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プロレスラーの姉とモデルの妹

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第二章

「私は」
「妹さんと揃って仲よく撮影と思っていたけれど」
「美女と野獣ですね」  
 雑誌のスタッフの一人が言ってきた。
「これは」
「ううん、じゃあ」
「お姉さんが美人なのは確かですから」
 モデル体型でないがというのだ。
「もうここは思い切って」
「そうしてなんだ」
「お姉さんはレスラーであることを前面に出して」 
 そうして撮影をしてというのだ。
「妹さんはモデルで」
「対象的になんだ」
「やってもらいましょう」
「そうするんだね」
「はい、どうでしょうか」
「確かに奇麗だしね」
 社長は妙子の顔をあらためて見た、姉妹そっくりでまさに美人姉妹だ。
「それじゃあ」
「そういうことで」
「お願い出来るかな」
「わかりました」
 妙子はまたしても豪快に笑った、そうしてだった。
 姉妹で仕事をしたが彼女はプロレスラーとして妹はモデルとして撮影した。姉妹のツーショットもあった。
 その仕事は好評だった、それで社長は未亜に事務所で話した。
「お姉さんとのお仕事はね」
「評判いいんですね」
「美人姉妹ってことでね」
「それはよかったです」
「うん、ただね」
 社長は難しい顔で話した。
「姉妹でも違うね」
「お仕事が違うとですね」
「うん、顔立ちは同じでも」
「体型とか違いますね」
「そのことがわかったよ」
 こう言うのだった。
「今回ね」
「ちなみに姉正統派で技も多いです」
 未亜はレスラーとしての姉のことを話した。
「得意技はカナディアンバックブリーカーにドロップキック、サソリ固めにジャイアントスイングにラリアットです」
「そうなんだ」
「あっちの世界では強い美人レスラーとして人気です」
「それは何よりだね、同じ美人でも」
 それでもとだ、社長はまた言った。
「お仕事によって違うね」
「そうなんですよね」
「わかったよ、よくね」
 こう未亜に言った、そして次の仕事の話をしたのだった。


プロレスラーの姉とモデルの妹   完


                   2023・11・17 
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