の拠点として「総督府」が築かれ、聖王家の「直臣(じきしん)」の中から選ばれた八家系の貴族たちが、それぞれの世界の「総督」として(言わば、「聖王の代官」として)そこに赴任し、そのまま土着しました。
 利便性を考えれば当然のことですが、それらの総督府は、いずれもベルカ世界の「聖王の都」とほとんど時差が無い土地を選んで築かれています。
 そして、それらの世界ではいずれも、現地の住民たちは(やはり、利便性を考えた結果として)「総督府」とあまり時差が無い土地を選んで、新たな首都を築きました。
(ミッドチルダだけは例外で、首都パドマーレは最初から「総督府」とは20分あまりの時差しか無い土地に築かれていたのですが、これは全くの偶然です。)

 そんな訳で、最初の四つの管理世界では、もう千年以上も前から、互いの首都の間に大した時差はありませんでした。
〈管1ミッドチルダ〉のパドマーレ(後に、クラナガン)も、〈管2ガウラーデ〉のテスカリグゼも、〈管3ヴァイゼン〉のジェランドールも、〈管4ファストラウム〉のカルナログも、間接的に「ベルカ世界の聖王の都」を共通の基準としていたからです。
 しかし、ベルカ世界の滅亡後、〈九世界連合〉の時代になると、状況は少しずつ変わって行きました。
〈管6パルドネア〉の首都アロムディや、〈管7モザヴァディーメ〉の連邦首都パミカローデは、パドマーレやクラナガンなどとは何と10時間以上もの時差があったのですが、この二つの世界は『あえて我が道を行く』ことにしたのです。

 一方、〈管5ゼナドリィ〉は、パドマーレとは6時間もの時差がある「千年の都」サグアディエを「古都」と位置づけ、パドマーレやクラナガンとの時差が無い土地に「新都」バクトニエを造営し、遷都しました。
 当時、この遷都は、サグアディエ近辺の住民たちからは『プライドを捨てて、他の世界に尻尾を振った』と酷評されましたが、『年々、ミッドやヴァイゼンとの人的交流が(みつ)になってゆく』という状況下では、なかなかに合理的な判断でもありました。
(ちなみに、〈九世界連合〉の時代には、いろいろな意味で、ミッドとヴァイゼンが「二大強国」でした。)

〈管9ドナリム〉でも、旧来の首都オルバランを放棄して(元々、クラナガンとは時差が無い土地に建っていた)州都ブラゲルドを新たな首都としましたが、後に「都市インフラの老朽化」などの理由により、オルバランは「事実上の廃墟」と化してしまいました。
(ダールヴは、この「廃都」オルバランで生まれ育ちました。)

 また、〈管8フォルス〉では、旧来の首都タルクノスが、クラナガンなどとは偶然にも「およそ8時間」の時差があったため、そのはるか東方、クラナガンなどと時差が無い土地に「第2首都」ガスプシャルスを築き、さらには、両首都から(ひと)しく8時間ほどの時差がある土地に「第3首都」クラドモクスを築き上げました。
 これは、第一に「莫大な額の継続的な公共事業」であり、また、首都機能の分散によって「一極集中を避けるための措置」でもあり、さらには、惑星単位で「首都機能の24時間営業」を可能にするための施策(しさく)でもありました。
【もちろん、そうした一連の施策は、現実には「当初の想定」ほど上手くは機能しなかったのですが……それは、また別のお話です。】

 その後、新たに「管理世界」となった諸世界は、みな、首都に関しては『パルドネアやモザヴァディーメのように旧来の首都を維持するか。それとも、ゼナドリィやドナリムのように「ミッドを始めとする四世界」に追随する形で遷都をするか。あるいは、フォルスのように複数の首都を運営するか』の選択を迫られることになります。
「主要な22個の世界」で言うと、いずれも小国の〈管12フェディキア〉と〈管13マグゼレナ〉と〈管19ゲルドラング〉の三世界は、ゼナドリィと同様に、クラナガンなどと時差が無い土地に新たな都市を造営し、そこに遷都しました。
(それぞれ、古都ルンバギアからゲマルヴィアへ、廃都ディオステラからラドレスカへ、旧都ゼブロムニスからバルグルンドへと遷都しました。)

 また、〈管14シガルディス〉と〈管15デヴォルザム〉と〈管22ハドマンド〉の三世界は、「事実上」複数の首都を運営しています。
(それぞれ、ヴォグニスとレムニェスタとドゥムゼルガ、ドグディガムとブルートブルグとモルセーラ、グリドヴァルカとジョグルディグナとネブニクシャルドが首都として機能しています。)

 そして、〈管16リベルタ〉を始めとする「他の七つの世界」は、それぞれに事情があって、旧来の首都をそのまま維持しました。
 結果として、それら七つの世界の首都は、〈管10ルーフェン〉の首都ラオキンも、〈管11セクターティ〉の首都ディブラガートも、〈管16リベルタ〉の首都メラノスも、〈管17イラクリオン〉の首都ゴルティナも、〈管18ラシティ〉の首都イエラペトラも、〈管20ザウクァロス〉の首都ピュルガァゼスも、〈管21ヴェトルーザ〉の首都ザハロームも、『みな〈管6パルドネア〉の首都アロムディや〈管7モザヴァディーメ〉の連邦首都パミカローデほどではないにせよ、それぞれにクラナガンとは相応の時差がある』ということになります。
(例えば、リベルタの首都メラノスは、フォルスの「第3首都」クラドモクスと同様に、クラナガンとは「およそ8時間」の時差があります。)

 なお、〈外97地球〉において、クラナガンなどと時差の無い土地は、当然ながら(?)海鳴市の近辺です。
【地球で「海鳴市以外の場所」が全く舞台にならないのは、もっぱらこうした時差のせいである、という裏設定です。】


 
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